Gutsヒロのスイーツ・ストーリー:Just Like a Boy〜喜びを届ける日〜
Gutsヒロのスイーツ・ストーリーへ、ようこそ!お菓子作りが生きがいでスタートしたお菓子のお店の活動を皆様と共有し、美味しく幸せなひとときとなれば幸いです。
先日の10月27日は、私のお店「お菓子工房たびこ」の第3回目の店頭販売日でした。この日を迎えるのに様々なことがありました。
前回の投稿にも書いたのですが2回目の「急性腰痛症」を診断されました。徐々に良くなっていったのですが、店頭販売の週のはじめに職場で物を置こうと腰を少し曲げた時に「グギッ」と音がして動けなくなりました。もう激痛でした。
その日は、もう痛くてペンギンみたいな歩き方になってしまい、何もできなくなりました。
しかしながら、接骨院の治療を受けて、痛み止めを飲んで就寝し、その次の日、奇跡的にだいぶ動ける様になったのです。
焼き菓子を用意するどころか、生菓子も控えている中、絶望していたのですが、お菓子の神様が私が最後までやり遂げるよう腰の痛みを和らげてくれたのかもしれません。
でも、予定していた商品の作成はかなり変更にしました。無理のない程度で作れるお菓子のみにして、種類もかなり減らしました。
この変更は商品の内容のレベルを下げたのではないのです。
焼き菓子の全商品を新しい商品に切り替えたのです!
作ったものは、スティックケーキ。土壇場で決断ができたのは、これまで様々なお菓子を勉強して、商品開発をして、お菓子作りを楽しみながら培った経験があったからです。
バリエーションは6種類。Gutsヒロの自信作のスティックケーキです。
焼き菓子の準備が終わった時には、お客様を迎えることができる実感を得た瞬間でした。
そして、土曜日は生菓子の作成日です。明日はオープン日なので失敗は許されない大切な日です。
でも、生菓子のホールケーキ作りは私が1番大好きなお菓子作りです。そこに緊張や不安は全くありません。それは、歌手が歌うように。鳥が飛ぶように。私のお菓子作りは自由に開放された特別な時間です。
そして、ホールケーキをトルテにカットして、ラッピングして、ケースに入れて私の準備は無事に終わったのです。
腰は痛かったけども、手も腱鞘炎で動かなかったのですが、最高のお菓子を最高の形に作り、最後までやり遂げることができて本当にやりきった気持ちでした。
そして、10月27日のオープンの日を迎えるのです。この日は全国の皆様もご存知の通り、選挙の日でした。お菓子工房たびこが10月27日にオープンすると公開した後に選挙が行われることが決まりました。
お菓子工房たびこは小学校の近くにあるお店で、その小学校は選挙の投票場所でした。
そうです。この日、お菓子工房たびこのお店の前を歩く人が大勢いたのです!
「こんなところにお菓子屋さんができたんですね!」
「噂のお菓子工房たびこってここにあったのですね!」
そんな嬉しい声を頂き、沢山のご来店がありました。
また、常連のお客様もいらしてくださいました。
「実はヒロさんのnoteを全部読んでいます!」
「お菓子工房たびこで、もし働けるなら働きたいです!」
「この前のバースデーケーキ、とっても美味しかったです!」
「さっき買ったケーキが美味しかったのだけど、まだありますか?」
そんな、神の声のようなお言葉もいただけました。
ここまで、喜びに溢れた日になったのは、常にそばで手伝ってくれた母の存在が大きかったです。母はお菓子作りはできませんがそれ以外のサポートは全てやってくれたことがここまでできた要因だと思います。
そして、今回のオープンの日に助っ人に来てくれた母の従姉妹さんのおかげもありました。すぐにレジの使い方も覚えてくれて臨機応変に接客の対応をしていただけました。
また私を応援してくれているお客様がお店を盛り上げてくれたこともあって、連鎖するようにお客様のご来店が続いたこともありました。
私を応援してくれる人達のおかげもあって第3回目の店頭販売は無事に終わることができました。
お店は少し早めに終わることにして私も選挙に行きました。
帰ってきてから、外の片付けをしていたら、それまで晴れていた夜空から雨が降り出したのです。
2回目の店頭販売の時もクローズして看板を片付けていた時にスコールが急に降ったのですが、もしかしたら天の誰かが私を祝福するように雨を降らせたのかもしれませんね。
第3回目の店頭販売で、多くのお客様から、
「今日からオープンするのですか?」
「日曜日が営業日なのですか?」
と、期待の嬉しいお言葉をいただきました。しかしながら、お菓子工房たびこはまだ不定期の日程でのオープンで、まともな告知もしないでオープンしている新米のお店です。実のところ、まだ新米でもありません。
それも、私のnoteを読んでいただいてる方は知っているかもしれませんが、私はパティシエのお仕事の他に、福祉支援センターで障害者としてお仕事もしています。
そういった事情で2つのお仕事を今以上にやるには、私のキャパシティを越してしまい、難しい部分があるのです。
私は過去に無理な仕事をして体も心も壊しました。
でも、お菓子作りは誰よりも努力して愛していることを近くで見ていた母はそれを知っていました。
そんな母が、私が「誰にも縛られずに」「自由に」「自分らしくあるために」、私が最高のお仕事ができるよう厨房と客室をプレゼントしてくれたのです。
そんな大切な理由がある私のお店「お菓子工房たびこ」は、現状まだオープン日も定まらないのですが、ある事情から来年の3月いっぱいで福祉支援センターを退所することが決まり、来年の4月からパティシエのお仕事1本でやることが決まりました。これは、運命的なことや様々な人の応援や、タイミングなど様々な要因があって決まったことです。
それは今まで、福祉支援センターの収入で補っていた経営を、お菓子作りだけで生計して行くわけですから、これまで以上に努めていかないといけないわけです。
私には今、目標があります。それは、
冷蔵ショーケースの購入です。
この前、お見積もりをしました。なんと100万円弱!オーマイゴット!って気分でした(笑)
でも、私の作る大切なケーキをなんとしてもショーケースに並べたい。ショーケースは、私の新たな夢です。
ちなみに10月27日はこのようにお菓子の販売をしました。
現在はショーケースの購入に向けて様々な方の助言をいただいて、購入まで着々と進めている段階です。
来年の4月までに冷蔵ショーケースを揃えれるよう頑張っていきたいと思います。また10月27日のお客様の数組から、
「ヒロ君のショーケース買えるように応援しているからね!」
と言ってケーキを買ってくれる人もいますから、期待に応えてお菓子工房たびこがより素敵なお店になるよう頑張らなくてはいけませんね!
そして、福祉支援センターの退所が決まり、これからのお菓子工房たびこの活動も色々考えることが増えました。
それは、より多くの人にお菓子工房たびこを知ってもらいたいという気持ちです。
それは、代理販売店の「わくわく広場」で活動をはじめて、「Gutsヒロ」「お菓子工房たびこ」が多くの人に知れ渡ったことです。これは待つだけではなく、こちらから出向く姿勢で活動をする大切さです。
私は先日に、インスタグラムのマルシェ募集を見つけました。私の県内では話題で盛り上がったマルシェ。しかも募集のタイトルが「2枠空きができました」でした。私は、ダイレクトメールで出店したいと申し出をしました。運営担当者からは「抽選のため後日返答」と返事が来ました。そして、数日後・・・。
「飲食店出店の空きがあります!出店されますか?」
嬉しい返事が来たのでした!
もし、私の県でこのマルシェに興味ある方は私のインスタグラムから探ってもらえればと思います。
お菓子工房たびこインスタグラム
11月は店頭販売ではなくマルシェの参加となりました。
話は変わり、ここまでGutsヒロが幸せにお菓子作りの活躍ができて、店頭販売の3回とも100名を超えるご来店があり、ここまで来れるようになったのは様々な方々の応援が奇跡的にあったからです。
今、幸せにやっている私が、かつてパティシエになる前の期待も希望もなかった絶望の淵にいた29歳の頃の私に言いたいことがあります。
「ヒロ!自分を信じろ!自分に負けるな。当たり前のことを続けろ!必ずお前は特別になれる!大好きなパティシエの杉野さんが言ってる言葉だろ?」
「当たり前を積み重ねると特別になる」
巨匠・杉野英実さんのお言葉です。
「奇跡」という特別なことは、偶然に起こることではなく、引き寄せてチャンスにすることです。
20代の頃の私は、雑用係で一人残って毎日、掃除や片付けをしてそんな毎日を続けていました。その時は「天は見てる」と思い、食いしばって続けた日々でした。
でも、料理人という職業柄で患う病気で私は、手術することになりました。医者からは、
「もう料理の仕事の仕事は辞めなさい。」
でした。
それは、料理の仕事を死ぬ気でやって、料理を愛する私の希望の糸をぷっつりと切れた厳しい言葉でした。
料理やお菓子作りを辞めた私は、燃え尽きた灰となって途方に暮れる日々を過ごしていました。そんな中、気まぐれで片道2時間かかるカフェに行きました。そのカフェは山奥にあり、近くには滝があり、地元では有名なパワースポットの場所でした。
平日で人がいなくて、ぼーっと滝を眺めてマイナスイオンを浴びて、廃人となった私に柔らかい癒しを感じさせてくれました。
私はカフェに入った。お金がなかったからコーヒーを一杯頼みました。
店主のマスターはサイフォンで手際よくコーヒーを淹れていました。するとマスターが、
「どちらからきたんですか?」
と聞いてきた。私は住んでいる場所を言った。するとマスターが続いて、
「仕事は何してるんですか?」
と聞く。これには参ったなと思ったが「無職です」と答えた。するとマスターが
「前はどんな仕事をしていたんですか?」
と聞く。余計に参ったなと思ったが「料理人です」と答えた。そうですか、とマスターは満足したように頷いていた。私が料理人だったことを知るとマスターは親しげに話をしてくれた。そして、ついつい今までのことを話してしまった。手術して料理を諦めて次に何の仕事するか迷ってることを話した。マスターは暇じゃないだろうに、私の話を聞いてくれた。
そして、私に驚く意外なことを言う。
「お兄さん、料理やりたいんだろう?」
私は思いがけないことだったし、忘れようとしていたことだったが言われて数秒後に図星だったことを理解した。マスターは更に
「俺の息子も行ったんだが、〇〇調理師専門学校に行ったらどうだろうか?」
と言うのだ。私は驚いた。あの料理人のエリートを育てる学校のことだった。そして、マスターは私の運命を変える言葉を言った。
「お兄さん。今、料理辞めたら死ぬほど後悔するぞ。人生一度きりだ。やれるのは今だけだぞ!」
・・・。この店主のマスターの言葉をもらったのは8年前になります。この言葉から29歳で調理師専門学校の製菓コースに入り、2年間学生生活をするのです。
そして、2年前まで希望も期待もなかった私は、製菓コースを主席で卒業し、最高の形でパティシエになれました。
あの時、マスターから私はどのように見えたのだろうか?予知能力でもあったのだろうか?
自分でも信じられない奇跡が何度も起こり、今では「お菓子工房たびこ」のパティシエになっているのです。
でも、その奇跡のような結果は、私がいつもどんな時でも信じ続けていた、
「当たり前を積み重ねると特別になる」
が、いつも心にあったからだと思います。
辛いことでも、小さなことでも、真摯に向き合って「天は見てる」と思ってやり続けていたら、今では1日に100人を超えるお客様が私の作るケーキを見に来てくれる。しかも買ってくれる。美味しかったと言ってくれる。
私は、素晴らしい人間でも凄い人間でもなかったけども、コツコツやってきたことが3年後、5年後、10年後となって、今があるとしたら本当に続けてきて良かったと思います。
だから、このnoteを見ている方で、もし人生に途方に暮れていたら、自分を信じてください。いつまでも信じてください。必ずチャンスは訪れます。だから諦めないでください。
ここまで、読んでくださりありがとうございました。
Gutsヒロの挑戦はまだまだ続きます。お菓子から生まれる美味しい素敵なストーリーをこれからも皆様と共有し、幸せなひとときが味わえるよう活動してまいります。これからもどうぞ宜しくお願い致します。
Gutsヒロ