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Gutsヒロのスイーツ・ストーリー:本が支えてくれたから生きてこれた

Gutsヒロです。今回のnoteは「#買ったわけ」をテーマにお話しします。
ある哲学の本で誰もが持っている財産「お金」「時間」をどのように投資するかで自分の将来を決まると書いてありました。無駄遣いすれば当然ながら貴重な財産は無為になってしまい、自分の夢や目標に費やせばその分実現に近づき、成長すると言ったことです。

私は、昔働いていたシェフの言葉をきっかけに「本」を買うことを続けています。料理の世界は日々進化しています。古い本の基本的な知識も大事ですし、最新の流行っているものが載っている本の知識も当然大事です。本の中に載っているレシピや作り方が載っている解説がないと再現するのはほぼ不可能と言っていいでしょう。今ではyoutubeなどでインターネットで情報が溢れている時代ではありますが、一流シェフの技術や知識、オリジナリティを見ると、専門書の情報の方が自分を大きく成長させてくれていると思います。


それでは、私の昔の小話をしましょう。

私が働いていたフランス料理のオーナーシェフにあることを言われました。

「給料は何に使っている?」

私は、生活費や貯金、お菓子の試作などに使っていると言いました。そうしたらシェフから、

「お前はヘボだから全部料理のことに全て使え!本を買ってレシピを学べ、この辺のお菓子屋の味を全部覚えろ!」

と言われました。挙句に本当にその指示通りにしなかったらもう料理はやらせないと言われたのでした。とても厳しいシェフで、私は言われた通り、35軒あった洋菓子屋さんを週に3回のペースぐらいで食べ歩くことになります。そしてお金が少しでもあればamazonで片っ端から専門書や料理本を買いました。すぐに貯金は尽きましたが、それでも時折シェフから本当に実施しているか確認も取られるので使ったお金のレシートはいつも持ち歩いてましたし、食べたお菓子はデータも作り、買った本の分からないレシピは材料を取り寄せて独学で作っていました。

シェフは決して優しくレシピや作り方を教えてくれる人ではありませんでした。ある日、

「明日からシュークリームを出すからな」

と突然言われたのです。お店の材料で出来るレシピを考えて作らなければいけませんでした。すぐにシェフの認めてくれるシュー生地が作れるよう徹夜でシュー生地を焼いて、これならいける!と思い、次の日を迎えました。
私はシュークリームの生地を焼いて、今日は無事にできてよかったなぁ、、、と思ったらシェフが来て、

「シューを見ろ!なんだこれは!」

と激怒しているのです。私は何に怒っているのかわからなかったので、何が悪いのか聞きました。すると、

「大きさが違うだろうが!」

と2つのシューを並べてみせるのでした。最初は分からなかったのですが、よく見ると2mmぐらい片方が大きかったのです。その2mmにシェフは激怒していたのでした。シェフは、

「お客様に大きさの違うシュークリーム出すつもりか!みんな同じ金額のお金払ってるんだぞ!」

と散々怒られたのでした。私は持っている本で色々調べましたが、私が作っているシュー生地の作り方は大きさを揃えて作るレシピだったので、シェフの言う2mmの誤差もなくす作り方はわかりませんでした。当然ながら当時はインターネットで情報がわかる時代でもありませんでしたし、とにかく作って作って作りまくって様々なレシピで作って試すしかありませんでした。(もちろん家で、自分の材料でやります)

それでも運がいいことに私はある本でほぼ誤差のでないレシピにたどり着くことができました。技術も上がったこともありますが、シュー生地の膨らむ動作を操作するなんて難しいことですが、色んな本を読み漁ってそのヒントがあったのでした。

今の私の技術で作れるシュー生地のレベルがこちらです

今となっては頼れるレシピもありますが、シュークリームを作ると当時のトラウマが今でも蘇ってきてシュークリームを作るときはいつも不安な気持ちで、シェフに言われた厳しい言葉のフラッシュバックが出てきてしまいます(^^;)


そして現在でも一冊の本に1行でも勉強になりそうな本があればすぐに買います。いつどこで役立つか分からない貴重な情報は将来的に必ず役に立つからです。色んな本を読むと想像力の幅が広がり、あの作り方とあのパーツを合わせたら美味しいお菓子ができるんじゃないか、あの部分をあの本の作り方でやればもっと良い商品ができるんじゃないか。そんなことを毎日、頭を巡らせています。

その甲斐もあって、パティシエとして新人で入った会社では商品開発を任されたり、スイーツコンテストに出場すれば入賞することもできるようになりました。

そして現在、私は沢山の人に認めてもらえるようになり、お菓子作りの信用を得て自分のお店を持つほどまでになりました。しかし、すごいお菓子屋さんに行ったり、雑誌で注目されたスペシャリテを見ると、自分はまだまだだなぁと思うことが多々あります。私は決して「天才タイプ」ではなくて、「苦労人タイプ」でやっていく人間なので苦労して苦労して、本当に良いものを作れるようになるのが目標です。

しかし、それでも日々楽しく幸せにお菓子作りをできるのは、私の肩を支えてくれる「本」があるから安心して伸び伸びとお菓子作りができるのです。私一人の力でお菓子作りをやっていたらキャパシティを超えてすぐに潰れるでしょう。しかし、困ったときは「師匠」的存在の「本」があるから私は美味しいお菓子が作れるのです。お金がなくて悔しい思いもしましたが、コツコツ集めた本があったから今があるとしたら、昔働いていたフランス料理の厳しかったオーナーシェフの言葉も今となってはありがたい言葉だと思っています。


本が私を支えてくれたから生きてこれた。

私は、様々な先生の本に敬意を払い、自分のお店にはそれに相応しい「本棚」を設けました。この本棚にある様々な本の一冊一冊のレシピと内容をほとんど暗記しています。そのぐらい私の人生にとってかけがえ無いのない大切な「本」です。

100冊はこえる本と、哲学書など私の人生を創造した本棚です。もうこれらの本を集めて10年になります。今でも本を開くたびにアイデアが浮かび、レシピを書いて、そんな幸せな時間の日々を過ごしています。

Gutsヒロ






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