憧れの新築マイホーム…への道のり
結婚当初私は夫の実家に住んでいた。
ここでのことはまだ書く気持ちが固まっていないので今回は割愛。
一つ言えることは。
私は自分の母親のことを今でいう「毒親」だと思っていた。
でも本当は母親はちっとも毒親なんかではなく子供への接し方が究極に下手な子供を愛する親だったんだと夫の実家で暮らす日々の中で実感した。
母に対する恨みつらみが消え去り母に感謝する気持ちを持つことが出来たという意味であの1年間は無駄ではなかったと思える。
私と夫は賃貸を探していた。
私は尾崎豊のI LOVE YOUのような暮らしに憧れていた。
ググるのは億劫だがどうしても聴きたいという方の為に一応貼っておく。
若い頃にやたら悲劇のヒロインぶっていたのは尾崎豊が好きだったからかもしれない。
彼は学校を退学し大人を信用していなかった私の代弁者だった。
いくつか物件を見に行ったけれどそもそも今の地域は物件数が絶対的に少なくていわゆる四畳半のおんぼろアパート的な物件はほとんどなかった。
不動産屋の力を借りることにした。
中年のオジサンが担当してくれた。
若者の虚栄心をくすぐることなんてたやすかっただろう。
おんぼろアパートを探していたはずの私たちは気付くと2LDKのどう見てもファミリー向け物件を契約していた。
家賃7.3万。高い。どう考えても高すぎる。
共働きの夫婦2人でなぜ2LDKの広さが必要だと思ったのか。
今考えても私たちは担当のオジサンに騙されたとしか思えないけれどとにかくその分不相応な家賃のマンションに4年間住んでいた。
その地域は治安も悪かった。
私はストーカー被害に遭った。
仕事から帰宅すると電話がかかってくる。
電話を取ると男性の声で「おかえり」と。
今思い出しても恐ろしい。
どこで見ているのかさっぱり見当もつかず警察に相談もしたけれど実害がないので何も動いてもらえず。
ある日夫が「あいつに違いない」と言い出した。
私たちのマンションの前は某自動車メーカーの工場で働く期間従業員の送迎バス乗り場になっていた。
そこの列に並んでいる男性が怪しいと言う。
全く見覚えのない同年代くらいの男性。
そこそこイケメン。
あんな人がストーカーなんてする?
夫曰くその男性の私を見る目がストーカーの目なんだと。
なんだかよく分からない根拠だしその男性がどこに住んでいるのかも分からないし対処のしようがない。
いきなり唐突に何の証拠もなく「あなたがストーカーですか?」とか聞くわけにもいかないし。
冬にはマイカーに積もった雪の上に卑猥な落書きをされたりもした。
ある時を境にストーカー行為はパタリと止んだ。
同時期送迎バス乗り場から男性が姿を消した。
男性が本当にストーカーだったのかは未だに謎のままだが夫がそういうのでそういうことにしておく。
マンションの斜め前には当時流行っていた洗車場があり休日には出稼ぎ労働者の外国人がガシガシ車を洗いながら大音量で音楽をかけていた。
歩いて1分ほどのところにコンビニがあり夜中になるとそこにたむろしている子たちの単車の爆音が鳴り響いた。
同じマンションに住む人の四駆車に無数の女性物の下着が貼りつけられていたこともあった。
4年目のもうすぐ更新というタイミングで私たちは引っ越すことにした。
子供が欲しかったけれどこの地域で子育てするのは絶対嫌という夫婦共通の意見もあった。
治安がよさそうで静かそうな落ち着いたところには賃貸物件はほとんどない。
私たちは賃貸を諦めてマイホームを持つ方向にシフトした。
いくつか物件を見たけれど即答出来ず迷っているうちに先を越されてしまうということを何度も繰り返した。
家を探すのも疲れていたので目が曇っていたのだろう。
気付くと日当りが悪く間取りの少ない「新婚さん向け」物件を購入していた。
ローンは月3.6万の18年払いだった…ような気がする。
夫の仕事があまり信用のないものだったので銀行は世間の同年代会社員ほど貸してくれなかった。
貸してもらえなかった分は頭金として私が出した。
正確には父親が残してくれた遺産から出したが正しい。
父は死亡保険に入っていてその保険金を母はちゃんと私たちに分割して残していてくれた。
初めてのマイホーム。中古だけど。
1Fは6畳のリビングと7.5畳のダイニングキッチン。以上。
収納は階段の下にある三角のスペースオンリー。
2Fは9畳くらいの押入れ付洋室と6畳の押入れ1つと階段上のスペースを利用した押入れの1/3くらいの収納スペースがついた和室。以上。
1Fにはほぼ収納がゼロなので全ての物を部屋の中に置かなければならない。
何を血迷ったかどでかい3人掛けのソファーを買ってしまいTVボードも背の高い奥行きの広いタイプを買ってしまった。
6畳のリビングはそれだけでぎゅうぎゅう詰めだった。
7.5畳のダイニングキッチンには冷蔵庫・食器棚・レンジ台・電話台。
そして真ん中に4人掛けのダイニングテーブル。
ええ。こちらもぎゅうぎゅう詰め。
結論。収納スペースがない場合リビングダイニングは13.5畳では狭すぎる。
2Fの洋室は私たち夫婦が寝室として使った。
結婚当初から嫁入り道具を買いたいと意気込んでいた母にずっと待ってもらっていたので仕方なくこのタイミングで買ってもらった。
本当は要らなかったけれど。
こぢんまりしたタンスとこぢんまりしたドレッサーとシングルベッド2台。
ちゃんとした家具屋で買ったのでかなりの値段がした。
もったいない。本当にもったいない。
でも母たちの時代は嫁入り道具が当たり前だったので母は買いたいと頑として譲らず親不孝を繰り返した私としてはここはありがたく買ってもらうことにしたのだった。
9畳の洋室はこれだけ家具を入れるとぎゅうぎゅう詰めになった。
6畳の和室はいずれ子供部屋にすることにして当面は物置として活用した。
何を置いていたかは忘れてしまったが。
住んで2年目には子供も出来こぢんまりした幸せに私はそこそこ満足していた。
この頃になると私にはいつか新築を建てたいという夢が出来そのためにせっせと繰上返済に励んだ。
確証はなかったが信用のない仕事でも実績があればなんとかなるのではないかと考えた。
新築を買う場合はさすがに中古のような融資額では無理なので繰上返済は銀行への信用を作る大事な実績になると信じて。
結果、当初組んだローン年数の半分で私たちは中古住宅のローンを完済した。
私の経験や考え方が少しでもお役に立てたなら嬉しいです(◍•ᴗ•◍)