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いつの間にかこんなにも違う道

友人がグループLINEに唐突に動画を送って来た。

どうせ自分たちのLIVE動画かなんかだろうと思っていたのだが。

そこに映っていたのはこれを読んでいる誰もが知っている芸人。

その芸人がトーク番組で話している動画だった。

その話の内容と言うのがまさかの夫のことだったのだ。

若かりし頃まだバンドをやっていた時の夫の話。

こ、これは!?結構なお宝動画かもしれない。

早速家族LINEにその動画を送っておいた。

娘が超興奮して「これ!めっちゃ自慢できるっ!」と。


まぁそんなことはどうでもいい。

夫とはかなり親しい芸人だが私は直接友人ではない。

夫の妻というくらいの認識はあるとは思うが「私芸人○○と知り合いやねん」と鼻高く言えるほどではないし、今となっては私が1人の時に仮にその芸人と出会っても私のことは分からないかもしれないくらいのレベルなので。


そこから久々に友人たちとのグループLINEが盛り上がった。

だいぶ前は年に数回付き合いでLIVE見に行ったり飲みに行ったりしていたのだが、半年強前に私が別のLIVEに行った帰り皆で落ち合って飲もうということになっていた時まさかのドタキャンをされてしまったのだ。

一番親しい友人Aは元々その日は都合がつかず二番目に親しい友人Bと二人きりでは会ったことのない友人Cと3人で飲む約束だったのだがBがドタキャンしたためにCも辞めておくと。

その日は飲んで帰ることになっていたので行きはわざわざ夫に駅まで送ってもらい帰りはタクシーで帰ることにしていた。飲んで帰らないならマイカーを駅に停めておけば1/4の出費で済んだのに!

もう彼らとはしばらく会いたくもないと思っていたのだが当の本人たちはそんなことすっかり忘れた様子。

元々いい加減で適当な人たちだからな。ドタキャンとか怒ってる自分の方が器が小さいヤツとすら思えてくる。


で、なぜかふとゲームに誘ってみようと思った。

FF14無料で出来るから一緒にしようよ。

全然乗り気じゃない彼ら。私も思う。多分あの人たちゲームとか出来ない(笑)タッチタイピングでキーボード打ってるとこなんて想像もつかないしまともにフィールド歩けないレベルだろう。

そこからなぜか話は飲みに行こうということに。

あ。もう絶対こいつらドタキャンしたことなんて忘れてる。


しかし、今はこんなご時世なので彼らと飲もうと思うと電車とかマスクして乗らなきゃいけない。うーん。本当に気が進まない。

正直にこんな時なので億劫だと言う。

「TVに踊らされ過ぎっ!!」

聞くと彼らは渦中も普段と全く同じように過ごしていたらしいのだ。

ちょっとここでは言えないような仕事に行き夜は飲み歩いて休日は麻雀三昧だったそうな。

「俺ら誰もコロナなってへんで」

うん。そうだろうね。私も実はそう思うよ。マスクしなくても結構大丈夫なんじゃないかって。今まで通りの毎日過ごしてても感染なんてしないんじゃないかって。


毎日マスクをして会社に行き、ビニールカーテンを張り巡らせた事務所で仕事をして時間差で社食に行きソーシャルディスタンスを守り私語厳禁の中でもそもそご飯を食べて、でも収入は彼らよりずっとずっと少なくて。

なんだか自分がとってもとっても可哀想になった。


「そんな田舎で毎日ゲームして引きこもってたら老けるで」

うん。もう老けてる。

「街でなアカンて。家なんて売ってまえや。こっち来て遊ぼうや」

うん。うん。うん?

別に私そういうの欲してない。多分彼らにそういうとやせ我慢してるとか見ないふりしてるとか言われるので表立って反論はしないけれど。

この年齢になってもあの人たち本当に気が若いなーって思う。

でも羨ましいかっていうと私本心からそういうのしんどいなと思う。

田舎だけど思い通りのマイホーム建てて可愛い娘と私を大事にしてくれる夫と毎日暮らして趣味はゲームの引きこもりって思ったより悪くないしむしろ私はそれが性に合ってる。


25~30年前、彼らと私は確実に同じ場所にいた。同じ気持ちで毎日を過ごしてた。

月日ってすごいな。重ねるとこんなにも考え方が違う人が出来上がるんだ。

多分私も夫と結婚せずにあのまま古着屋(結婚するまで私は繁華街の古着屋で働いていた)で働いて彼らと一緒に日々過ごしていたら今も彼らと同じような気持ちでいたのだろう。


どっちが幸せなのか。どっちが自分に合っていたのか。

多分それは私が人生を終える時に初めて分かるのだろうと思う。

私の経験や考え方が少しでもお役に立てたなら嬉しいです(◍•ᴗ•◍)