見出し画像

Why医者なのか

「なんで医学部に進学したの?なんでお医者さんになりたいと思ったの?」

これは私がこの1年間で初対面の人に聞かれたランキングトップ3には間違いなくランクインする質問だ。正直トップ3のほかが思い当たらないからナンバー1といっても過言ではない。

いやぁあああこの質問を返すのはめちゃくちゃ難しい。(難しかった)

でももう1年間で少なくとも50回、通算の人生で数えたら100回くらいは聞かれているから、なんとなくコンパクトに話せるようになった。

けれど高校2.3年生の時に友人に聞かれたときの答え、冬に自問自答して出した答え、医学部の面接で問われた時の答え、そして春大学生になって初対面の人に聞かれた時の答え、

全部少しずつ違う。入学してからのこの1年間の間にもどんどん変わっている。

これからもどんどん自分なりの答えが変わってくるんだろうし、味が出ていくものになっていくんだろう。

それとともに疑問に思ったことがあった。

逆になんでこんなにこの質問をみんな聞いてくるのだろう、ということ。

だいたいの理由が、普通に気になるっていうものだった。

ほおんなるほど。

じゃあ国際系の学部に進んだ人、理学部に進んだ人がなんでその進路を選んだか気になる?ってある人に聞いてみたことがあった。

その人は、確かにそれはそこまで気にならないし聞かないかも、と。それはなんか国際問題とかに興味あったり、あとは理工学部に進んだ人は理系科目が得意だったとかそういう感じなんじゃないの?って。

なるほど。

つまり医学を選んだからにはそれなりの理由があると思っているみたいだった。思ってくれているみたいだった。たしかに理由がないわけではない。けれど私は親が医者ではないので、どちらかというと必然よりか偶然この進路を選んだともいえる。

正直ここまで書いて言うのもなんかあれだが、わかりやすいような出来事があったわけではない。交通事故や身近な大切な人の死、など。

いろいろな自分の経験が重なって、なりたいと思った理由はそれはそれは自分でもわからない部分もあるということ。

うまく言語化できている部分があるとすれば、おもに2つの点に絞られる。

まずは1つ目。それは絶対に人と関わる仕事がしたかったから。

でもこの表現だとなんかしっくりこなかった。

そのもやもやは、私がずっと習っているバイオリンの先生に言われた言葉によってとけた。その先生は子供が某有名大学医学部に通っていて、医者の大変さをよく話してくれるのだがその中で

「〇〇ちゃん、医者はどんな人でも見なきゃダメなのよ。身なりがちゃんとしていない浮浪者みたいな人から、いう事を聞いてくれないおじいさん・おばあさん、老若男女、さまざまな背景を抱えた人がいる。拒むことは基本できないのよ。」と先生は言った。

その時、ストンと何かが落ちた。先生はその誰でも診なきゃいけない仕事はとても厄介でしんどいもののように言った。

が、私にはとても魅力的に思えた。それって、「自分がいたらいろいろなバックグラウンドを持った人が来てくれる。」ってことでしょと。

でもこれを友達に伝えたら、それはふつう大変な仕事でしょ、よくわからない人を相手にするのはめんどくさい、自分が心地いい人と普通に仕事してる方がいい。といった。

これは私の長所なんだと初めてそこで気づいた。たしかに私は、嫌いな人とか気が合わないと感じる人はめったにいない。今頭に浮かぶ限り一人もいない。もちろん、患者さんを前にして頭を抱えることもたくさんあると思う。だけれど、それを楽しいと少しでも思える自分はこの仕事にやりがいが感じられるのではと確信したのだ。

実際この1年間過ごして気づいたのだが、自分の充実度は私の周りの人の充実度で決まるという事に気づいた。私の周りにいるたくさんの素敵な人の話も直々していきたいな。

2つ目の理由は、専門性を持ち合わせた仕事をしたかったから。

自分は前の記事にも書いたが、何かに本気で夢中になったり極めたりしたことがない。だから自己肯定感たるものも低いのだが。そういった意味で自分の人生の何十年間もささげる「仕事」は、何かに夢中になれるチャンスだと。結果主義的なところが自分はあるので、勉強したことが直接目に見える形で誰かの役に立ってほしかったというのがわかりやすい言い方である。

あと、2点目につながるのだが、自分は医者という職業に就くと決める前から、「精神的にも、身体的にも、社会的にも、どんな理由でも困っている人、悩んでいる人、病める人を助けたい」と思っていて、そのためには”医師”という仕事が一番パワーを持っていて助けやすいと思ったのも理由としてある。

なんかまとまりの悪い文章になってしまって、だらだらと続いてしまった。

この医者になりたい理由を半年後、1年後に書いたらまた違うのかなと思うととてもおもしろい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?