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そうなった時の気持ち

今日は、ものごとを決断するときのヒントのお話をします。これを考えずに何かを決断してしまうと、後々ボディーブローのように効いてくると思います。僕は何かを決めるときは必ずこれを考えるようにしています。

友人Tの大チャンス


3月は、ちょうど、たくさんの人が、大学受験が終わって、どの大学に行くかを決めるような時期だと思います。ちょっと僕の友人Tの話をしたいと思います。僕の友人Tは、第一志望校に受からず、第一志望の一個、二個下のレベルの大学たちも全て落ちて、第一志望から三個くらい下のレベルの私立大学の文系学部にだけ合格したらしいです。僕は、彼が将来目指したい方向が国際系だということも知っていたので、まず、彼に電話しました。そしてこう聞きました。「その大学に行くのか?なぜその大学に行くんだ?」彼は悩んだ末にこう言いました。「行くよ。なんでかは、ここにしか受からなかったから。あと、大卒ってのは一応欲しいから。」僕は、こう聞きました。「それしか行く理由はないのか?」「ない。」と彼は答えました。

僕はこう言いました。「これはあくまで他人の一意見なんだけど、行くべきじゃないと思うよ。なぜなら、君がワクワクしていないから。」そして僕は、海外の大学を薦めました。「今からでも海外の大学は間に合うし、意外と安いところは安いから、まず調べてみるべきだよ。」と。

賛否両論いろんな意見があると思います。もしも僕が今彼の立場だったら、まずは大学ほぼ全て落ちたこの機会を、「チャンス」と決めつけます。そしてこのチャンスをどう活かすかをひたすら考えます。海外の大学を調べて、いろんな人に聞きまくって情報を集めます。それでも行きたい大学が見つからなければ、「大学に行く」という選択肢を消します。なぜならば、前も記事で書いたように、特に文系の大学はオワコンのところが多いからです。はっきり言って三個下のレベルの大学に行って「大卒」という名前を取りに行くよりも、4年間自分で様々なスキルを身に付けて、自分の手で稼げるようになって、世界を広げて、実践経験を積み重ねる方が、4年後の自分の社会的価値は大きく跳ね上がるでしょうから。

友人Tが取るであろう選択は、三つ考えられます。一つは、大学に行くことをやめる。もう一つは、その大学にはいかずに海外の大学を目指す。そして最後は、その大学に行ってみて、とりあえず経験してみてから考える。の三つです。僕は友人Tは最後の選択を取るのではないかと思っています。「とりあえず大学に行って、経験してから、海外の大学行きたくなったら最悪辞めて行けばいいし、大学行きたくなくなったら辞めたらいい」という感じの考えになるのではないかと思うのです。

友人Tがどんな選択をするかは、もう最後は友人T次第です。もしも友人Tが僕の部下だったとしたらもっと確実に考えるヒントを出し続けますが、友人Tの人生は友人Tのものです。僕は僕が彼にできる最善のヒントは出しました。

“そうなった時の気持ち”


この友人Tの例から僕が伝えたいことは一つです。

まず、友人Tが最後の「とりあえず大学に行ってみる」という選択を取った場合、そこには「とりあえずやってみなきゃ分からない」とか「他も選択肢として残しておける」といった考えがあると思います。この考えは、あっています。でも、この時友人Tには見えていないことがあります。それは、“そうなった時の気持ち”です。彼は、“今の気持ち”しか見えていません。「とりあえずやってみなきゃ分からない」は“今の気持ち”です。「他も選択肢として残しておける」も“今の気持ち”です。

それではもし、1カ月大学に通ってみて、これダメだなと気付いたとしましょう。そこで大学を辞めて、海外の大学に行くでしょうか。その場合、忘れてはいけないのは、「〇〇大学入学、〇〇大学途中退学」というのが今後ずっと友人Tの経歴に残るということ。それが吉と出るか凶と出るかは知りません。そして、一応言っておくと、その大学は入学する時に100万くらいは払います。(4年間行けば400万強かかります。)つまり、もし一か月二カ月で辞めるという決断をすると、その数か月分の「大学体験」のお金が、100万かかることになります。ちなみに、100万あれば、世界一周できます。19歳に世界一周したらそれは周りから見たら、大学に一年間行ったというのの何百倍もの希少価値になります。

この場合、実際に体験してみて自分の身をもって様々なことを感じたならば、それはとても価値のあることでしょう。でも、そのために、「時間」と「お金」を取られていることを忘れてはいけません。そして数カ月行けば、仲のいい友達もそこそこできているでしょう。その時、どんな気持ちになるでしょうか。おそらく、「お金がもったいない、友人との出会いを捨てたくない」って気持ちになるでしょう。それでも大学を辞める可能性はありますが、今大学に行かないと決めるよりも何倍もそれは困難になるでしょう。“そうなった時の気持ち”をちゃんと考えてみましょう。

つまり、何が言いたいかと言うと、“そうなった時の気持ち”を考えたならば、「大学にとりあえず行く」は「大学にしっかり行く」とほぼイコールになるだろうということです。

ただ、友人Tが、その大学に行くことを決めて、大学に行ったからと言って、なんら悪いことではないですし、そこで彼がどう生きていくのかによって、未来はいくらでも変わります。

まとめます。

私たちは、何か大きな決断をする時に、どうしても“今の気持ち”のみを考えてしまう傾向があると思います。ですが“そうなった時の気持ち”もしっかり考えてみることがとても大切です。今できると思っていても、いざそうなったらできない、そんなことはたくさんあるでしょう。特に「やってみなきゃ分からない」と考えて何かを決断するときは、“そうなった時の気持ち”に盲目になっていることが多いです。

友人Tが、どんな道を選んでも僕は応援します。

大丈夫.