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環境エネルギー投資山口浩一氏〜日本で唯一の環境エネルギーに特化したVCの登場〜

今回は環境エネルギー投資の山口さんの出演会をまとめました!

山口さんには長年勤められた東京電力から環境エネルギー投資に転職された理由や大企業とスタートアップの連携などについてお話し頂いています!

▼目次
東電からVC業界への参入!?大企業のCVCから独立系VCへ!
【環境エネルギー投資】大変革の時代へ!大企業とベンチャーを繋げる支援
【大企業とスタートアップの連動】スタートアップが初期に大企業と連携してしまうとあんまりよくない!?
○山口浩一 株式会社環境エネルギー投資-マネージング・ディレクター
HP▶︎https://ee-investment.jp/
2018年に環境エネルギー投資に参画。
電力業界で長年培った経験およびネットワークを生かし、主に海外業務を統括。
東京電力にて、主に企画畑を歩んだ後、新規事業開発、海外ベンチャー投資業務等を担当。
2013年経営企画本部次長、2015年国際部長、2016年新成長タスクフォース事務局長を務める。
再生可能エネルギー事業会社ユーラスエナジーの取締役、
電力小売ベンチャーTRENDEの代表取締役社長等、関連会社の経営にも携わる。

東電からVC業界への参入!?大企業のCVCから独立系VCへ!

新卒で東電へ

山口さんは1987年に大学卒業後、東京電力に入社されています。
入社当時は大企業に入社するのが当たり前という時代だった為、ベンチャーに関することなどはほとんど頭になかったそうです!
入社後、最初の仕事は現場の電気の受付をされていたそうです。
3年ほど現場で働かれた後、企画部門に異動されました。企画部門では電気の需要想定の計画をされたり、計画に基づき社内の計画の作成や設備投資計画などの業務をされていたそうです!
10〜20年ほど上記の業務を担当されていく中で、電気の伸びも鈍化し、成長が見込めなくなり、2000年頃に新規事業を始めようといった流れになりました。その頃から他の会社への出資活動を行なったり、VCへのLP出資も始められたそうです!

東日本大震災以降

2011年の東日本大震災の影響でこれまでの新規事業は全てストップして事故の対応をすることになりました。そのため状況も急速に変化し、震災以降新しい体制になったそうです!
新体制では原発事故の復興がメインの仕事ではありましたが、東京電力を成長させるために、改めて新規事業戦略を考えていくことになったそうです。また世界でも原子力の事故を契機に世界的にエネルギー業界に変革の波が押し寄せてきたそうです。そのため日本にも変革の波が押し寄せてきたため、新しい取り組みが必要となり、2015年ごろにCVCを立ち上げられました!

CVCの立ち上げ

CVC設立当時は日本のエネルギー業界にCVCはなかったそうです。
一方で海外では大手のエネルギー会社がCVCを設立して、ベンチャー投資を積極的に行い、ベンチャーを取り組もうという動きが始まっていたそうです。
そのため、山口さんは海外に追い付かなければいけないという危機を持たれていました!
CVC立ち上げ後は特に海外のベンチャーに投資をされていたそうです!
アメリカやヨーロッパでベンチャーがエネルギー業界を変えていくうねりが出てきていたため、海外のベンチャーに投資をされていたそうです。

環境エネルギー投資に転職

大企業のCVCはスピード感がなく、判断までに時間が掛かったり、社内調整など様々なことが必要であり、なかなか上手くいかないことが多く限界を感じられていたそうです!
また2000年頃にVCにLP出資をされた時からVCに関心があり、VC業務を自分でもやりたいと考えられていたそうです。
東京電力内でも実現はできたが、自由にできないところが多く、CVCはトップの意向に左右されやすく不安定なため、定年前の元気なうちに飛び出そうと思い転職されたそうです!
環境エネルギー投資へ転職後はファンドレイズを担当されていました。
主に海外の投資家を担当されていました。現在は数社程エネルギー関係の投資に関わられていると仰られていました!

その他にも、CVC立ち上げ時に苦労されたことなどもお話し頂いています!

ぜひご覧ください!!!

👉動画はこちら


【環境エネルギー投資】大変革の時代へ!大企業とベンチャーを繋げる支援

ファンドの規模や投資先

環境エネルギー投資は名前の通り、環境エネルギーへの投資に特化したファンドになります。環境エネルギーに特化している唯一のVCです!
世界的にも環境エネルギー領域では変革の波が押し寄せており、変革があるということは、ベンチャーが活躍するチャンスが多いということです。
そのため、環境エネルギー投資では分散している再生可能エネルギーを集めて制御するデジタルテクノロジーなどを組み合わせて変化が起きている分野のベンチャーを対象に投資をされているそうです!

スタートアップへの投資

現在4つ目のファンドを立ち上げて運営されています。
規模は150億円のファンドとなります。
基本的にはの国内のベンチャーを中心に投資されていますが、一部、ヨーロッパのベンチャーにも投資されているそうです!
シード、アーリーからレイターまで幅広く投資をされていますが、特にアーリーステージのベンチャーへの投資が多いそうです!

投資活動の詳細

エネルギーど真ん中の分野であればリードを担当されることが多いそうです。エネルギー周辺の分野(イーモビリティ・スマートシティ)等への投資もされており、こちらはフォローで投資することが多いそうです!
投資金額は1億〜3億円程で投資を行い、その後フォロー投資も行われるそうです!

投資先への支援活動方法

エネルギー業界ど真ん中でリードを取られている投資先に関しては密に支援をされているそうです!エネルギー業界は急速に変化していくため、戦略的なアドバイスや大企業などのパートナー候補の紹介などをされているそうです!
環境エネルギー投資の特徴の一つとして大企業とのネットワークがあることだと仰られていました!LP投資家にも大企業の方々に入って頂いているそうです。そのため、大企業とのネットワークを活かし、大手のエネルギー事業者とベンチャーとの間に入り繋いだり、コラボレーションをプロデュースすることが特徴となっているそうです。

投資先会社の事例

太陽光パネルが散見される様になってきた中で、太陽光パネルをデジタル技術を使い制御してあたかも一つの発電所の様に制御するVPPという言葉あり、このVPPを目指しているベンチャーが投資先のVPP JAPANです!
VPP JAPANは、スーパーマーケットの屋根に太陽光パネルを設定し、その太陽光の発電する電気をスーパーマーケットの客が消費するモデルとなっています。なぜこのようなモデルになっているかというと、太陽光パネルの値段が下がってきており、電力会社から電気を買うより安くなっているからです。そのため、VPP JAPANは急成長しており、全国のスーパーマーケットの屋根に太陽光パネルをどんどん設置しています。
今後は設置した太陽光パネルを繋ぎ、少し大きめの太陽光パネルを設置して余剰の電気が出たら、その電気の売電あるいはお互いに売買するといったトレーディングの様な展開を考えているそうです!

その他にも、エネルギー分野以外のスマートシティやモビリティ系の投資先事例や大企業とのマッチング事例などもお話し頂いています!

ぜひご覧ください!!!

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【大企業とスタートアップの連動】スタートアップが初期に大企業と連携してしまうとあんまりよくない!?

スピンアウトについて

大企業は新しい事業の計画のコンセプトを作り、事業計画を作るところまでは得意だが、実行のところが不得意だと仰られていました。
理由として、大企業では新規事業を失敗した時に自分のキャリアに傷がつくことを恐れて、大企業の社員はリスクを取りたがらないからです!
それを踏まえた上で大企業がスピンアウトする場合、次に誰が経営するかという問題が出てくるそうです。しかし上記のように社員ではリスクが取れないため、外部の起業家を招き起業してもらうそうです。
山口さんも東京電力在籍時に外部の起業家を招き新規事業を担当してもらったことがあったそうです!
しかし大企業には事業を管理するという文化があり、起業家、経営者が自由にできず、スピード感もないため、事業は上手くいかなかったそうです。
新しいビジネスモデルは大企業の外でやらなければ成功しないと仰られていました!

スタートアップと大企業の連携

スタートアップと大企業の連携で1番難しいのはジョイントベンチャーと仰られていました。大きな理由として、大企業の目的として自分たちが持っていないベンチャーの技術やノウハウを取り込むことだからです!
そのため、ベンチャーサイドとの軋轢が生じてしまうそうです。
ジョイントベンチャーで大企業と連携するよりは、OEM的にシステム提供を行い、大企業の商品としてクライアントに販売してもらうといった連携方法の方が良いと仰られていました!
しかしこちらの方法も簡単ではなく、大企業は慎重な側面もあるため、商品を作り込み、パイロット(POC)で試し、実験を行うそうです。
実験に時間をかけて、次のステップにステップに行くというところで、少し腰が引けてしまい、中々次のステップに行けない状態になるそうです。
そのため、大企業の外で新しいモデル・サービスを作り顧客を獲得し、大企業側から連携のお願いをされる状態まで持っていくことが山口さんが1番おすすめするスタートアップと大企業の連携方法だと仰られていました!

グッドケースの事例

ドイツのゾネンという会社がスタートアップと大企業の連携がうまく行ったケースだと仰られていました!
ゾネンはドイツで家庭向けに蓄電池や太陽光パネルを販売して、デジタル技術で制御して新しいエネルギーシステムを製造している会社です。
ゾネンは初めから大企業と連携したわけではなく、最初はVCから資金調達を行い、成長して軌道に乗った段階でロイヤル・ダッチ・シェルというオランダのハーグに拠点を置くオランダとイギリスの石油会社に買収されたそうです。この買収ははゾネンにとってもロイヤル・ダッチ・シェルにとってもWIN WINのケースだったそうです!
山口さんはこういったケースが大企業とスタートアップの連携で良いケースなのではないかと仰られていました!

その他にも、これからのエネルギー業界のM&Aについてもお話し頂いています!

ぜひご覧ください!!!

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最後までお読み頂きありがとうございました!

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