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Startup ed

 スタートアップといえば、起業するということ、サービスイン、VCやエンジェル投資家からの資金調達、M&A、IPOだと、華々しく見える世界を想像する人が多いだろう。Netflixの韓国ドラマで、そのまま『スタートアップ』がタイトルになっていて話題になっていたりもする。

 僕らの起業した2010年頃においてはスタートアップというシリコンバレー流の用語で語られておらず、ベンチャー、ベンチャー企業といった用語で話されることが多かった。

 華々しい成長や話題を作っているスタートアップは、世の中に変革を起こし、価値のあるイノベーティブな存在、一方でベンチャーはスモールビジネスやイノベーティブではないがビジネスとして成り立つ会社を立ち上げること、と今は括られているような気がしている。

 僕が描いていくこの文脈においては、僕らは最初きっとスタートアップになりたかったのだと思う。思えば、そのスタートアップであるべく本筋を常に追い続けることが出来ていれば、悲しい事件も起きなかっただろうし、一方で僕自身の個人の人生としては全く別の道筋を歩いていたのだろう。この辺りは、少しずつではあるが自分への備忘録も兼ねて、真実にほんのちょっとマスクをした形で語っていきたい。

 ”Startup”に過去形の”ed”を付けた現在、それが今の僕だ。スタートアップのよくあるストーリーやビジネス本にあるような美談は、このストーリーにはない。

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