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NPSを使いこなす!前提条件を考慮した質問設計の工夫について

プロダクトやサービスの検証を通じて、NPSの設問を聞かれることも、自分で設計することも多々ある中で、とりあえずNPSを入れておこうという人が多いと感じています。

NPS(Net Promoter Score)とは
顧客ロイヤルティ(顧客の愛着度や信頼度)を測る指標。顧客アンケート調査で「商品やサービスを親しい人にどの程度おすすめしますか」という質問に「0-10の11段階」で回答してもらい、0〜6点を付けた人を「批判者」、7〜8点を付けた人を「中立者」、9〜10点を付けた人を「推奨者」と分類し、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値を指す。

顧客満足度との違いについて
顧客満足度は現時点での満足度を測るのに対し、NPSは長期的な満足度やロイヤルティを測る目的で使われる。

NPSはサービスやプロダクトの内容に合わせて、考えて設計することをおすすめします。
これまでの経験で、以下は注意が必要と感じています。

  • かなり限定されたセグメントが使うサービス、プロダクト

  • ユーザーの手間やコストがそれなりにかかるサービス、プロダクト

なぜ、そう感じているのかお伝えしていきます。

あなた自身が使っているサービスを「親しい人におすすめしたいですか?」と聞かれたときの心理から考えてみましょう。

私の例を挙げると、過去に3ヶ月間集中で毎週やるコーチングサービスを受けたことがあります。(トータル30万円くらいでした)

転機になるような良い体験でした。
でも「親しい人におすすめしたいですか?」と聞かれたら、「〇〇な人ならおすすめできるかな」という条件が入ってきます。
例えばこのような条件です。

  • 金額を払える余裕がある人

  • 経営者やマネージャー層向け(悩みごとの質的に)

  • 悩みが続き自分1人で抱えるのが苦しく、歪みが出てきている人

  • コーチングへの過度な期待値(アドバイスしてくれるんでしょ的な)を持たず臨める人

上記に当てはまらない人は、おすすめしない(おそらく価値を感じることはできない)と判断すると思います。

この通り、他の人へのおすすめを考えるとき、〇〇なら…という前提条件がセットになります。冒頭に挙げた対象のサービスはその前提条件が発生しやすくなります。

この弊害が顕著に現れるのは、NPSが5-6になっている人です。5-6だとNPS上では「批判者」になります。でも他の設問を見ると満足度は高かったりもします。
なぜ?と理由を確認してみると「自分は満足しているが、〇〇のような人じゃないとおすすめができないため、5とつけた」といった答えが返ってきます。
このように個人の感覚によるバラつきが出てくるため、5という数値だけだと、サービスに対する評価か、おすすめできない人もいることを踏まえての評価かなどの見分けがつきません。数値だけで判断すると、大事なインサイトを見逃してしまいます。

NPSを設定するときは、注意深く考えるようにしましょう。目的に応じて、下記のように設問を工夫することも一つです。

パターン①数値でバラつきが出ること前提で、理由もセットできっちり拾いにいく

・このコーチングサービスを親しい人にどの程度おすすめしますか?
・そう評価された理由を教えてください。

パターン②ターゲットのセグメントにFitするソリューションになっているか理解する

・このコーチングサービスは、あなたと同じような状況の人がいたときに、どの程度おすすめしますか?

パターン③おすすめできる人への強さを確認する

・あなたがおすすめできると思う人がいた場合、その人にどの程度おすすめしますか?おすすめする人がいなければ0としてください。

・おすすめできる人はどのような人か教えてください。

以上、NPSについてでした。
ユーザーへのアンケート設問は、1問1問しっかり考えて設計していきましょう!

最後まで、お読みいただきありがとうございました!XでもPMFに役立つ情報を発信していきますので、フォローしていただけると嬉しいです。

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