人生について思うこと
人生相談の本が好きだ。
作家やエッセイストやコラムニストの人が、色んな悩みに答えている本。
こんな悩みがあるんだと共感したり、それは大変だな……と思いを馳せてしまったり。
色んな悩みを見ていると、そこにある数限りない人生の多様さを見る気がする。
最近面白かったのは、燃え殻さんの『相談の森』
まず、冒頭の文がとても素敵だった。
間違った先にも人生がある。というか、日々は、やってしまった失敗を抱えて、もしくは忘れたフリをして生きていくしかない。
「人生に答えはない、あるのは問いだけだ」と言ったのは誰だっただろう。
僕だったかもしれないし、そうじゃなかったかもしれない。でも、それは当たっているような気がする。
多種多様な悩みに正論で返すのは簡単だ。
でも、悩んでいる人は正論を求めてないんだと思う。たとえ世間的にはNOと言われる状況でも、倫理観から外れていても、状況に流されることはあるから。
簡単に切れない縁だったり、生活のことや仕事のこと。恋愛や家族の事情のこと。
それらを許容しながら、ある程度折り合いをつけながら、生きていくのが人生な気がする。
それを踏まえた上で、悩みをいっとき共有する。
共有の先にあるアドバイスは、なんだか見ていて心地いい。
かならず夜が来るように、かならず朝はやって来るから。
そんな言葉も、
この本に寄せられた悩みを見てると、身に沁みるようだった。
自分を顧みてみると、
いちばん悩んでいたのは学生の頃のような気がする。それも中学や高校の頃。
そのとき感じた心の痛みもうっすら覚えている。
悩みが軽くなったのは、高校一年生の秋。
演劇部に入ってからだ。
(誰も誘わず、ひとりきりで。途中入部で緊張した)
演劇部は楽しかった。
自分のやりたいことを選ぶ大切さを、あのとき初めて知った気がする。
それから社会人になって、悩みも色々あったけど、もうあまり思いだせない。
去年の夏頃、(転職の前は)
一時期とても悩んでいた。
慣れた仕事を続けるか、
やりたかったことをするか。
でも、本当は最初から答えなんて決まっていた。
決断するには勇気が要るし、エネルギーもそれなりに要る。
それも最近知ったことだ。
(あのとき決断できて、本当によかったと今も思う)
ずっと残っている本には、必ず「問いかけ」があるという。
答えが書いてある本は一時的には売れるけど、数年後には残らない。
人々が欲しいのは答えじゃなくて、きっと色んな「問いかけ」なのだ。
色んな問いにその人なりの解釈が綴られている本に、人は惹かれるのかもしれない。
そんなことを思ったりした。
さまざまな「問いかけ」に自分なりの答えを見つけられるような、そんな日々を過ごしたい。
そして、そんな物語を書いていけたらなんて思う。
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