衝動買いした本のこと
衝動買いしてしまう本、というのがたまにある。
本屋さんで見かけて、パラッと数ページ読んで、
手元に置きたいと思う本。
衝動買いというだけあって、ためらう時間は割と少ない。
(単に時間がなくて、買っちゃう場合もあるけれど)
家の本棚にもう本を置くスペースがないので、
小説の場合、買うときはなるべく文庫で買うようにしている。
(前は、ハードカバーで集めたりもしてたけど、置けないともう分かっているから)
(それなのに、衝動買いする本はハードカバーだったりする……)
最近、衝動買いした本は、
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
レファレンスをする際に、
利用者さんから言われたタイトルを集めた本なのだけど、とても面白かった。
なかには、
ああ、こういう覚え間違い私もしそうだな……
というのもあって、
司書さんの推察力の凄さに思いを馳せてしまったり……
最後に検索の仕方も載ってて、とてもためになる本だった。
(助詞を抜くといいこととか。これはホントにその通りだと)
個人的には、
『ツァラトゥストラはこう言った』の覚え間違い、
『ストラディバリウスはこう言った』が好き。
(バイオリンが何を言ったのか気になる、って追記も楽しい)
名作絵本『ぐりとぐら』の覚え違い、
「ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本』も笑った。
『あるかしら書店』
ヨシタケシンスケさんの本が好きで、
絵本もたくさん書棚にある。
これは子供向けコーナーの棚に置かれていて、
クリスマス限定カバーに惹かれて購入。
あっというまに読了。
とっても素敵だった……
「あるかしら書店」では
店主のおじさんが、色んな本を紹介していく。
特に素敵だったのは、
満月の夜、月明かりの下でだけ読むことができる『月光本』と、
(月光ペン(別売)で、月明かりでしか見られない書き込みができるのも素敵すぎる……)
『読書履歴捜査官』
(読書遍歴を見抜く超能力で、事件を解決する捜査官。何度見ても笑えてしまう)
『本とのお別れ請負人』
『想像力のリレー』
『お墓の中の本棚』
(これは小説で読みたいくらい、素敵なエピソードだった……)
『水中図書館』
(これも謎めいていて好き)
なんというか、ヨシタケシンスケさんの本に対する捉え方が素敵すぎて、ものすごく良い本だった。
『ラブリーラブリーライブラリー』も。
(これは図書館にまつわるエピソード。
これもめちゃくちゃ素敵だった……
図書館は「本が好きな人」のことが好きな人が働くところ、というのにとても共感した)
『本のようなもの』で語られる
エピソードがとても好きだ。
ぼくたちは本のようなものだ。
一人一人ストーリーをかかえているけれど、パッと見ただけでは中身はわからない。
いつも誰かに見つけられるのを待っている。
いつも誰かに中を見てほしいと思っている。
人気があるのもないのもいるけれど、でも、いい出会いがあれば、誰かの人生に何かの影響を与える。
いい出会いがあれば、誰かと一瞬のきらめきを共にすごせる。
物体としての寿命はあるけれど、その精神は受け継ぐことができる。そしてまだ見ぬこれからの新しい本が、世界をぶあつくしていく。
だから、ぼくたちは、
本が、好きなのだ。
まだ見ぬ世界がすべて、本のなかには詰まっている。
「本そのもの」の素敵さに気づけるような一冊だ。
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