「最高のコーチは、教えない。」

  1. 今回は「最高のコーチは、教えない。」著者吉井理人の本を参考に、自分の意見を含めてまとめていきます。これを読んでみて気になった方は、ぜひ本を実際に手に取ってみてください。

コーチが「教える」を行ってはいけない。

「コーチング≠ティーチング」ということは見たこと聞いたことある人がいるかもしれません。なぜコーチが教える(ティーチング)を行ってはいけないのでしょうか?
教えるというのは、「○○をしたほうがいい」といったことを選手に伝えることです。こういった伝え方をしてしまうと、練習の目的を選手が考えずに行ってしまう癖が生まれてしまいます。他にも、選手とコーチの感覚や経験は異なるものです。コーチの感覚で一方的に教えてしまうと、選手との間でギャップが生まれてしまい、後のコーチと選手間の信頼関係にも悪影響が出るでしょう。
以上のことからも、「教える」というのはコーチに求められていないのです。しかし、時には必要となります。(以下コーチングの基本理論にて説明)
ここで大事なのはコーチは、「選手に主体性を身につけさせてしっかりとコミュニケーションをとる」ということでしょう。答えを教えるのではなく選手らが自ら考え、答えを導くといったことをお手伝いするイメージでしょうか。

コーチングの基本理論

コーチングを行う上で大事なのが、
主体はコーチではなく選手である。選手が最大限の能力を発揮できるように、選手がどのように競技をしていきたいのかを中心に考えるのが、コーチングの基本的な考え方

「最高のコーチは、教えない。」著者 吉井理人

チームというのは個々が集まってできる集団であって、個々の能力がチームを構成し力になるでしょう。逆にチームの力が個々の力にはならないことに注意しましょう。チームのためにプレイするのも大切ですが、自己犠牲のみでチームは成り立ちません。個々のプレイの相乗効果でチームはより強くなります。数式化すると以下のようになるでしょうか。

個人能力値 × 個人能力値 × ・・・ × n(人)= チーム力


コーチングには2つの種類があります。ここでは指導行動と育成行動について説明していきます。
指導行動は専門的な技術・知識を教えます。育成行動は技術でなく心理的、社会的な面において個人の成長を促すことです。振り返ると小中高校の部活で、あいさつや時間を守るといった社会的な面と、プレイに必要な技術といった指導行動と育成行動の両方を教受けていたことを改めて実感します。

スポーツコーチング型PMモデル

スポーツコーチング型PMモデルという、指導行動と育成行動の組み合わせを図式化したのが上図になります。
右下の指導型コーチングが初心者向けの技術ベースのコーチング、右上の指導・育成型コーチングでは1軍に上がる準備をする2軍向けのコーチング、左上の育成型コーチングは1軍にいる選手らが長く競技し続けるためであったり、1軍におけるスキルアップのためのコーチング、左下のパートナーシップ型コーチングは1軍に所属するエース級選手に対するコーチングになります。パートナーシップ型のコーチングはほぼ何もすることがないですが、選手を見守り必要な時に相談に乗ってあげるようなコーチングが役割となっています。時には鋭い質問が選手から投げかけられるので、より高度なコーチング技術が必要とされます。

大事なこととしてコーチが、どのコーチングの型が選手がに必要なのか、チームがどのコーチングの型を必要としているのかをしっかり見極めなければなりません。この見極めを失敗してしまうとチームの成績は下がり続けます。

コーチングの実践

コーチングの三つの基礎「観察」「質問」「代行」

「最高のコーチは、教えない。」著者 吉井理人

観察を行っているコーチは多いですが、質問されたときに自らの経験を元に答えを教えるコーチも多いです。選手は自分と同じ人ではないため、コーチが教える答えは選手のパフォーマンスを落とし、スランプに陥らせる可能性が高いといわれています。質問の際に大事なのが、選手がどう思っているか、選手の考えを聞いてあげることでしょう。(質問)その質問から返ってきた答えを元に選手の目線に立ってコーチングを行う(代行)べきでしょう。観察→質問→代行の順番を意識し、間違っても答えをすぐに教えることは気を付けましょう。

結果を出すためのルール

  1. 最高の能力を発揮できるコンディションをつくる

  2. 感情をコントロールし、態度に表さない

  3. 周りが見ていることを自覚させる

  4. 落ち込んだ時は、すぐに切り替えさせる

  5. 上からの意見をどう現場のメンバーに伝えるべきかを考える

  6. 現場メンバーの的確な情報を上層部に伝える

  7. 目先の結果だけでなく、大きな目的を設定さる

  8. 「仕事ができて、人間としても尊敬される」人を育てる

  9. メンバーと適切な距離感をもって接する

上の9つのルールはよくまとめられていると思います。スポーツにおけるシーンだけでなく仕事や生活においても、上のルールは心に留めておくべきものでしょう。

最後に

こちらの本は、コーチングや人の上に立ち導く人に必要な考え方が整理して言語化されていました。今回noteにまとめましたが、全てをまとめているわけではなく、他にもコーチを行うために必要で重要な事柄が書かれていました。ぜひ、コーチに興味ある人は読んでみてはいかがでしょうか。


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