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八陣を現代ビジネス戦略に活かす:三方ヶ原の戦いと「どうする家康」

古代中国の八陣は、何世紀にもわたって軍事戦略の重要な一部でした。現代のビジネス戦略にも貴重な洞察を提供します。この記事では、戦いのフレームワークの一つである八陣の各陣形と、徳川家康と武田信玄の間で行われた三方ヶ原の戦いを取り上げます。
この戦いでは、徳川家康は「鶴翼の陣」を用いて防御を強化し、一方で武田信玄は「魚鱗の陣」を用いて敵の攻撃を分散させました。

八陣の概要:

八陣は、五行思想の五方(東が木、南が火、中央が土、西が金、北が水)に基づいており、五行相剋がベースになっています。以下は、八陣の基本陣形とそれぞれの特徴です。

魚鱗(ぎょりん)

敵軍の中央突破を狙う攻撃型の陣形。少数の兵で敵を破る策としても有効。

鶴翼(かくよく)

防衛に適した陣形で、敵の中央突破を狙う攻撃を左右から包囲して迎撃することができる。

雁行(がんこう)

攻守のバランスがとれた陣形で、広い場所での接近戦に向いている。

長蛇(ちょうだ)

狭隘な地形の突破などに有効な陣形。側面を突かれると弱いが、状況に合わせた変化が可能。

偃月(えんげつ)

先陣と後陣の距離を近くし、前後の速やかな交代を可能にする。鋒矢の陣形で側面に突入してきた敵を中央で受け止め、両翼で囲い込むこともできる。

鋒矢(ほうし)

敵の中央突破を目指す時に用いられる攻撃的な陣形。少数の兵で大軍に向かう時に用いられるが、後方や側面からの攻撃に脆いという弱点がある。

衡軛(こうやく)

敵の正面突破を押さえ込むことに適した陣形。側面や背後の攻撃には弱いが、先鋒と次鋒の交代がしやすく、山岳戦で用いられることが多い。

方円(ほうえん)

守備的陣形で、敵がどこから攻めてきても防御でき、奇襲に備える場合などにも用いる。上杉謙信の車懸りの陣は、方円を攻撃型に応用したとされる。

三方ヶ原の戦いと「どうする家康」:

2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』では、三方ヶ原の戦いで徳川家康は「鶴翼の陣」を用いて防御を強化し、一方で武田信玄は「魚鱗の陣」を用いて敵の攻撃を分散させました。

三方ヶ原の戦いは、元亀3年(1572)12月、武田信玄と徳川家康が遠江国(現在の静岡県)三方ヶ原にて戦った合戦です。この戦いで、家康は信玄に敗れました。信玄は、家康が自分に対して攻撃を仕掛けることを予想し、家康の軍勢を誘き出すために、自らの軍勢を三方ヶ原に配置しました。そして、家康が攻撃を仕掛けてくると予想した場所に伏兵を配置し、家康軍を包囲しました。このような信玄の巧みな戦略が功を奏し、家康は敗れたのです

現代ビジネス戦略に活きる八陣の考え方:

八陣(フレームワーク)の使われ方は現代のビジネス戦略に共通する部分がたくさんあります。以下は、それらの主な考え方です。

状況への的確な適応:フレームワークを理解し適用することで、市場の変化に効果的に対応できます。
攻撃と防御のバランス:攻撃的な陣形と守備的な陣形を組み合わせることで、脅威に対処し、弱点を守ることができます。
状況に応じた戦術の選択:状況に応じて適切な戦術を選択することで、競争優位を維持することができます。
効果的なリソースの活用:フレームワークに基づいて戦略を立てることで、企業は限られたリソースを効果的に活用し、最大の成果を上げることができます。
柔軟な組織構造:八陣を適用することで、組織は柔軟性を持ち、変化に対応しやすくなります。

まとめ

八陣は、古代の軍事戦術で使わたフレームワークです。現代のビジネス戦略におけるビジネスフレームワークと共通する部分をご紹介しました。フレームワークを活用してビジネス戦略を立てることが、競争優位を維持し、市場で成功を収めることにつながります。

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