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オタクはどんな職業でもオタクでしかない

オタクという生き物はどうして好きなもの、こと、に対して全力をかけてしまうのだろうか。

それまで引きこもりだったとしてもスキというパワーはそれを外に出してしまうほどの強力さを持つ。

かくして前回、意図せずホスト(彼氏)とデートすることになったわけですが、今回は彼氏が私の家に来たときの話です。少しずつ甘々な展開になりますが今回もご健全。オタクは好きな物事になると行動力がバグる。

それでは前回の続きをお送りします。デート日記です。

前回はこちら

https://note.com/stardustbox/n/n97fdf4c9f843

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前回、大変ご健全なデートをした私と推し。私は友達として接したらいいのか客とホストとして接したら良いのか少しわかんなくなってきていた。

一時期ホス狂たちの読み物を読み漁っていた時期があって、どこかで、「一度でも来店したことのある人間は客としてしか見られない」と見た気がする。でも私ら出会ったの全然違うところなんだよね。でもお店誘われたのは事実だしな、友達には出逢い系で知り合ったホストと一度も会ってないのに一年半もLINEしてる子もいるしな。水商売の営業努力ってすごいよね。それが利益に繋がるのかどうかもわからないのに時間を割いてくれるのだから。

と、色々考えた結果、まあでも私気軽にお店に呼ばれる距離でもないし今まで通りで良いかなって思って接する事にした。

相変わらず毎日毎日長文で、アニメとゲームの話を一生する。或いはお互いの好きな音楽を布教し合う。推しは少しはV系を聴くし、推しはとある男性声優のガチオタなのだが、それを布教されて作曲家が好きな人ということもあって私は秒でアルバムを買ったりもした。iTunes storeは便利だね。

推しは週1日しか休みがなく、毎日忙しそうだった。でも月に一度だけ店休日があり、その日と毎週の休みが連続した時だけ連休になる。

雑談の合間、推しが前働いていた会社でいきなり有給を取ってバイクを6時間走らせ京都に行ったという話を聞いた。急に金閣寺が見たくなったとかで。なにそれ。と思いながら本当に金閣寺だけ見て、帰ったらしい。滞在時間30分。

もったいな、と思った私は、今度京都に行こうと誘った。この頃ぐらいになると何処へ遊びに行こうか?という話で持ちきりだった。私は道楽になればいいと思っていたけど、お金を使いたくないのでお金を使う流れになったら絶対切ろうとだけ思っていた。

そして、次の推しの連休、京都へ遊びに行くことになった。

最初は友達とコスイベに行くといっていたけど、途中で面倒になったらしく、私と遊ぶ方を選んでくれたようだった。

私は、

もし本当に京都まで来てくれるのであれば、客扱いならばそんな面倒でマイナスなことをしないはず。単なる友人として、迎えよう。

そう思って当日に挑んだ。この時は何も思ってなかったって言いたかったけど、恋する乙女の行動ってわけわからないもので、特に意識せずお洋服と靴を新調したりしていた。

カジュアルな方がいいかな?と思い大衆的な服屋でニットとロングスカートを買う。この時点で歳は言っていないのだが、あまり若過ぎる格好もどうかと思ってミニスカなどは避けた。相手が私よりも23cm高いものだからなんとなく、8センチのヒールの靴を買った。

そんなこんなで迎えた当日朝。びっくりするほど土砂降り。

でも聖地巡礼するって約束してたから、朝から聖地巡礼をした。道に迷うわ風強いわ、びしょ濡れすぎて髪巻いたのに全部取れた。もう出だしからボロボロだなって思ったけど不思議と嫌な雰囲気にはならなかった。寧ろ2人ともびしょ濡れで笑うしかないみたいなテンション。

聖地巡礼して、喫茶店入って温かいココアを飲む。12月の雨に打たれた身体には染み入る暖かさ。お店が開くような時間になってから、京都に向かう。

最初に抹茶のパフェを食べに行った。前回来た時がおよそ一年前という。何も食べていないだろうということで、今回のデートはお姉さんである私がプロデュースする事にしていた。元彼何も考えない人間だったのもあってこういうのは比較的得意だったりする。

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続いて某アニメの聖地巡礼をする。そう、オタクなので、とにかく聖地巡礼をしたがるのだ。

聖地巡礼とは、元ネタになった場所や建物の場所に行って写真を撮ったりすること。これが私有地である場合は迷惑になる事もあるが、今回は公共施設の為サクッと訪問して終わった。なお、私はアニメと同じ角度、カットで撮るのが好きだ。

三条の商店街を歩く。

すると、とある石屋で推しがブレスレットを見つめている。

実はこの日の少し前の日、友人と遊んで、その際に恋バナ的な話になり、現状スキかどうかと聞かれたら気になる程度だけど今度遊ぶのだという話と、先日タピオカをご馳走になったのだけどどうやってお礼をしたらいいのかという相談をしていた。

すると友人、「一緒に遊んでる時に欲しいものを買ってあげるのがいいと思う!」と、かつて私の誕生日にやったことと同じことのアドバイスをくれた。LUSHに行った際にしれっとボディークリームと石鹸、フェースクリームを買ってくれプレゼントされたのだ。確かに、びっくりしたけど嬉しかった。

というわけで、そのブレスレットを買ってあげることにした。大して高くなかったしね。

ここまで、というか、ここから先も暫く私の年齢は非公開なのだが、最初同い年ぐらいだと思われててそれは流石に居た堪れなかったので、歳上ではあるということは伝えていた。勝手に23ぐらいだと思われてたけどね…そのせいでかなり後半まで本当の年齢が言えなかったのだが。

「じゃあそれはこの前のお礼とお姉さんからのプレゼントということで買ってあげよう!」

というようなことを言った。相変わらず敬語で喋ったりしてたんだけど、今日は歳上感ガンガンに出していこうと思っていたのだった。そう、だって私実際かなり歳上なので…この時点では言えなかったけどね…

「え、悪いです!!」って断られたけど、いいのいいの、なんかお礼したかったからって言いくるめて買って押し付けた。

ありがとうございます…!一生大事にする…

って言ってたのがすごーーーく可愛かったですね、嘘でも嬉しかったけど、実際これは嘘じゃなかったって後からわかるけどね。すごく嬉しそうでそんなに喜んでもらえるなんてなーとは思った。あげた瞬間からつけてた。可愛いかよ。

「何かお礼がしたいんですが…」

というのだけど元々私はタピオカのお礼でそれを買ってあげたのだからお礼のお礼と言うことになる。嬉しいけど流石にそこまでお金使わせたくなかったので、「気持ちだけもらっておきますね。」と断った。残念そうだった。

商店街を後にして、嵐山を経由して散策。アイスを食べる。私はこのお店の桜餅ジェラートが死ぬほど好物。

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その際に彼氏はいるのかとか、色々聞かれた。まあ、世間話としては王道だよねって思った。この頃の私はといえばTwitterで大暴れしたりもしていたので、特に彼氏がいないことを隠したりはしてなかった。疑い深いので「ははーん。さては、彼氏がいない女のほうが養分にし易いと思うたな!?」などと思っていた。今思えば私の方が1000倍ぐらい心が黒い。

私のほうはと言うと、どうだとか聞き返せなくて、いやまあ、どっちでもよかったんです、遊べたらそれで。別に付き合うとかではないし、遊べたらなんでもよかった。仮に別の女が居たとしてもどうでもよかった。もう自分が傷付けられすぎて他人なんて本当にどうでもよくなってたので。

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散策も終わり御目当ての金閣寺へ。その時丁度北野天満宮でソードアート・オンラインのコラボをしていたものだからそちらと梯子をした。

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推しは金閣寺が余程好きなようで、すごく喜んでいた。私もかれこれ6年ぶりぐらいに来た。紅葉がもう少し残ってたら最高だったのにな、と思いながらやはり圧巻ですね。

夕飯に何を食べるか、と言う話になった時に、私は湯葉が食べたいと言った。そうすると、湯葉ってなんですか?と言われた。マジか。湯葉を知らない…これが地方民…

というわけで、湯葉とはなんであるかを説明する。豆乳を煮詰めて、膜のようなものを作ってそれを束ねたもの、と説明した。出汁料理と一緒に出てくることが多いと。

特に嫌いなものがないのだという推し、湯葉を食べてみたいとのことで夕飯は湯葉を食べに行くことにした。

河原町に戻り、三条商店街をまた歩く。

どうしても、お礼がしたくてなんか買いたいというので、再び何かを探すけど、私はあんまりお金を使ってほしくなくて、選ぶ事が出来ずにいた。

昼間とは違う天然石ショップに行き、なんか選んで欲しいと言われたけど、よくわからなかったし値段もそこはそれほど安くなかったので、「選んでくれないならいらないよ。」と言った。

推しは、「ええ…こう言うの選ぶセンスないんだよな…どうしよう……」とモニョモニョ言いながら店内を見渡し始めた。

そして選んできたのが、昼間推しにあげたものと同じようなカラーリングのもの。でも値段は3倍ぐらいしてた…。「これでいいですか?」と。

それでいいと思うなら私はいいと思う。素敵だと思うよ。と何処か他人事のような返しをした気がする。照れ隠しなのだけど、素直にキャーキャー喜べないのは私の悪い癖でもある。

買って貰って、ありがとう、大切にするねって言った。実際あの日から1日もかかさずつけているのだから大切にしていると思う。

それで、職業上女の子に買うプレゼントを考えないといけない事も多いから、参考にしたいとかなんとか言ってたので、私が思う良いプレゼントなどを、これまた歳上ぶりたいので偉そうにレクチャーするなどしていた。

買い物も終わって、湯葉のお店に行くと、今はいっぱいだという。1時間程度で案内出来ると言われたので、近くのスタバへ行くことにした。

すると推しはスタバに来たの、初めてです。と。

!?

え、君本気で言ってる????????

一応、前回同伴した時、私はスタバで待ってたけど結局推しは何も買うことがなかったし、そうか、これが初めて…なんでや…と思いつつ、人生初スタバらしい。

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写真を見て思い出したが人生初スタバは抹茶フラペチーノか。まあ抹茶好きって言ってるしね。

甘いものが好きな推し、フラペチーノに感動したり、なんやら、していて、私はなんか、とち狂ってこぼしたりしてしまってもうなんか歳上感出せなくてやきもきしてたりして、でも、久々に飲んだフラペチーノの味は甘くて美味しかった。

そんなこんなで湯葉を食べに行く。

メニューをみて、

??????????

となっていたので、私が適当に頼んだ。

「揚げ出しって、なんですか?」

と聞かれた時は

流石にマジか。と思ったけど。

そうして、ご飯を食べながら、私も推しも乾杯をする。私はガンガン飲んで5杯ぐらい飲んでいたのだけど、チューハイ半分なのに推しは死んだ。え、嘘だろ。と思いながら私は湯葉料理を食べていたわけなのだけど。

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さてはてどうする、深夜の便で推しは帰る予定だったのだが、もう完全に潰れている。このまま乗り場まで辿り着けないのではなかろうかと言う懸念が頭を過った。

会計を済ませて電車に乗る。でももう支えてないと歩けないぐらい推しはへろんへろんなのだ。なんでどうしてこうなった。

電車に乗ってる間、推しが倒れてきて私が膝枕をするような形になってしまった。えーと、あの、、、これは狙ってやってます?????

いい匂いがした。

さて、このときの私はすごくすごーーーく考えていた。

土地勘のない場所にいたいけな男の子を放り出すのか(私の中ではもう枠的に成人男性というよりは男の子だった)

それとも、罠であることを考えた上私の家で介抱するのか…すごーく悩んだ。

かつて後輩に同じことされた時はその辺の道端に置いて帰ったのを思い出した。次の日傷だらけで登校してきたからどうしたのって聞いたら朝起きたら警察に囲まれてたって聞いた。ドンマイ。

めっちゃ悩んだ結果、もうワンチャンされても仕方ないか!!!!!このまま放って置くわけにもいかないしな!!!!!!と思って連れて帰る事にした。

幸いにして私の家には客人用の布団があるため、寝る場所を提供する事はできる。そうしよう、これは人助けなのだ。

家について、布団を敷いてる間ベランダで待ってもらう。推しは煙草を吸っていた。因みに私が煙草吸ってるのみたのは後にも先にもこの一回だけで、もうやめてるので今後も見ることはないのだろう。

客人用の布団を引いて、寝かす。私もジャージに着替えてシャワーを浴びて寝ることにした。勿論自分のベッドで。

そわそわするかしないかでいえば落ち着きはしなかったが一向に起きてこないのでそのまま寝た。夜中シャワー借りていいかどうかだけ聞かれたけど私はそのまま寝た。

文字通り寝た。成人済みの男女が同じ部屋で2人きりだったけど一回も触れる事なく大変ご健全に寝た。

それで、朝起きて、見送りに行って。少し時間を間違えて遅くなってしまって、タクシーで港まで行ったんだ。

そうしたら、僕のせいだからってタクシー代を千円くれた。優しいや。別に見送りに来たのは私の勝手なのにね。

それで、帰りのタクシーの中、運ちゃんに、

「遠距離かい?大変だねぇー」って言われて

「違います、、付き合ってはいなくて」

と言えば

「付き合ってないのにこんな時間にこんな場所まで見送るかねw」

と茶化された。

この辺ぐらいで

うーん、私はあの人のことが好きなのかな?って思い始めた。それまではなんとなく気になる、ぐらいでしかなかったけど。確かに意識してたのは本当だし、実際出逢いから今日まで警戒心MAXで接して来た。けど、単なる営業ならここまでしないような、気がしてた。

でも向こうは知らないけど私は8歳も年上なんだよ。。という自信のなさ?というかそこまでの年下と付き合ったこともないし、そもそも恋愛対象に入るのかどうかもわからない。そもそも私は陰キャなので、自分が好かれてるとか、確信を持って言ったりは出来ないので、なんでだろうってこの後も考えていくことになる。そして、時間が経てば経つほど本当の事も言えなくて暫く、と言っても2週間ぐらい、悩むことになる。


というわけで今回もご健全に終わりました。

ここからあと三回ぐらいデートしてから付き合う感じです。次は残り三回全部まとめてもいいな。





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