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シャベルとキクのお話 その13

このお話は、しゃべるの大好きシャベル(S)と、聴くの大好きキク(K)が、気になったことを2人で気ままに話した記録です。今日は、推理小説。

シャベル(以下S)こんにちは。
キク(以下K)こんにちは。
S 読書の話をしていい?
K こんなところで?いいよ。
S こないださ、とある推理小説を読んだのよ。
K ほうほう、どんなやつ?
S あのね、とあるお屋敷で起こる数々の事件を、名探偵が刑事とともに解いていくっていうやつ。
K そういうのあるよね。
S そのお屋敷というのが名家だったんだが、落ちぶれてきていて、その最中の事件。そのうちの1人が世を儚んだところから始まるのだが、なぜ儚んだかというと自分の妻といとこが通じていて、自分の娘も実はその2人の子ども、いとことその妻子も一緒に住んでいる、さらに自分の妻といとこの隠し子もいる、という状況だったからというもの。
K なかなかにヘビーだね。
S そこまでになるとしょうがないじゃんという感じで、いろんな悲劇が起こるんだが、私がここで言いたいのはさ、本当にしょうがないのかな、ということなんだ。
K あら、設定に文句でも?
S いやいや、しょうがないよなー、と思うんだけど、自分がそういう中にいたとしたら、どういう風に考えて、どういう風に動くかなって思ってさ。
K それってさ、筆者の意図にもよるんじゃないの?共感させたいのか、それともこういう人はこう考えるかもよと見せたいのか、共感できないけどこういうことあるよと言いたいのかとか。
S あー、なるほど。
K シャベルだってさ、なんらかの意図があってここで話してるんじゃないの?
S いや、意図はない。
K え、意図がないの?
S 全然ない。強いて言うなら話したいだけ。
K え、それは驚き…
S まあそれはいいとして。確かに意図があるのか。その時代背景もあるだろうし、推理小説って異常性を強調するから、そういう意味ではしょうがないのか。
K まあ往々にしてあることじゃない?本の中の人物に深く共感することも、全然気持ちが入らないことも。
S そうね。じゃあこの話はこれでいいか。
K え、いいの?なんか終わらしてごめん。
S いや、面白いよ。私はね。
K あなたはいつもおもしろそう。なにがモチベーションで話してるの?
S ただ話したいことを話すのが好きなんだ。そのうち小説も書いてみるか。
K 意図はあるのか?
S ないね!さようなら。
K さようなら。

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