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3冊目「ほたるいしマジカルランド」

ポプラブッククラブ2021年10月の本です。この作品の直前に司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」を読んでいたのですが、読中にこの本がブッククラブから届きました。個人的にはどこか運命的な不思議な出会いを感じています。

ほたるいしマジカルランド

著者:寺地はるな 発行所:ポプラ社
装画:福田利之  装幀:岡本歌織(next door design)

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月曜日から日曜日まで7つのエピソードに分かれていますので
この本と一緒に一週間過ごしてみてはいかがでしょうか

週末にはやさしい気持ちにほぐされて、ちょっと力をもらって
新しい週を迎えることができるかもしれません

 本作でもすごく印象的なのはタイトルにもあるように「ほたるいし」で、本作の舞台となるマジカルランドがある架空の街、蛍石市は後でネーミングされたのではないかと思うような気がするぐらいマッチングしています。本来無色な石に他のものが混じっていて、どこにでもあるような石だけど光を当てると様々な色にきらきらとひかる。みんなそれぞれ色々抱えていて働いている、そんな登場人物の様子にそんな柔らかな輝きを感じる作品でした。偶然読了したのも日曜日。ほろっと来てしまいました。

みんなそれぞれ違っていていいんだ
それぞれの良さがあるんだよと
優しく語りかけてくれるようです

 寺地はるなさんの本は、「雨夜の星たち(徳間書店)」「声の在りか(角川書店)」「ガラスの海を渡る舟(PHP研究所)」に続き、気が付けば4冊目です。この本は知っていたのになぜか手に取っていなかったんです。ポプラブッククラブのセレクトで届いてびっくりです。そして偶然なのか出版社がすべて別々。それぞれ確かに同じ人が書いた本だなと思うのですが、アウトプットの印象が全く違うなぁと思います。それは、題材のせいなのか、出版社さんの影響なのか、寺地さんのアウトプットがうまく分けられたのかはわかりませんが、印象は違うけれど根っこが一緒のようなそんな印象を感じています。それは本作のタイトルにある「ほたるいし」に表れているのではないかと私には思われてならないのです。

 遊園地のようなレジャー施設、百貨店のような小売店、ホテルや飲食店のような飲食・サービス業。私たちの生活を彩り心を豊かにしてくれる場所には、いつも誰か支えてくれている人がいて成り立っているのだと感じさせてくれました。

小説の舞台にちなんだとりとめもない話(ひらパー)

 とりとめもない話になってしまいますが、せっかく地元の大阪が舞台となっていて、冒頭の不思議なご縁のこともあるので書きておきたいと思います。最近行っていませんが、きっと私なら、ひらパーには飾っておきたいと思いますが置いてあるのでしょうか?
 というのもマジカルランドはひらパーにインスパイアされているのは間違いないなと思っています。大阪の難読地名ネタにされていたり"枚方市"にある遊園地です。("まいかた"と誤読されることが多い)枚方市は淀川以南にあるので厳密には北部ではないかもしれませんが、北河内と呼ばれるエリアにあるためそういう意味では作中の表現とリンクします。
 子どもの頃から大阪に住んでいる私にとっては京阪電車とともに馴染み深いひらかたパーク。大人になっていくと大きすぎずちょうどいいサイズだと思っています。私が小さなころは、枚方公園駅から歩いていく道すがらに屋台が並んでいてそれも楽しみでした。時代とともにちょっとさみしくなっていきましたが、ブラックマヨネーズの小杉竜一さんが初代ひらパー兄さんで活躍されたり、施設のリニューアルもあり復活してきましたので、他の地域の方も名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。二代目となる超ひらパー兄さんのV6岡田准一さんがふざけたパロディコラボポスターを続けてくれているあたりが地元愛を感じますね。
 実際この本を読んだ10月には司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」が岡田准一さん主演で「燃えよ剣 BARAGAKI unbroken samurai」として映画化公開され、さっそくネタにされています。
 ディズニーランドやUSJのようなテーマパークの影響もあってか、各地の遊園地は閉園が続いていてどこかさみしいです。花やしきがなくなった今、ひらかたパークは現存するものとしては日本最古の遊園地となっているので本当に驚きです。夏はプール、冬はアイススケートも楽しめて、本作品でも登場するローズガーデンもあります。最近では縮小されましたが、過去は大河ドラマをテーマに大菊人形展が開催されていたこともありました。遠足で行くような地元に愛される遊園地で、テーマパークというとやっぱりどこか合わなくて、親しみのあって気軽に行くことができる「遊園地」の印象です。あまり利用しなくなった私でも続いて行って欲しいなと思います。
 今年2021年は「みんなで作る光の遊園地」というクラウドファンディングをされていて、2,000円ぐらいから入園招待券を手に入れつつ協力できるプランがあるようです。ご興味ある方はご覧になってみては?ってこれだと本の感想よりもひらパーの回し者になってしまいますのでこの辺りでやめておきたいと思います(苦笑)
 でもこれで、冒頭運命的なものと感じた理由も少しわかってもらえるのではないでしょうか。まったくジャンルも異なる「燃えよ剣」「ほたるいしマジカルランド」この2冊の本とこのタイミングで続けて出会うことになるとは思いもしませんでした。素晴らしい出会いをくれたポプラブッククラブに今月も感謝です☆彡

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