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10冊目「花屋さんが言うことには」

ポプラブッククラブ2022年3月の本は「花屋さんが言うことには」です。これでちょうど10冊目になりました。

本作について

2022年3月14日発売
花屋さんが言うことには  著者:山本幸久
発行所:株式会社ポプラ社 ISBN:978-4-591-17328-2
装画・扉絵:カシワイ
装幀:bookwall

カシワイさんのイラストいいですね。ふわっとした雰囲気が素敵です。花屋さんが舞台ということもあってかわいい雰囲気がピッタリです。

新卒で就職したブラック企業を2年退職した紀久子はひょんなことから駅前の「河原崎花店」の面接を受けることに。花屋さんで働き始めた紀久子は自分のやりたかったことに再び出逢いなおしていきます。ふんわりした雰囲気の作品で出来過ぎ感は若干あるものの、春にピッタリの優しい作品です。

河原崎花店の店員はキャラが個性的。なんというか台無し美人っぽいイメージの店主、外島李多。ベテラン店員の光代さんは元先生。店の看板(黒板)に短歌を書いたりしています。そして先輩アルバイトのハガはスパイスカレーが絶品。カレーが食べたくなります。そんなアットホームで至れりつくせりなお店で働き始める紀久子は真面目でデザイナー志望。現れるお客様がお花を通じて繋がっていきます。そいてラヴィアンローズ号。この3輪バイクに乗って花を配達する紀久子。こんな花屋さん見たことない!普通軽のワンボックスですよ。僕が知らないだけ?でも、これもかわいいし夢があっていいなぁって思います。他の登場人物は是非読んで出会ってください。

本作は、8つのそれぞれ花にちなんだエピソードで構成されていて、そこには素敵な花言葉がちりばめられています。穏やかな空気の中にちいさなハッピーがあって優しい気持ちになれます。そして読後にはこれからあたたかな春の開花が待っているような希望を感じられる作品です。

短歌っぽいタイトル紹介

いつもは自由詩で感想書いていたのですが、今回は作品に登場する光代さんに影響されて短歌っぽい雰囲気で本の紹介になる作ってみました。ちょっと文字数綺麗に合わなくて悩んで諦めちゃいました。これ黒板に書いてみたいな(笑)

花とどけ 言の葉に のせた想いに 心も華やぐ あしたへの道

僕自身のtwitterより

そういえばお花と言えば…

本とは関係ありませんが、お花と言えば開店記念のスタンド花を思い出しました。私は小売関係で務めており、開店を結構経験しているのですが、その際に届くスタンド花がたくさん届くんですよね。これって地域によって考え方が違うんだと思いますが、「花がなくなった方が店が繁盛する」という考え方からみんな持って帰ろうとするところもありますし、誰も手に付けようとしない地域もあります。そんなときはセールの最終日曜日に来店されたお客様に持って帰ってもらっていたこともありました。手に取りずらい人もいると思って花束にしていくと、うれしそうに持って帰ってくれるんですよね。そりゃもちろんタダだってのもあるけれど、やっぱり綺麗なお花が笑顔にしてくれるんですよね。それを見て花屋さんっていい仕事なんだろうな、幸せな気持ちになれるんだろうなと思ったことがあるんです。「俺、花屋さんになろうかな」って冗談言ってましたね(苦笑)

花のない生活をしている僕は、この本に影響されてスーパーでお買い得なお花を買ってきてしまいました。なんか心が華やぎます(*'ω'*)なんで花屋さんに行かないのかって?贈り物の花束買うわけでもなく、おっさんの僕にとって花屋さんは色々とハードルが高すぎるんです(*ノωノ)

花屋さんで思い出した本

花屋さんといえばもう一冊本棚にあったなと思ったのでご紹介を。
フラワード 弔い専花、お届けします
著者:百舌涼一/ディスカヴァー文庫
なんと葬式専門の花屋さんが舞台で、花に想いをこめるという意味では本作同様素敵な本だと思います。もしよろしれければ読んでみてください。

マガジン休止について

ポプラブッククラブがこの3月をもって休部となります。それに合わせて僕のマガジン「僕とポプラブッククラブ」についても休止と致します。もともとブッククラブ本の感想を記録するために作っていたので仕方がありません。別の形で本の感想や紹介をできるように来月以降また何か投稿という形にしたいと思います。

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