独特すぎる応援
先日、夫とふたりで焼き肉を食べに行った。
肉を焼きながらとりとめもない話をするなかで夫に聞かれた。
「次の文フリではなに書くか決まってるの?」
「うん。短歌と、あと、小夜さんに提案してもらった企画があるからそれやるつもりだよ」
「俺はさぁ」
だいぶヘベレケな気配が漏れだした夫が説教モードに入った。
「スタババはさぁ、エッセイっていうんじゃないと思うんだよね」
「……いや、エッセイのつもりでいろいろ書いていますが……」
「身をさ、己の身を削ってんのよアナタは。自分の手術の話を書いて、親の死をコンテンツにして、弟の話をネタにして。わかる?!」
「……まぁ、はぁ」
「だからさ、なんで元カレの話を書かないのかっつってんの!」
「いや、おもしろくないよ。もうほとんど忘れたし」
「世の中的にはおもしろいって!!」
「おもしろくないよ、もっとひどい人いっぱいいるよ」
「だからだって!『あ、自分はこの人よりひどい』って思って安心する層がいるんだって!」
「そうかなぁ……」
「そうだって!!だいたいさぁ、この間の○○に行ってコンタクト買おうとしたら△△がいた話とかさぁ、なんで書かないわけ?!俺だけに聞かせて満足してんじゃねぇよ!昼時の鼎泰豊で案内待ちしている間にする話じゃねぇのよ!」
「それは書くよ!そのうち書くつもりでいるってば!」
肉はどんどん焼ける。ハラミが美味い。
「俺はさぁ、アナタの短歌も悪くないと思ってんのよ」
「あ、はい、ありがとうございます」
「絶対リツイートしないけどね。ぜっっっったい、しない」
「ブフッ、え、なんでですか。してよ」
「『こういうの刺さるヤツいるんだろうなぁ』って思うと、なんかムカつくから。ぜぇぇっったい、しない」
「しようよそこはー」
「いーやっ、しないっ」
満腹になり、なかなかのお会計にふたりで目を丸くして家路についた。楽しかった。
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