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建築という世界を飛び出して、世界の繋がりを見たくなった / 黒木 涼

こんにちは。黒木と申します!
今回、私がStapleと出会うまでのキャリアや移住を決めた長門湯本について、ご紹介させていただきます。

黒木 涼 | RYO KUROGI
南国宮崎生まれ。大学時代はさらに南の鹿児島で過ごす。大学卒業後は、構造設計士としてキャリアをスタートし、2016年に一級建築士を取得。その後、設計事務所に転職し、総合病院やクリニックなどの医療・福祉施設の意匠設計を5年経験する。仕事の傍ら、人との関わりがより濃い場所でものづくりの感覚を味わいたいと思い、DIYの現場や解体現場に関わるようになる。SNSを見て飛び入り参加したSOIL Nihonbashiの解体ワークショップをきっかけに、2023年Stapleに参画。主に企画・開発を担当。2024年長門湯本へ移住。
海も山も好き。ロングハイキングが好きで、2022年にアメリカのJohn Muir Trailをスルーハイク。サーフィンは練習中。最近ほしいものは畑。
鹿児島大学大学院 理工学研究科建築学専攻 修了

John Muir Trailの一枚

”Staple”と出会うまで

建築の分野を選択した背景

建築に興味を持ったきっかけは、幼少期の祖父とのものづくりの体験です。共働きの両親に代わり、田舎の祖父母の家で過ごすことが多かった私にとって、なにかをつくることが遊びの時間でした。祖父が友人と鶏小屋やベランダをつくる姿を見て、自分も裏庭の竹で釣り竿を作ったり、祖父の木材の端材で鳥の巣箱を作ったり、今思うとお金のかからない子だったと思います(笑)。なにかを造ることのできる祖父のまわりには常に人がいて、そんな景色もぼんやり覚えています。その幼少期の体験がきっかけで、建築学科へ進学しました。

建築を学び、Stapleへ入社するまで

学生時代はまわりがインテリアや意匠設計に興味を持つなか、少しマニアックな「構造デザイン」という分野を学んでいました。分かりやすく言うと、本来目立たないように設計する柱や梁を、意匠と調和させてデザインする考え方で、その頃から少し領域を広げて全体を考えることへの興味があったのかもしれません。
社会人1社目は物流施設や店舗の構造設計を経験し、3年目の一級建築士の取得をしたことをきっかけに、意匠設計として設計事務所に転職しました。病院、図書館、市役所などの大規模な建築を扱う会社で、プロポーザル、設計、現場監理と、一般の設計事務所の建築士が関わることができるものは、ほとんど経験させてもらったと思います。一方で、「本当にこの場所に本当にこの建物が必要なのか」「ここまで費用をかけて良いのか」と、設計以前のことに疑問を持つようになりました。また、引き渡し後に建物が使われる様子を見て、その場にいる人々こそが、まちに影響を与えることを実感し、設計者として関われる範囲がすごく狭く感じるようになりました。その後、自分が関わった建物やその土地の未来の景色にも関わっていきたいという想いが芽生え、設計の前後の企画や運営にも携わり、その地域や人々と繋がりを深めたいという好奇心が湧いていました。
そう考えると、ものをつくる行為を通して人とつながっていた祖父の姿が、今の自分の人格形成に影響しているかもしれません。そもそも建築は「線を引く仕事」という意味では多くの意味を含んでいますが、縦割りになっている建築という世界を飛び出して、その場所の未来を見たくなった、そんな思いでStapleへ入社しました。

Stapleで初めて担当した
レディースクリニックなみなみハーブアイススタンドerb(目黒)」のメンバー

黒木涼さんは現在Stapleでの自社開発案件に数件関わった後、2025/03開業予定の「SOIL 長門湯本」の企画者として、その土地に惚れ込み、移住をしています。

わたしにとっての”長門湯本”とは

移住を決めた理由

石州瓦の家がポツポツと並ぶ田園風景のドライブ。山口宇部空港から1時間ほど車を走らせると長門湯本温泉へたどり着きます。「温泉街というよりかは温泉郷」と地元の人が言っていた通り、そこは音信川が優しく流れ、その両脇に十数軒の温泉旅館が立ち並ぶ集落のような場所でした。温泉が湧き出、日本海の豊かな恵みや山の幸もあり、地域の方々も優しく受け入れてくれる。初めて訪れたときから故郷に近い居心地の良さを感じました。

地域の方と話すと、常に前向きで、外の人を受け入れてくれる雰囲気を感じますが、それはこの数年でこの街が大きな変化を乗り越えてきた歴史から生まれたものだと思います。2014年に大型老舗ホテルが廃業し、その後2016年から「星野リゾート 界 長門」の誘致とともにマスタープランをつくり、温泉街全体を魅力的な場所にする「長門湯本みらいプロジェクト」が始まりました。このプロジェクトには、行政、金融機関、地元有志、外部専門家など、職の垣根を超えて同じ想いを持った人々が集い、立ち寄り湯「恩湯」のリニューアル、音信川のそぞろ歩きをテーマとしたインフラの整備、「cafe & pottery 音」や「365+1 BEER」など様々な店舗の出店に繋がり、今のまちの景色があります。人々の前向きな精神性が、長門湯本という場所に昇華され、今の景色をつくっていると感じています。
そんな方々なので、ご想像の通り、みなさんおしゃべりが大好きで、飲むのも大好きです(笑)。つい先日は、湯本で旅館を経営しているご夫婦の結婚20周年を祝うバーベキューを開催しましたが、途中から昔のアルバムを持ち出し、気がつけば朝の4時でした(笑)。また、まちを歩いていると、「今日うちの温泉に入りにおいで!」「ごはんなかったら食べにおいで!」と声をかけてくれる方もいます。住んでいる方々が本当に長門湯本を愛し、当たり前のように自分の生活や人生の一部を共有してくれる、そんな豊かな心をもった方々で溢れている場所です。その景色をみて、自分も長門湯本の景色の一部になって皆さんと人生を共有したいと思い、「通おう」ではなく「住もう」という気持ちに変化しました。

長門でどんな”場”を提供したいか

長門湯本のシンボルの一つとして、まちの公衆浴場である「恩湯」があります。恩湯は約600年の歴史がある山口最古の温泉で、浴槽の真下から湧き出る空気に触れていない「生まれたての湯」が味わえる貴重な温泉です。住民の日常生活として利用され、特に夕方には多くの人々が集まる場として親しまれています。
長門湯本の人々を見ていて、恩湯の温泉が身体を癒すだけでなく、生活全般に影響を与えていると感じます。普段交わらない人々との偶然の出会いや、裸で語り合う時間がポジティブな方向へと導く不思議な力を持っています。また、地元の住民や子供たちが泉源に手を合わせる光景を見ることがあるのですが、これは湯が自然の贈り物であることを理解しながら、日々の生活に感謝する心が育まれている瞬間だと思います。このような習慣が人々の心を豊かにしている、希望や感謝の気持ちも「湧く」場所だと感じ、そんな湯のある暮らしの豊かさを感じる体験を提供できたらと思っています。そして、長門湯本の旅行体験が、その先の日常の中で、特別な気持ちが湧く場所を見つける手助けになることを願っています。

“こんな人”が長門湯本には向いている

長門湯本はなんでもできる場所です。みなさんの前向きな精神も相まって、「お、それいいね!」となったら、まち全体で協力してくれます。4月に地域の方と飲みながら、「地域の方ともっと話す場としてGWに屋台をやりたいんですよね。」と話したところ、すぐに「長門湯本みらいプロジェクトで使った屋台があるよ、ここに設備あるよ、仕入れ先紹介するよ、うちのインスタでPRするね」という具体的な支援があり、あっという間に実現しました(笑)。
 長門湯本では、先人たちが何でもやりやすい雰囲気を作ってきた歴史があります。これは長州藩の文化や、近年の大きな変革を乗り越えてきた経験から生まれたものであり、新しい挑戦を始める雰囲気が昔から継承されていると感じています。「これってできないんじゃないか」という制限は、既に乗り越えてる先人たちが沢山いらっしゃるし、その延長で住んでる方々もたくさんいます。悩む時間よりも、地域の皆さんと共に語り合う時間を大事にし、楽しいアイディアをどう実現するか、ポジティブに考えられる人が向いていると思います。一緒に長門湯本を盛り上げていただける方を心よりお待ちしております!

おわりに

SOIL Nagatoyumotoでは「GM職(マネージャー)」を募集しています。
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求める人物像

  • 柔軟性と行動力のある方

  • 自己開示できる方

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