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【授業の場をつくる】ファシリテーション・ティーチャー

こんにちは!タノ🦒です。
今回のテーマは【授業の場をつくる】です。

今行っているプログラミング教室。
メイン講師は後輩で、私が研修をしています。

授業未経験のその方は、今数ヶ月が経ち
授業を流すことができるようになりました。

ただ、対話型の授業だったり、引き出したりする時に、
子どもの予想外の発言や、場が拡散した時に、
「どうすればいいのか(・_・;)」となることがあります。

授業に絶対の正解はありませんし、
私自身の授業が正解になることはありません。
ですので「場づくり」という視点で伝えようと思います。


授業の場の作り方とファシリテーション
について伝えたいと思います。


1.雑談が大事

相手は子どもたち。
「まずは”気持ち”をこちらに向けて欲しい」。

それには、意外と雑談が大事。
ただ話を聞かせるための雑談や嘘のリアクションは見抜かれます。
子どもはとても大人を見ています。

ですので、大人自身が
「本当に聞きたいと思ったこと」「興味があること」
をその子自身を知る、受け止める気持ちで話します。

そうすると、気持ちが向き合って、
自然と授業に入っていけます


2.発散と収束

一方で授業中に雑談を始める時の注意点。

「発散」された意見や話をどう戻すか。
「収束」とって話の本筋に戻す必要もあります。

これを子どもだけで行うのは難しいです。
ですのでファシリテーターして大人が整えてあげる。


ファシリテーターとは「促進する」という意味があります。
意見が活発になるように促し、
ある程度のところでまとめてあげる存在です。

発散」が少ない時は意見が活発になるようにしかけます。
具体的には「発問(問いかけ)」をします。

「今〇〇さんがこう言ったけど本当にできるかな?」
「今何個のアイデアがでた?」
「今1つの意見だけどこが唯一の答えかな。他にもあるかな?」
と広げる問いかけをします。

ちょっと雰囲気を変えたり、ハッとさせるなら

「えーー?!それ本当にできるかな?」
「これしか答えはないよね!ということは答えはこの1つ!」
のように子どもが「できるよ!」「ちがうよ!」と言えるように、
わざとズラして問いかけたりします。

「発散」は子どもにとって楽しい時間です。
自分の意見を話し主張できる【動】の時間です。


一方で【動】に対して【】も必要です。
「発散」した意見を「収束」させます。
(いわゆるメリハリです)

なぜ「収束」させるかというと本質に迫るためです。
この話し合いの結論は?何を捉えるべきか?
何をここで学ばせたいのか?気づかせたいのか?
それはまとめてあげるのは大人の役割です。

いずれは自由討論で子ども達だけで辿り着かせたい。でも、最初からそれは難しいです。まずは大人が導いてあげることが必要です。


「みんなの意見を聞いてみると、ズバリポイントは〇〇だね」
というような「収束」です。


ただ1つ注意です。実際にあった事例です。

子どもたちがたくさん話し合いました。
数十分かけて色々な意見も出てきました。
しかし最後に先生が画用紙に書いたまとめを出したのです。

(  先生  )「みんなが話し合って結論が出たね!」
(子ども)「話し合わなくても結論あるじゃん!」

となったそうです。
もちろん話し合いそのものにも価値があります。

ただ、結論がすでに書いてあって、それが答えのようになってしまうと、「僕らが対話しなくてもいいんじゃないか」という印象を与えてしまいます。


では、どうすればいいのか?


3.先生の「気づき」

授業の台本やスライドは必要な場合があります。
流れから外れてしまったり、迷ったりを防げるからです。

ただし、それはあくまでガイドラインです。
対話を大切にするなら”子どもたちの思考”が重要。


スライドの有効な活用場所は、
「知識」「ポイント」に留めるべきでしょう。

それ以外はあくまでガイドライン
そうしないと目の前の子どもから意識が逸れていきます。

大事なのは目の前の子ども。子どもの今の姿。
授業の流れは大切ですが、目の前の子どもを見ましょう。

そこで「先生の気づき」が生まれるはずです。


4.子どもの言葉でつなぐ

先生の気づき」が生まれると、
具体的にどんな授業になっていくか。

台本や授業の流れを作り込むと、
「子どもの活躍の場面」はなくなります。

そのような授業で出てきる言葉は、
つまらない大学での授業のようになります。
(面白い大学の授業もあります)

はい、その通りですね。ここまで意見がたくさんでました」
「それをまとめたスライドがこちらです」
しっかりと先生の話を聞いてください」
理解できましたか?それでは次に進みましょう」

先生の方にすでに流れがあるのが分かります。
1つの答え、指示なので子どもの思考の余地はありません。

これが子どもの姿を見ながら行うと、

「なるほど、その考え面白いね!振り返ると3人の意見が繋がっているのがわかるかな?先生は1つ気づいたよ。どうやらね・・・」
「みんなの意見を思い出してみようポイントが2つになる気がするよ。それはね・・・」
「みんなのそれぞれの考えを聞くと面白いね。誰と誰が近かったかな?・・・そうだよね、でも〇〇の意見とは・・・ね!違ったね。どうしてだろう?
「この問題を解いてみて、何か気づいたことはあるかな?〇〇さんは何か見つけたようだね・・・。全員すごくうなづいてるね笑。これが理解できたなら、次のステージに進んでみようか?」

のように、言葉がガラリと変わっていきます。
子どもたちの言葉(考え)で繋げていく授業になります。

でもこれは「子どもの姿」を見ないと分かりません。
つまり「先生の気づき」が必要です。

これはテクニックではなく「見る」ということです。
観察の「観る」の方が近いかもしれません。

これが進んでいくと子どもたちが
何を気づき、何につまづき、何を学び、何を考えるのか
集中しているのか、退屈しているのか、
そういったことが分かるようになります。


それを「観る」ことで授業は動き出していきます。

その様子を見ながら、手を変え品を変えていく。
授業の本筋からズレたりすることもあるでしょう。

「対話型」「ファリリテーション」を行う場合、
場にいる人たちが学ぶび向かえるような、
声かけや環境設定をする必要があります。

それが「授業の場作り」です。


5.リズムとテンポ

最後にリズムとテンポです。

子どもを観る、意見を聞くといっても、
そこに時間を割き過ぎてしまったり、
丁寧にまとめようとするあまり時間をかけたりすると、
授業はだれていきます。

その場合の原因は、
「先生が話し過ぎている」
「流れを切りながら進んでしまっている」
という2つがあります。


子どもたちが意見をたくさん出した。
大体の理解はすでに完了している。

その状態で、

「よし、そしたら最初から振り返ってみよう」
「意見は10個出たね。1つ1つ確認すると・・・」
と長々と話が始まったら、集中力は切れてしまいます。


すでに理解が終わっているなら、

「いやぁたくさん意見が出てきたね」
「どうやらポイントがもう分かった気がするね」
「さっきの〇〇が言った⬜︎⬜︎の考えが分かりやすかったね」
「さぁ、次に進もう、次はね・・・」

位にサクサク進んだ方がいい。

長い説明をするより1回の体験。
体験に勝るものなしの感覚で、
時間をそっちに割きたい。


テンポを上げるには、繋ぎ言葉を減らす

「さあ、ここまでみんながたくさん意見を出してポイントが整理されてきた気がするね、みんなよく理解できたかな、そしたら次のスライドに行きたいと思うんだけど、次のスライドはね〇〇についてなんだ、覚えてるかな?さっそく行ってみようか、準備はいい?」

これだと長すぎるので、短文で、

なるほど!じゃあ、次はいよいよ、
理解が深まってきたね、そしたらさ・・・
ポイントが出たね〜。ということは?
という風に、短ーーく繋げる。


基本的にテンポよく短く進めれば、
本当に大事なところで時間をたっぷり使える」。

基本はサクサク、大事なところでじっくり。

そんなリズムとテンポでいければと思います。


まとめ

初めて授業をする時は、台本片手に行います。

でもなぜかうまくいかなくなる時がきます。
それは台本の中の子どもと目の前の子どもが別物だからです。

目の前の子どもを見て授業を行う。
その時台本のことは一旦手放してみましょう。


そこまで積み重ねてきた経験が、
授業の流れを元に戻してくれます。

もし別方向にいっても大丈夫です。
そこで得られる価値が必ずあります。

ウィリアム・アーサー・ウォードという教育者の言葉で終わります。

普通の教師は
言わなければ
ならないことを喋る。

良い教師は
わかりやすいように解説する。

優れた教師は
自らやってみせる。

そして、本当に
偉大な教師というのは
生徒の心に火をつける。

ウィリアム・アーサー・ウォード

素敵な授業を。応援しています。
私も頑張ります!


タノ🦒でした!またね!



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