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#減薬

統合失調症の維持期での減量方法

「統合失調症治療ガイドラインを読む」の中で紹介したように統合失調症治療ガイドラインでは、

CQ1-4 (初発において)抗精神病薬をいつまで続けるか?

少なくとも1年は続ける

CQ3-1 (維持期において)薬は中止しても良いか?

継続するべき

とされており、基本的に長期間継続するべきである。

維持期の使用量しかし統合失調症の人が安定した後、いつまで、どの程度の量を使うかはデータがあまりな

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SCAP法による多剤併用大量投与の改善

SCAP法による多剤併用大量投与の改善

抗精神病薬を減量するときに比較的安全と考えられている方法がある。

SCAP法 国立精神神経医療研究センター

SCAP法の注意点先に注意点を説明しておく。

1.安全性が確認されたのは限られた範囲である安全性を確認したのは、抗精神病薬2剤以上、CP換算値500-1500mgを服用中の人を対象に3-6か月かけてCP換算量20%を減らすという点だけである。

CP換算で1500mgを超えた人 や 2

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減薬をしたがらない人

減薬をしたがらない人

外来通院中の人の中にも多剤併用・大量投与の人たちがごくわずかにいる。基本的にゆっくりと時間をかけて減量しているものの、一部の人はどうしても減量に同意してくれない。

現在(2021.8) 抗精神病薬を3剤併用している人が1人いる。

ある人の言葉先生の話は良く分かりました。今 副作用が無くても、今後 長期間使い続けることで、副作用が出てしまう危険性があることも分かりました。でも私はこのままこの薬を

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多剤併用からの離脱には家族が重要

多剤併用からの離脱には家族が重要

他の病院から転院してきた人の話である。

他の病院で異常とも思える大量の薬を3年以上ずっと処方されていた。眠気・口喝・食欲亢進と過食による体重増加・一日中ボーとしているなどの副作用が極めて強く、何度も主治医に減薬をお願いしても、「飲みなさい。飲まないなら入院だ。」と言われるだけであった。

さすがに家族が見ていられず転院してきた。

家族に必要なこと受診したときには既に自分たちで勉強しゆっくりと時

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