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【コロナ実験】コロナ渦で2000人以上の観客でコンサート!?実験Restart-19[ライプツィヒ]

ドイツの街ライプツィヒでは、2020年8月22日に新型コロナウイルスとの共存を視野に入れた未来のイベントのあり方を検証する実験が行われました。PCR検査で陰性だった参加者2000人以上を観客にコンサート会場内での接触率などを調べるため、3パターンのコンサート形式をシミュレーションし、実験が行われました。


実験プロジェクト「RESTART-19」

コンサートを再現した実験は「RESTART-19」というプロジェクトです。

RESTART-19: Risk prEdiction of indoor SporTs And cultuRe events for the Transmission of COVID-19
「COVID-19感染の屋内スポーツおよびカルチャーイベントのリスク予測」という意味のタイトルから、太文字部分を取り、「RESTART-19」と名付けられました。

この実験はハレ大学の研究プロジェクトとして行われ、参加者は応募によって集められました。参加に関して報酬はなく、移動費も自費ですが、ティム・ベンツコーというドイツのアーティストのコンサートにいわば無料で参加できるという魅力もあったようです。

参加者にはアーティストのファンのみならず、コンサートへ行くこと自体が恋しくてたまらなかった人々から、このプロジェクトの検証結果によって、イベントを行う可能性が広がって欲しいと願う参加者もいました。

カルチャーに飢えた今の状況をどうにか打破したいと考え、可能性を導き出すことは、観客のみならず、コンサートや舞台など、観客を集めてのイベントを行う主催側、また出演側など幅広いターゲットからの関心が高いと言えるでしょう。

この日、会場の入り口にはここ半年近く、仕事を半ば失っていたセキュリティー会社の働き手が入場の案内を行っていました。彼らが意欲を持って久しぶりの仕事に精を出している風景がドイツのテレビ番組で見受けることができました。

「RESTART-19」の実験内容

ライプツィヒで行われた実験は8月22日、レッドブルアリーナで2000人以上のボランティアが集まり実施されました。

ボランティアとして参加に応募した人々はPCR検査を行い、陰性だった参加者のみで行われました。ただし、やはり新型コロナウイルスの感染への恐れもあってか、予定していた推定5000人の応募には届かず、参加したのは2200人のみだったようです。

アリーナでは参加者に蛍光消毒剤が配られ、どこに触れることが多いのか、またトレーサーと呼ばれるデジタル機能が搭載された機械を首に下げるようにし、接触の多い場所の特定をするなどして、検証されたようです。

コンサートの際は全員がマスクを装着し、PCR検査で陰性ではあったものの、念には念を衛生面には最善の注意を払われていたようです。

この実験は3パターンを想定したコンサート形式を再現し、実際にアーティストであるティム・ベンツコーが楽曲を披露しました。その3パターンというのは、まず最初にコロナ以前に行われていた同様の状況でのコンサート、次に衛生面を少し改善し、入場と観客同士の距離にも余裕を持ったパターン、そして最後に観客同士の距離を1,5mに定め、衛生面により気を使ったパターンで行われました。

それぞれ段階を踏んで、コロナ以前のイベントのあり方から最も注意を払った開催形式までに、中間のシチュエーションもいれて計3パターンを実践しましたが、この結果が出るのはプロジェクト実施から約6週間後と言われています。(9月下旬予定)

どのような結果が得られるのかによって、今後のウィズコロナ渦でのイベントのあり方が見えてくることが期待されます。


参考記事:

Restart.de

mdr: "FORSCHUNGSPROJEKT RESTART-19 SUCHT NOCH PROBANDEN"



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