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【ドイツ】アプリルヴェター、4月の天気って知ってる?

ベルリンの天気 2020年の4月は春一色

春の訪れと共に晴れの日が続いたドイツ各地ですが、最近は雨が時折降っています。4月のベルリンはほとんど雨が降りませんでした。春らしい暖かい日が続き、外出制限はあれど太陽の陽を求め、外に散歩に出かけたり公園で過ごしたりする人も多くみられました。

日本の6月は梅雨 梅雨はドイツにない その代わり...?

日本には6月の梅雨の時期がありますが、実はドイツには梅雨という概念がありません。その代わり、4月の天気は変わりやすく雨と晴れ間が交互に訪れることが多い国です。そのため、雨と晴れ間が短時間の中、交互に来る日は"Aprilwetter"(読み:アプリルヴェター)、(意味:April=4月、Wetter=天気)と呼びます。日本語に直訳すれば「4月天気」となります。

しかし今年の4月はアプリルヴェターと呼べるほど天気に変化はありませんでした。4月の後半数日は雨が振り出し、5月に入った今ではこの「アプリルヴェター」特有の雨と晴れ間が交互に来る天気がやってきました。

アプリルヴェター「4月の天気」とは?

そもそもアプリルヴェターとは何を指すのでしょうか。
アプリルヴェターと言うのは、主に4月によく起こるコロコロと変わる天気模様を指します。移り変わる天気は雨やひょうが降り、その合間に晴れるような天気です。気温も激しく変化します。農家にとっては、この天気による被害を恐れるため、把握しておきたい時期でもあります。

天気予報でも使われる「4月の天気」

5月の天気予報を伝えるウェブサイトでも「5月に4月の天気」と、一見不思議に思えてしまうタイトルがつけられています。

4月縛りなネーミングがついてしまったせいで「アプリルヴェター」を知らない人は困惑するかもしれませんね。しかし口語ではこのアプリルヴェターの代わりに"launisch"(読み:ラウニシュ)と言う言葉で天気を形容します。この "launisch" には、「気まぐれな」「移り気な」「不機嫌な」などと言った意味があります。

「所変われば品変わる」

日本のことわざには「所変われば品変わる」と言うことわざがあります。これは、土地によって風習や習慣が違うことや、同じ物でも土地が変わると名前や用途も変わるということを指します。

同じように天気や季節につけられる異名のような言葉が世界中どこにでもあるのかもしれません。5月の日本で「今日は4月の天気だね」と言っても何を言っているのか伝わりませんよね。コロコロ変わる天気、といえばいいものの...慣れ親しんだ言葉を使うのは皆同じかもしれません。

実は日本語でも、コロコロ変わる天気のことを別の言い方で指すことがあるようです。「女心と秋の空」や「男心と秋の空」と言う言葉があるのですが、日本では春ではなく秋に天気の移り変わりが激しいことが分かりますね。

何気なく言っている言葉がその地特有のものだったりするかもしれません。そんな言葉を見つけるのも新たな発見になり、好きな場所をより好きに、知っていたはずの自分の故郷をもっと知れることにつながるかもしれません。

まとめ

ドイツには直訳すれば「4月の天気」と称される天気があります。コロコロ変わる天気を指しますが、日本では「女心と秋の空」や「男心と秋の空」と言って、秋の変わりやすい天気を指すことがあります。

住む場所によって風習や習慣が違うように気候が違うことは、もちろんわかっていても意識しないところでもその土地特有の言葉に出会えます。

仕事や飲み会がリモート化されている今、少し離れた友人と天気の話で盛り上がることも、ただのスモールトークとは違った角度で楽しめるかもしれませんね。


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