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父上との思い出

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今は亡き最愛の父が登場するnoteをまとめてみました。
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2022年6月の記事一覧

父上を捜せ!

父上を捜せ!

午前8:55くらいだったと思います。

洗濯機を回しつつ一階に掃除機をかけようとしていると、85歳の父上が「信金と郵便局に行ってくる」と言い残し、一人で出掛けて行きました。

掃除機をかけ洗濯物を干し終えて居間に戻ると、母上が「お父さんがまだ帰って来ない」と言うので、時計を確認すると9:50を回っていました。

信金と郵便局をハシゴしたとしても、さすがに1時間はかかり過ぎだろうと心配になり、様子を

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ぽち袋

ぽち袋

私が「ぽち袋」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、お年玉。

ほんの気持ちとか、何かのお礼とか、立て替えてもらってたお金をお返しする時などにも使いますけども。

でも最たる用途は、なんたってお年玉ですよ、ええ。

私には中3になる姪っ子がいるのですが、数年前の年始に母親(私の姉)と共に、我が家に挨拶に来てくれたのですよ。

事前に家族会議を開き、お年玉の額を決め、用意しておいたぽち袋を両親と兄上にも

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新型コロナウイルス感染症で逝った父と私たち家族が直面したこと

新型コロナウイルス感染症で逝った父と私たち家族が直面したこと

新型コロナウイルス感染症。

日本でも、徐々にマスクを外せる状態になりつつあります。

感染しても軽症、あるいは無症状で済む方も少なくありません。

けれど。

もしも大切な家族や親類、友人が感染し、重症化したら…。

父を亡くした私は、とても後悔しています。

(同じような思いを、もう誰にもしてほしくない)

父が新型コロナウイルス感染症に罹患し、小さくなって自宅に帰ってくるまでの経緯を、時系列

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ヤケドの痕を見るたび思うこと

ヤケドの痕を見るたび思うこと

生後11ヶ月の時、左の二の腕にヤケドをしまして。

もちろん、その時の記憶は全くないのですが。

両親がちょっと目を離した隙に、淹れたて熱々のコーヒーを自らひっくり返してかぶっちゃた、という。

尋常ではない私の泣き声が居間から聞こえてきて、母上は「コーヒーだ!」とすぐに察したそうです。

手当てをしてくれたお医者先生からは

「年頃になれば、痕も消えますから大丈夫ですよ」

と言われたらしいので

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