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人工知能を理解する上で必要になる技術

一朝富貴(いっちょうのふうき)
→ 急に富貴な身分になること。

物事を理解したときに、人間は急に偉くなった気がするものだ。

それは決して悪いことではなく、むしろ成長する過程では必要なもので、自分を褒めることでモチベーションを上げることは大切だ。

注意したいのは、その表現方法だろう。

過度に自慢したり、他人の同意を得ようとする自己承認欲求が強すぎると急に価値が下がる。

それを理解した上で、学習と実践をくり返すことをオススメする。

ということで、前回書いたAIに怯える人、AIを受け入れる人が好評だったので、AIについてもう少し深く書いておこう。

AI(人工知能)の歴史

AIは人類の希望が故に、その歴史は1956年まで遡る。

起源はートマス大学の数学の教授であったジョン・マッカーシーが、人間のように考える機械を人工知能と名付けたことにあるとされる。

そして、1950年代後半から1960年代に第一次AIブームが起こる。

推論という人間の思考過程を記号で表現し実行しようとすること、検索という目的となる条件や答えを解き方のパターンをパターン化して探し出すことがメインの技術だ。

イメージして欲しいのは、パズルや簡単なゲームを解くといったものだ。

明確なルールがある場合、高い性能を発揮して大いに期待されたのだが、複雑な問題を解くことはできなかった。

その問題をトイ・プロブレム(おもちゃの問題)と呼び、第一次AIブームは終焉を迎えた。


その後、1980年代に第二次AIブームが起こる。

AIに専門的な知識をルールとして教え込み、問題解決させようとするエキスパートシステムの研究が進展したことが特徴だ。

このエキスパートシステムの研究のおかげで医療診断などのビジネス展開が期待された。

ただ、膨大な知識のインプットや例外や矛盾に対応できなかったことで、第二次AIブームもまたひっそりと終焉を迎えた。


第三次AIブームは、2000年代からまさに今の時代だ。

その原動力がディープラーニング(深層学習)である。

AIの中核技術は機械学習と呼ばれるもので、コンピュータが大量のデータを学習し、分類や予測を自動的に構築する技術のことをいう。

この機械学習は、従来は人間が特徴量を定義して分類や予測の精度を上げていた。

特徴量とは、コンピュータが学習するときに識別できる特性のことだ。

例えば、赤信号と青信号を識別するときは色が特徴量となる。

従来、この指定を人間がしなければいけなかったのが、ディープラーニングにより、自動で特徴量が抽出できるようになったということだ。

人工知能を理解する上で必要になる技術

第一次AIブームから現在の第三次AIブームに至るまで、人工知能を理解する上で必要になる技術は3つだ。

1)機械学習
2)ニューラルネットワーク
3)ディープラーニング(深層学習)

機械学習

重複するが、コンピュータが大量のデータを学習し、分類や予測を自動的に構築する技術のことだ。

現在のAI(人工知能)の中核技術はここにある。

第一次AIブームから機械学習は行われていたが、コンピュータの性能の向上やビッグデータの活用ができるようになった現在、実用化が進んでいる。

それから、機械学習の手法は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3種類にわかれる。

第三次ブームのきっかけになったディープラーニングも機械学習の技術の1つだということだ。

ニューラルネットワーク

脳の神経回路の一部を真似したモデルと定義される。

簡単いうと、脳を模した技術なので、脳の構造を理解しなければニューラルネットワークの技術を理解することはできない。

人間の脳を構成する神経細胞はニューロンと呼ばれる。

そのニューロンは電気信号で情報を伝達する。

その情報伝達の速度は、ニューロンとニューロンの結合部であるシナプスの結合強度によって変わる。

この構造を技術化したものが、ニューラルネットワークということである。

ニューラルネットワークは、データを入力する入力層、データを出力する出力層、入力層から流れてくる重みを処理する隠れ層から構成される。

ディープラーニング(深層学習)

ディープラーニングとは、ニューラルネットワークの隠れ層を複数にすることで、特徴量をコンピューターが判断する手法のことだ。

人間の脳のシナプスにあたる結合部である隠れ層を複数にすることで、従来の人の手がかからなくなったのが最大のポイントだ。

つまり、勝手に特徴量をコンピュータが判断してくれるのだ。

特徴量とは識別できる特性のことだったことを思い出そう。

赤信号と青信号を見分けるときは色が特性となるという概念が特徴量だ。

AI(人工知能)の構成まとめ

ここまで書けば、一定の理解はできたはずだ。

大きくまとめると、全体にAI(人工知能)という概念がある。

その中核技術が機械学習。

機械学習の中にニューラルネットワークとディープラーニング(深層学習)がある。

そして、ニューラルネットワークとディープラーニングは一部、隠れ層の部分が重複している。

AI = 機械学習(ニューラルネットワーク + ディープラーニング)

この公式を覚えておくといいだろう。

なぜAIを学ぶ必要があるのか?

こちらも何度も重複しているが、stakの企画開発から運営まで手がけている身としては、IoTとAIは切り離せない関係にある。

テクノロジーの進化は止められない。

よくわからないからという、しょーもない理由で受け入れを拒否することは、思考停止に繋がる。

受け入れることで拡がる世界があって、人々を豊かにしてきたのはテクノロジーの進化のおかげだ。

当然、弊害もあるだろうが、全てを良い方向に持っていくことはできないから、全体を見渡したときにやるべきことを判断するために理解するマインドを持つことを訴えている。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。