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【2022年版】旅行業界の動向と観光消費動向調査

山光水色(さんこうすいしょく)
→ 山・海・川・湖などの山水の景色。

日本は自然が豊かな国だということは、多くの日本人が理解していることだと思う。

けれども、その自然が豊かだということだけで観光資源になると思っている人は案外少ない。

こんな自然は日本中のどこにでもあると思うのは、日本に住み慣れている日本人の感覚なのである。

ただただ自然が豊かということも実は外国人からすると、希少価値の高いものだと思った方がいい。

ということで、日本でもようやく観光客だと思われる外国人を見かけることが多くなっている、2022年12月現在の旅行業界の動向と観光消費動向調査について、取りまとめてみよう。

2019年の世界のインバウンド動向

新型コロナウイルスの影響で世界中の観光業界が大ダメージを受けていることは周知の事実だ。

それでは、そんな新型コロナウイルスによるパンデミックが起きる前の2019年の世界のインバウンド動向はどんなものだったのか、改めて振り返ってみよう。

2019年:外国人旅行者受入数ランキング

  1. フランス:8,932万人

  2. スペイン:8,351万人

  3. アメリカ:7,926万人

  4. 中国:6,573万人

  5. イタリア:6,451万人

  6. トルコ:5,119万人

  7. メキシコ:4,502万人

  8. タイ:3,992万人

  9. ドイツ:3,956万人

  10. イギリス:3,942万人

日本は、初めて3,000万人以上の外国人旅行者を受け入れたことで話題になったが、順位は第12位で3,188万人という結果だった。

また、外国人旅行者を受け入れることも観光業界では重要だが、実際にどれくらい消費をしてくれたのかも重要な指数となる。

2019年:国際観光収入ランキング

  1. アメリカ:1,933億USドル

  2. スペイン:797億USドル

  3. フランス:638億USドル

  4. タイ:605億USドル

  5. イギリス:527億USドル

  6. イタリア:496億USドル

  7. 日本:461億USドル

  8. オーストラリア:457億USドル

  9. ドイツ:416億USドル

  10. マカオ:401億USドル

こうやって見ると、アメリカが収入ランキングでは圧倒的な第1位を獲得していることが理解できる。

そして、日本も第7位と善戦しており、外国人旅行者の消費が比較的高い国だといえるだろう。

2020年の世界の観光の動向

2019年は絶好調だといえる成績を残せた日本の観光業界だったが、その直後に新型コロナウイルスが猛威をふるうと、あっという間に状況が一変した。

国連世界観光機関(UNWTO)によると、2020年の国際観光客は前年比10億7,200万人減の3億9,400万人ということで、前年比73.1%減となった 。

また、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、2020年は旅行および観光業が世界のGDPに占めるシェアが約10.4%から約5.5%に半減した。

その影響もあった、観光関連産業従事者は6,200万人近くの約18.5%減の雇用が減少した。

市場の損失額に至っては、1兆3,000億ドル(約139兆円)と、2009年のリーマン・ショックに記録した損失額の約11倍となる、過去最大の下落を記録したのである。

日本に注目すると、2020年の訪日外国人旅行者数は412万人で前年比87.1%減で、訪日外国人旅行消費額は7,446億円で前年比84.5%減と、まさに壊滅的な年となった。

参考までにホテルや旅館の客室稼働率を見ると、2019年は62.7%だったのが、2020年は34.6%と急激に落ち込んだ。

2021年の世界の観光の動向

それから1年後の2021年の世界の観光の動向を見ても相変わらず低迷が続いている。

わかりやすく日本に注目すると、2021年の訪日外国人旅行客数は、かなり落ち込んだ2020年の前年比40.4%減の245万人とさらに大きく落ち込んだ。

新型コロナウイルスがパンデミックを起こす前の2019年と比較すると、2021年の訪日外国人数は92%減となった。

2020年は新型コロナウイルスの世界的な流行に伴う、各国の渡航制限の影響により、訪日外国人客数は大幅に減少したことは誰もが理解できるだろう。

これに伴い、訪日外国人旅行者や日本人の海外旅行者数も大幅に減少し、旅行業界は甚大な被害を受けたのも上述したとおりだ。

そして、2021年にも各国の渡航制限は続いており、訪日外国人旅行者数は2年連続減少となった。

つまり、新型コロナウイルスのパンデミックが起きる前に好調に増加していたインバウンド需要は事実上蒸発したと考えていい。

旅行業界、観光業界において海外旅行が壊滅状態の中、国内旅行への需要喚起は期待されている。

実際、2021年秋には経済再開の動きも見られ、国内の旅行消費は増加している。

2022年の4月〜5月においても感染者数の減少から、国内旅行の消費が大きく伸びた。

新型コロナウイルスによる影響も最悪期を脱したとの見方が強く、今後の回復と躍進に期待値が高くなっている。

2021年〜2022年の旅行業界売上TOP5

ということで、2021年〜2022年の大手旅行会社の売上を見てみると、5社中4社が前年比で増収を記録している。

大幅に減少した2020〜2021年から若干の回復を見せていて、TOP5の業績は下記のとおりだ。

  1. JTB:5,823億円(増収)

  2. KNT-CTホールディングス:1,399億円(増収)

  3. エイチ・アイ・エス:1,185億円(減収)

  4. 日本旅行:1,080億円(増収)

  5. 東武鉄道:749億円(増収)

  6. 阪急阪神HD:601億円(増収)

  7. 日本航空:458億円(減収)

  8. ANA HD:321億円(減収)

  9. JR東海ツアーズ:297億円(減収)

  10. 名古屋鉄道:258億円(増収)

まだまだ復活の兆しがほんの少し見えてきた程度だが、2022年は入国制限の引き上げも行われたので、一気に回復していく可能性がある。

2020年〜2022年の外国人旅行者の動向

日本政府観光局によると、2022年9月の訪日外客数の推計は206,500人で、新型コロナウイルスによる影響が出る前の2020年1月と比較すると92.2%の減少となっている。

訪日外国人旅行者数は新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年1月から大幅に減少しているわけだが、その後も低空飛行が続いている。

一方で、2022年からは入国者数の上限の引き上げにより若干の増加が見られるようになった。

2020年4月以降、外国人の日本旅行、日本人の海外旅行は壊滅状態が続いていたのが、2022年10月11日にようやく大きなきっかけが生まれた。

1日5万人としていた訪日外国人の入国上限を撤廃し、ビザなし個人旅行が再開されたのである。

外国人に手間のかかるビザ取得を求めており、これが訪日旅行を妨げる要因となっていた。

ところが、そんなビザが免除されたことで多くの外国人が訪日する機会が増えており、旅行業界、観光業界にとっては大きな追い風となっている。

2020年から2022年の国内旅行者の動向

日本国内にも目を向けると、日本政府観光局によると、2022年9月の国内旅行者数は2,625万人で、国内旅行の消費額は1兆5,365億円だった。

新型コロナウイルスの感染拡大や縮小により旅行者数は大きく上下しているのだが、直近の動向では2021年の9月〜12月、2022年の4月〜5月に国内の旅行需要が大きく伸びている。

いずれもコロナの感染が縮小し経済再開が見られた時期だったのだが、2022年10月11日からは政府の観光復興策の全国旅行支援が開始されている。

外国人旅行者のビザの免除と併せて、一気に旅行業界、観光業界が回復していく兆しが見えている状況だ。

まとめ

stak, Inc. は広島に拠点を置いており、私は月の半分くらいは東京での生活をしている。

一時期は本当に広島空港も羽田空港も人がおらず、駐車場もガラガラだった。

外国人はおろか、日本人すら見かけることがほとんどない状況もザラだったし、宿泊しているホテルもガラガラで料金も壊滅的に安価だった。

それはそれで私にとっては恩恵があったともいえるのだが、やはり経済面を考えたときにはダメだ。

それが本当に回復しているのを実感するのが、飛行機の乗客に外国人も増えたし、空港にも外国人、日本人のいずれも新型コロナウイルスのパンデミック前くらいになってきている。

2022年の12月は忘年会も多くあったし、年末年始は帰省するという人の声も増えた。

2023年は明るい年になりそうな気がしており、stak, Inc. もしっかりとその流れに乗っていこうと気合いが入っているところだ。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。