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あばら屋とスマートホームの違い

上漏下湿(じょうろうかしゅう)
→ あばら屋のこと。

恥ずかしながら、初めて「あばら屋」という言葉を聞いた。

すっかりお馴染みのChatGPTに国語の先生になってもらい、その意味を教えてもらうとこのように答えてくれた。

あばら屋は日本語の成句で、貧しい、簡素でみすぼらしい家や部屋を指す言葉です。
この言葉は主に人が住むための建物が簡素な材料で作られ、頑丈さや快適さが欠けている状況を描写するために使用されます。
その名前は、骨格がむき出しであることから来ていて、それは建物が裸の、あるいは骨格だけの状態を指す比喩です。
具体例としては、例えば、古い昔話や文学作品で貧しいキャラクターが住む家を表現する際に、「あばら屋」が使われることがあります。
また、現代社会でも、家具が少なく、壁が薄く、設備がほとんどないようなアパートや部屋を「あばら屋」と形容することがあります。例えば、「彼は都心の高い家賃に耐えられず、あばら屋で暮らしている」といった具体的な文脈で使うことができます。

なるほど、優秀だ。

ついでに、上漏下湿についても聞いてみた。

上漏下湿は日本の古語で、文字通りに訳すと、上は漏れ、下は湿っているという意味です。
この表現は家屋の状態が非常に悪いことを表し、そのため、「あばら屋」を指すのに使われることもあります。
つまり、上漏下湿の家は、屋根が雨漏りし、床は湿っているという、非常に住みづらい家を意味します。
したがって、上漏下湿はあばら屋の状態を詳しく表現するための1つのフレーズと言えます。
つまり、「上漏下湿のあばら屋」などと使われることで、あばら屋がどのような状態であるかを詳しく描写することができます。
具体的な例としては、「彼は上漏下湿のあばら屋で暮らしている」という表現があります。
これは、「彼は屋根が雨漏りし、床が湿っている貧しい家で生活している」という意味になります。

臆することなく端的に言うと、ボロ屋のことだ。

ただ、そこには様々なストーリーがあっての結果であって、そこに対しての良し悪しには個の感情が大きく当てはまる。

なにが言いたいのかというと、ボロ屋だという表現をした瞬間に、世の中にはそういう人もいるから、そんな表現をしてはいけないという批判する人が現れるというわけだ。

でも、私は上漏下湿をボロ屋だと批判しているわけではない。

一言でわかりやすく表現した際にはこれがいいと思っての判断をしたわけで、地方には上漏下湿がたくさんある。

人口が減っていくことで、腐ちていく家がたくさんあって、それをボロ屋だと言っているに過ぎない。

住みにくい家と住みやすい家の差

stakという、ちょっと便利な電球を世の中に生み出すことを決めてから、スマートホームというワードと幾度も向き合ってきた。

私がこの領域に興味を持ったのは、ワクワクする未来を生み出せる人になりたかったからだ。

そんな私が考える住みやすい家の典型がいわゆるスマートホームだった。

ハイテクという言葉がピッタリな家で、物理的なモノを極力なくすシンプルな構造だ。

具体的には、今まさに進んでいる家のスマート化をイメージしてもらいたいのだが、スマートロック、スマートリモコン、音声操作といったテクノロジーは基本中の基本だ。

究極は、なにもしなくても自分が思ったとおりの過ごしやすい空間が自動的に生み出させることだ。

暑いなと感じただけで勝手に快適な室温まで下がったり、映画を見たいと思ったら勝手に魅せてくれたり、なにか食べたいなと思ったら勝手にデリバリーをしてくれたりといった具合いだ。

家に帰った瞬間にそのときの感情を察知して、その感情に合った音楽が流れてストレスの軽減をしてくれたり、トイレで健康管理が維持できたりというのもいくらでも想像ができる。

こういうことを考えるだけで私はワクワクしてしまうし、幼い頃に見たマンガやアニメの世界での未来の世界を自分が生きている間に少しでも体感したいとずっと思っている。

なにが言いたいのかというと、ドラえもんの世界を少しでも味わいたいといえば伝わるのではないだろうか。

そして、なぜそんな世界がまだ訪れていないのか、憤りに似た感情も持ってしまうということだ。

ただ、そこについては結論が出ている。

それは、私が住みやすいと勝手に思っている家の姿は、他の人からしたら別に住みやすい家ではないからだ。

スマートホームが進まない理由

スマートホームと一言に表現しても、興味がない人や携わったことのない人からするとかなり抽象的な概念のはずだ。

stakの開発を始めた当初、私はこのことすら気づいていなかった。

というのも、人には俯瞰で見ることの重要性や大局を見ることを説くくせに、テクノロジーの部分にだけ目が行ってしまっていた。

つまり、勝手に興奮して周りが見えていなかったのだが、多くの人はスマートホームに興味がない。

なぜそうなのかも答えは出ているが、せっかくなのでスマートホームの概念について書いておこう。

スマートホームとは?

ホームオートメーション、つまり家庭内の様々なシステムやデバイスを自動化する技術を利用して、生活をより便利で快適にし、エネルギー効率を改善する家を指す。

具体的には、照明、暖房・冷房、エンターテイメントシステム、セキュリティ、家電製品など、様々なデバイスやシステムが互いに接続され、自動化される。

そして、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを通じてリモートで制御することが可能になる。

このスマートホームのコンセプト自体は、20世紀の初めから科学者や作家によって想像されてきたが、スマートホーム技術は1990年代から2000年代初頭にかけて本格的に発展した。

その理由は、この時期にインターネットの普及、無線通信技術の進化、モバイルデバイスの登場したからである。

家庭内のデバイスをリモートで制御したり、複数のデバイスを連携させたりする技術が実現可能となったわけだ。

例えば、AmazonのAlexaやGoogle AssistantなどのAIアシスタントは、音声コマンドにより家庭内のデバイスを制御する能力を提供している。

さらに近年では、AI(人工知能)やIoTの進化により、スマートホームはより洗練されたものになりつつある。

IoTデバイスは家庭内のさまざまなシステムとデバイスを連携させ、自動化をさらに進めているというのが現状だ。

ここまで書けば、便利だと思ってくれる人が大半だろう。

忘れてはいけないので、スマートホームがいまいち普及しない理由を述べておく。

それは、今まさに必要なものではないからだ。

あったら便利だよねという位置づけのものは、ただの贅沢品であって喫緊の課題解決には必要ない。

多くの人は目の前の課題を解決するのに精一杯で、合理的に考えることができない。

このギャップがスマートホームがいまいち普及していない最大の理由だ。

スゴいとかいいねと感じることと、それを生活に落とし込んでいくということは全くレイヤーが違うということだ。

まとめ

とはいえ、あばら屋をスマートホームに変えていくという情熱が失われているわけではない。

そこには時間がかかることも十分に理解しているし、アプローチを常に変えていかなければいけないことも把握している。

最低限やり続けないといけないことは、しつこくスマートホームを提唱していくことだ。

当然、stakも諦めずに拡めていくし、その手法は幾度も変えてきた。

新たなスタンスで2023年の下半期に仕掛けも始めているので、そちらは乞うご期待といったところだが、劇的に変化することはないということを主張しておこう。

つまり、気がついたらあばら屋やスマートホームになっているというタイミングがどこかで来るということだ。

わかりやすい例を挙げると、スマートフォンだろう。

スマートフォンといえば、AppleのiPhoneが世界で初めて登場させたと思っている人が多い。

それは、スティーブ・ジョブズのカリスマ的なプレゼンのイメージが強いからだろう。

でも、実際に世界で初めてスマートフォンと呼ばれるデバイスを発表したのは、1994年のIBM(International Business Machines Corporation)だ。

その名は「IBM Simon Personal Communicator」だった。

IBM Simonは通話はもちろん、電子メールの送受信、カレンダーやアドレス帳の管理、時計、電卓などの機能を提供した。

これらの機能は、現在のスマートフォンが持つ基本的な機能と一致していることが理解できるだろう。

つまり、IBM Simonはスマートフォンの先駆けだったわけだが、ほとんどの人は知らない。

スマートフォンという言葉が広く一般に認識されるようになったのは、2000年代初頭になってからだ。

この頃にPalm, BlackBerry, Nokiaなどの企業がPDA(Personal Digital Assistant)と携帯電話の機能を融合させたデバイスを発売し始めたからだ。

そして、2007年にAppleがiPhoneを発表したのがキャズムを超えるきっかけとなり、スマートフォンの時代が本格的に始まった。

ただ、そんなスマートフォンが世の中に拡がるなど誰も思っていなかったというか、批判的に見ている人が大半だった。

それが20年経たずして、今やどうだろう。

気がついたら老若男女の必須のデバイスになっている。

要するに、スマートホームもその流れを踏襲すると主張している。

既にありとあらゆるデバイスが登場しているのだが、世の中のスタンダードにはなっていない。

けれども、1つのきっかけで一気に世の中のスタンダードになる可能性があるというわけだ。

あわよくば、stakがそのポジションを取れればいいと思っている。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。