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代表の著作「不登校そうだんしつ」より

子どもが部屋から出てこないのは、部屋の外が”安全安心”ではないからです。
逆にいえば、せめて安全安心を感じられる唯一の場所が自分の部屋なのだというサインです。
家族のいるリビングが安全安心ならリビングまでは出られるわけです。
心のケガとはそういうもの。
自分の意思うんぬんよりも、ダメなものはダメなのです。
自分の部屋の居心地が良いというよりも、誰とも接しない環境が安全安心と解釈したほうがいいでしょう。
「いや、私は何も怒ったりしていません」と言われるかもしれませんが、過去に負った心のケガが治るまでには、そのケガに応じた時間が必要です。
そして時間と共に必要となるキーワードが安全安心です。
どうしても安全安心を感じるまでにいたらなければ、子どもにとっては人と会わないほうが安全安心なわけです。
また自分に自信が持てない状態の子が多いため、親の態度がどうであれ、やはり人と会うことに強い抵抗を示すケースは多いです。
そのような子の胸の内を言葉にするならば「もうこれ以上、傷つきたくない」といったところでしょうか。
しかし思春期の子は気持ちを言葉にはできません。
ひきこもる、人と会わない、これが精一杯に発している気持ちのサインなのです。
だから必要なのは、とにかく安全安心を感じてもらうことに尽きます。
家族と話せる子であれば「家族以外も安全安心」だとわかってもらうことに尽きます。
無理やり学校へ行かせるつもりはない、お説教をするつもりもない、根掘り葉掘り何かを聞くこともないし、今の生活を否定するつもりもない、ということを言葉ではなく態度で伝えるのみです。

決して会いたくないのではありません。
安全安心だと分かれば、だんだんと外へ出られるようになります。
時間はかかるかもしれませんが、心のケガは回復に向かうでしょう。
粘り強く優しさを与えていきましょう。

〇不登校生の保護者さま向け LINE公式アカウント
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〇代表の著書『不登校そうだんしつ』
https://abe-futoukou.jp/book2/

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