#4 良い物を良いと言いたい。正直な広告と素直な人が大好きだ。
早口言葉みたいなタイトル。
『良い物を良いと言いたい』
これを別の言い方にすると、もちろん『言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON』になる。
そう、GTOの主題歌になった反町隆史さんのPOISONだ。
ご承知の通り、POISONとは英語で毒という意味だ。確かに言いたい事が言えない状況ってめちゃくちゃ心に毒。世の中毒だらけで、居酒屋でぶちまけられる愚痴はWithコロナの今どこにいったのやら。そういう意味でNoteに日々の思考をアウトプットする事は自分にとってとても有意義だ。高頻度で投稿しているが特に苦を感じる事はない。
これが、PV数を増やす為にもっと最近流行りのテーマにしようと考えたり、わざと過激な文章を書こうなんて自分以上の自分をやっていると続かないだろう。
ただそうも言っていられないのが営業や広告、接客業の方達。自分の手元にある商品を目の前の人に深く、そして多くの人に伝えていく為にあらゆる手を使う必要がある。
データサイエンティストや優秀なプログラマーにアパレルの店員をやらせてみたらどうなるだろうか。だらだらと商品説明ばかりしゃべって、肝心のぽっちゃり体系のお客さんにはお世辞でも似合っているとは伝えそうにない。まず先に店員の服装がダサいと思われる可能性もある。少なくとも私のまわりの出来るプログラマーは服装がダサい。(ごめんなさい)
その点、プロは違う。
営業マンは好感度の高まる身なりをし、偉そうな客への傾聴力は抜群、お世辞の使うタイミングも長年の経験でバッチリ。相手の懐に入るプロだ。広告では凄腕の映像ディレクターにお金を払えばコンテンツの魅力を引き出し、ちょっと盛っているかなと思いながらも、多くの人に素晴らしさを伝えてくれる動画が出来上がる。
非常に関心する。私にはできそうにない。是非、素晴らしいコンテンツと、素晴らしい商品を世に広めてほしい。
考えてみると私はお世辞があまり得意ではない。自分がそんな気質だからか、お世辞を言う接客も好みではないし、とにかく率直な意見を言える営業マン、素直なマーケターが大好きだ。
ある時、私が採点を伴う大会のイベントディレクションを行う事になった際、採点結果の自動集計システム導入を考えた。Excelに手打ちで行う入力作業には人的ミスがつきものだからだ。いくつかの会社に連絡した所、WordPressを使用して可能だと言われた会社と話をしてみる事にした。
するとどうだろう。できる上司感満載の30代後半の方が、一通りうちで行う作業内容を確認した上で、
「うちだとこれくらいの費用が掛かります。作業内容と照らし合わせると微妙かも知れませんね。」
「何でもシステムを入れたらいいかと言うとそうでは有りませんから。」
何て言い出して粘る事も無く営業が終了した。
こいつは何てCOOLな奴だ!
と、私は思った。
いや、そんな営業は相手方の社長が見ていたら怒るかも知れないし、実際に勧められてシステムを導入したかも怪しい。けれど、少なくとも俺にとって最高の営業マンだった。相手にとって要らない物を押し売りしない姿勢が抜群にCOOLだ。何より、その営業マンの心にPOISONは感じなかった。
要りもしない、必要だと思ってもいない商品をねちねち売りつける保険屋、証券マンは本人達の精神がゴリゴリと削られる。心が疲弊してしまう。
友人でも何人か潰れてしまった。
何をそんな子供みたいな事を言っている。使って頂いて、喜んで貰えたらそれで良い!大事なのは売り上げだ!と聞こえてくる。
確かに。結局、何が良いかは買い手が決める。詐欺まがいの謳い文句で宣伝し、どんな価格で売りつけようが相手が喜んでいるのなら問題ない。
これは私の個人的な好き嫌いだろう。
正直さと素直さが大好きでしょーがない。
素直さのいい所はそこにお互いの合意が生まれやすい事だ。
私はガリガリ君が60円から70円に値上げを踏み切った際のCMが大好きだ。
『25年間踏ん張りましたが、60→70』
これはここまで値上げせずに企業努力されてきた赤城乳業さんあってこそのCMだが、この正直さは値上げする事に売り手も買い手も納得する。企業、個人問わず努力と素直さは味方を生む。
事実、値上げした2016年4月の販売本数は逆に前年比より伸びたのだ。
素直さがなく、まやかしで売りつけた商品。上に数字を取って来いと言われ売ってみたものの、後になってクレームが入った時に上は責任を取ってくれるのだろうか?
自分が乗っている車を紹介し、自分が使ったものを勧める方が凄く自然で気持ちがいい。責任も取れる。そう思うと口コミは最強だ。信頼できる人を見つけさえすればいいし、紹介する側も適当な事は言えない責任が生まれる。
(匿名の口コミサイトは全く別物。急に口コミの良さが半減する。)
インフルエンサーマーケティングは新しい口コミだ。だからこそ、マーケターはろくに動画も見ずにキャスティングをしてはならない。インフルエンサーの得意ジャンルをしっかりと見極めないと、企業・インフルエンサー・ファン、誰も得をしないからだ。
広告業界と営業が人とサービス、人とモノのミスマッチを減らすのに必要な事は素直さと責任感なのかもしれない。少なくとも私は素直な人が好きだし、自分も言いたい事を言う。
お前はどうなのだと聞かれたら、ごめんなさいというしかないが、
善良で、責任感を持った正直者は無敵だ。
最後にPOISONの歌詞で私が好きな箇所を紹介して終わりにしよう。
言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON
素直な気持ちから目をそらしたくない
言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON
俺は俺をだますことなく生きてゆく OH OH
まっすぐ向きあう現実に
誇りを持つために
戦う事も必要なのさ
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