長谷川 大悟

長谷川 大悟

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平和のかけら#3 スーサイドパラドクス ボイスドラマ版

国際テロ組織のアジトを見つけたCIAのエージェント、レナしかし彼女はあと一歩の所で奴らにつかまってしまう。逃げなければと頭では考えていくがどんどん失われていく体力、遠のいていく意識の中、自分を閉じ込めていた鉄の扉がゆっくりと開いた。 

    • 平和のかけら#3 スーサイド パラドクス

       鉄の扉が勢いよく閉まった。何もない部屋にはその金属の音はよく響く。手錠を掛けられた両手首には細い痣が痛々しく浮き上がっている。 「はぁ、ようやく終わったか……」 アラビア語かなんかで情報を吐けと怒鳴られるがもう喉も枯れて自分の名前すら言う気になれない。 静かな室内には両手に括り付けている手錠と鎖の擦れ合う音が鼓膜を伝う。  捕まってから二週間かそこら、十分な水はおろか新鮮な空気すら吸えていない。狭い個室の中自分の血や汗で湿った空気が嫌というほど肺に入ってくる。極度の脱水症状

      • 平和のかけら#2 セレクション オブ ワンダラー ボイスドラマ版

        人員削減で突如クビを言い渡されたナオミ。無職になり散歩しかやる気が起こらなかった。気分転換で裏路地へ足を進めるとそこにはスタッフ募集のポスターが貼られた一店。彼女は躊躇なく店のドアに手を掛けた。  仕事内容は保釈金を滞納している奴らを捕まえる。聞いた事も無かった仕事へとナオミは進んでいく事へとなった

        • 平和のかけら#2 ワンダラーオブセレクション

          1 「仕事はもう慣れた?」  スレンダーは助手席に座っているナオミに唐突に話を振った。 「今聞く事ですか?」  ナオミはバツが悪そうに彼女へ返す。 「そりゃあ、70マイル超える運転なんて久しぶりだからさ」 「前向いてください!」 ハイウェイではない一般道で時速70マイルを超えて運転している中、スレンダーは少し口角を上げ笑みを浮かべている。彼女の言う通り、たしかに久しぶりだ。できるだけ穏便に仕事が済めば楽な事、この上無い。しかし、多くない車を避けて自分たちの車を走らせるこの疾

        平和のかけら#3 スーサイドパラドクス ボイスドラマ版

        平和のかけら#3 スーサイドパラドクス ボイスドラマ版

          平和のかけら#1 クライシスキーパー ボイスドラマ版

          特殊部隊を目指している新人警察官デリル巡査。早く活躍し階級を上げたいが、どうも相方のシュミット巡査部長はどうもやる気がなくこれでは自分の昇進にも関わってくる。  ある日の昼中、速度を超過した車を追いかけ運転手を捕まえる。そいつはテロの協力者だった。急にオフィスへやってくるCIAのエージェント、捜査を共同で行うためのFBIの捜査官。   デリルは今までの事件よりもハードな事件へと巻き込まれていく。

          平和のかけら#1 クライシスキーパー ボイスドラマ版

          平和のかけら#1 クライシスキーパー ボイスドラマ版

          平和のかけら#1 クライシス・キーパー

          「全然イメージが湧かないですよ」 「何だよ、デリル。藪から棒に……」 「出身は海兵隊なんでしたよね」 「ああ、そうだとも海兵魂は永遠だ」 州境の片面三車線の大通りはいつもよりも車通りが少なく車内にいる二人の雑談に花が咲いていた。  彼の言葉からは嘘をついているとは考えられなかったが、まったく想像できなかった。ブートキャンプで怒鳴られ、しごかれているイメージしか湧いてこない。鬼教官にゴムボールとでもあだ名がつけられていたのではないかと想像を膨らませる。今度写真でも見せ

          平和のかけら#1 クライシス・キーパー