ADHDにマインドフルネス瞑想をお勧めする理由



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こんばんは。今日は発達障害者に対してマインドフルネス瞑想がもしかすると薬物療法より長期的な効果があるかもしれないという話をする。

ちなみによく遭遇したのは、真のADHD(過剰診断の風潮を考慮し、敢えて「真の」と書いた)がストラテラやインチュニブ、コンサータといった抗ADHD薬を飲んでも「変わらない」もしくは「最初は効いていたのに徐々に効果がわからなくなった」「薬を増量しても効かない」「眠気や吐き気などの副作用が強烈で内服が継続できない」という患者さん。

自分が初めてストラテラを内服した翌日の朝は、脳内はおろか寝室全体まで「シーン・・・」と静まり返り、完全な無音状態。ウユニ塩湖に一人でいるようで思わず自分の耳を疑った。

そして効果が出始める2~3週間後には、電話が終わってもぼーっとせず電話の前にしていた作業に脳を切り替える(戻る)ことが出来るようになっていた。

しかししばらくすると内服すること自体に飽きた。効果がわからなくなった。まあそこまで困っていなかったのかもしれない。客観的には不注意によるミスが非常に多いのだが、それがデフォルトだったために困っていることすら気づかないというか。別に薬を飲む手間を毎日かけるくらいならいつも通りでいいやというか。(あくまでも私の場合)

こういった薬物療法に効果を示さない患者さんや、発達障害らしさに困っているが治療に至ってはいない人たちは特に、もちろん薬物療法をしている患者さんも含め、というか人間誰しも発達障害の要素を持っているので全人類に効果があると考えている。

私は今後マインドフルネス瞑想を指導していくために、現在進行形で指導を受けている。

2週間に1回のセッションでのやりとりを重ね、日常生活にマインドフルネス瞑想を取り入れていくうちに、自分のADHD、ASDの特性の中で日常生活を困難にさせている部分が大分緩和されたように思う。

ただ闇雲にマインドフルネス瞑想をするのではなく、「こういった効果がある」と理解しながら取り組むのとでは全く効果が違う。要は思い込み。人生は自分の思い込んだ、信じた通りに現実を創造していく。効果を信じて瞑想を続けていくと、経験した人にしか分からない体感が得られるだろう。

では今から

ADHDがマインドフルネス瞑想をするとどうなるのか

を述べる。

人間の意識状態はマインドフル状態と変性意識状態に分けられる。


(他の分け方もあるが、こちらではこの分け方が重要。)
マインドフル状態:何にも囚われず、心を「今」「ここ」でいっぱいにし、目の前の状態をあるがままに観る。=気づき=無意識を意識化している状態。
変性意識状態:自信のなさ、不安、焦り、他人の目、過去の後悔、未来の不安など何かに囚われている状態。

私たちは過去、未来、他人の目等、「不安」に囚われて今ここから意識が離れている時に苦しみを感じる傾向にある。終わったことをいつまでも後悔したり嘆いたり、どうなるか分からない先のことをいつまでも不安に思ったり。

その囚われを手放し、今ここの空間、状況、自分の身体、自分の思考、感情、行動に気づく。自分の無意識を意識化する。「あ、今囚われていた」「あ、今集中できていなかった」と気づき、目の前の状態に心をいっぱいにする。これがマインドフルな状態である。心に余裕ができ、本当の意味で心と身体が整う。

ADHDは不注意、多動、衝動を代表とする特性がある。


集中力が続かずミスを繰り返す、時間に追われると時間で頭がいっぱいになり集中できなくなる、段取りが立てられず何からすればいいかわからない、感情の揺れをコントロールできず苦しむ、忘れっぽい、落ち着きがない、衝動的に言ってはいけないことを言ってしまったり、お腹(身体)はいっぱいなのに脳がもっと食べたいと衝動的に食べ物を買ったり、興味がないと待てない、面白そうと思って見始めた動画も面白くなる前に待てずに消す(冒頭で先に結果を知りたい方は飛ばしてと言ったのはそのような人のための配慮でもあります。)すぐイライラして手を出したり・・・。

この状態は全て何かに囚われている状態だ。


・集中力が続かない、人の話を聞いていないように見える、忘れ物が多かったり忘れっぽい→意識が今ここにおらずどこか別のところに持って行かれている。
・段取りが立てられない→頭の中がごちゃごちゃになっているところを客観視できず整理できていない。
・衝動的→「待てない」「食べてしまおう」「イライラ」という囚われで頭がいっぱいになり、「待つ」という選択肢がない。自分を冷静に客観視できていない。
・落ち着きがない→目に見えない心の囚われが行動や身体に表れている。
・感情の揺れが大きい→不安等囚われが激しく戻ってこれない。

マインドフルネス瞑想をすることで、自分の行動、身体、感情を客観視し、コントロールできるようになる可能性がある。

以下、自分が実践し感じた効果を示す。

・自分が今囚われて集中できていないことに気づける。
・自分が何に囚われて集中できていないのかに気づける。
・囚われを手放す練習になる。
・衝動的になりそうなとき、一旦立ち止まるので「待つ」という選択肢が増える。
・人と心から話せるから、勝手にその場に適した言葉が出てくる。
・最終目的を見失わず最適な優先順位をつけれる。
・ジャッジせずありのままの自分を受け入れるため自信がつく。

私は、優先順位をつけることが苦手で衝動性もあいまって、すぐに「今やりたいこと」をしてしまい「やるべきこと」を先延ばしする傾向にあった。8時半の新幹線に乗らないといけないのに8時からジムに行こうとしたり、お腹がいっぱいなのに欲に負け食べたいものを片っ端から購入し食べたり。
しかし、マインドフルネス瞑想を続けていくうちに、食べ物に頭がいっぱい囚われていても、「ちょっと待て、今本当にお腹が空いているのか?ここでまた買ったらまたダイエットという成功体験が生まれず、悪循環になってしまわないか」と立ち止まり、囚われを手放し、買わないという選択肢を選ぶことができた。

つまり、衝動的にアクションを起こす前に一旦立ち止まり、「する」一択だったのが、「するかしないか」という2つの選択肢になった。そして建設的に行動することを選べるようになったのだ。


殺人も同じである。殺人を犯す人は、「怒り」「恨み」という感情に囚われている。おそらく殺人者がマインドフルネス瞑想をしていたならば、囚われを手放し、「殺る」一択から「殺らない」という選択肢が増え、立ち止まり、建設的に考えることが出来たように思う。

ADHDの人は特に、瞑想は苦手だからできないとすぐに諦める傾向にある。


「思考がたくさん出てきて瞑想にならない」と。でもそれでいい。というかそれがいい。何故かというと、マインドフルネス瞑想を上達すればするほど、「気づく」ことができるようになるからだ。つまり、湧き上がる思考に気づくことが増える。人間は1日、1.2~6万回も思考している。思考は湧き上がって当然である。むしろ、思考が全然出てこなくなったと感じているならば、それは意識がぶっ飛んでいる(ゾーン)深い変性意識状態に入っている可能性がある。思考は出てきていいし気づいてまた呼吸に戻すことでさらに心の筋トレになる。

瞑想は本番ではなく、本番であるのは人生そのもの(日常生活)。瞑想は本番をよりよりものにするための練習。うまくいかなくても当たり前。瞑想はジャッジしないことが大切であるが故、うまく出来なくてもそこに評価を加えないことも練習の一環である。


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