超有料級【人間関係における無意識を意識化し悪循環を断ち切る理論】〜後編〜



前回のおさらい。


人間関係が壊れかけている時にお互い素直で円滑なコミュニケーションができるように戻すためには
・悪循環に気づく。
・悪循環に気づいた側の人間がまず自分を変える。
・行動だけを変えるのではなく、自分の無意識にある信念から変える。
・なぜなら我々はそれぞれの信念に従って無意識に行動しているから。
・そしてその信念は自律神経の状態によって流動的に変化している。
・我々の自律神経が、外界の状況環境や自分の身体感覚から安全・危険・生命の危機という3種類のうちどれかの合図を受け取り脳へ送る。
・脳に送られた合図はその人独自の信念に変換され、それが言動として表出される。(例えば、「危険」と言う合図が脳に送られると「私は愛されない」「どうせこの人は浮気する」「どうせこの人は私を見捨てる」といった信念を持ち、それが言動に表出される。)
・その表出された言動は相手にも同じ種類の合図として伝わり、相手も同じ種類の合図としてこちらに伝えるため悪循環を招く。
・だから円滑なコミュニケーションをしたければ、まず相手に「安全」の合図を送る。
・そのためには自分がまず「安全」と感じる必要がある。

ということで後編は、

自分が「安全」の合図を感じるためにはどうすれば良いのか

を示す。
今回は、相談内容が恋愛だったので恋愛で考える。普通の人間関係にも当て嵌めることは可能。

安全の合図を感じるためには、「信念(セルフイメージ)を変える」ことだ。

なぜなら自分の無意識下にある信念が現実を作るから。それが無意識レベルで言動に表出され相手にちゃんと伝わるから。

例えば、「自分は愛されて当然の人間だ」というセルフイメージをもってみる。いや、思えなくてもいい。てか思えないからこそ悩んでいるんだろと思うかもしれないけど、思えなくても良いからすでにそのような人間として振る舞うのだ。なんでも先に行動ありき。

では、愛されて当然の人間だと思っている人はどんな行動を取る?

一つは、「私は愛されて当然なので、そうやって傷つくことをする人と一緒にいることはもう辞めよう。」と覚悟する。(でも本当に傷ついてもう無理!な状態にならないと難しいかもしれない。)でもこの覚悟ができたら、実は努力なしに「安全」と感じられるようになるのだ。何故なら自分に対して慈しみの気持ちを持ち、傷つことを辞めようと心から覚悟している自分の状態は、すでに安全であるからだ。覚悟したんだから保身に走る必要もない。

ちなみに「相手が私を傷つかせてくる!」と一方的に思うのは間違い。自分の行いによって自分が傷つく選択肢をとっているだけだから。

覚悟ができる人とできない人の違いは何か?それは結果を手放したらどうせうまくいくということを潜在的に理解しているかどうかの違い。結果を手放すことと、結果に囚われることは真逆。

で、前回のおさらいだが、苦しみ=囚われ→悪循環を引き起こす。この世は悪循環か良循環しかない。この構図を頭に入れておけば、あなたは幸せな状態がいいのか、苦しんだ状態がいいのかと考えた時に、幸せになりたいのなら結果を手放す方が良いと言うことが潜在的に理解できる。潜在的に理解できたなら、努力なしに覚悟できる。これまでどれだけ自分の手によって自分を傷つかせる選択肢をとってきたか振り返ると良い。


また、私は愛されて当然の人間ならば、他にどんな行動を取るだろうか。
もう一つは、不安にならずつまり保身や攻撃をせず相手に素直な自分の意見を言うだろう。

相手とどうなろうがどうでもいい、とにかく自分を傷つけるようなことはしないと覚悟(これも信念)を決めて結果を手放し、安全の合図を自分自身の状態を変化させることで受け取ったなら、いままで「私は浮気される人間だ」という信念で保身に走っていた状態から→本当に「私は愛される人間だ」という信念に変わり、それが行動にも現れ、相手にちゃんと素直な意見が何の意図もなく言えるようになる。意図がないことがポイント。阿吽の呼吸はここから生まれる。


この過程において知っておいて損はない情報を提供する。



1. 「ない」ではなく「ある」に注目する。〜網様体賦活系〜

よく、彼が前までしてくれていたのにしてくれなくなったこと=「ない」に注目するより、してくれた行動=「ある」に注目しましょう。と言いますね。
これは網様体賦活系、通称RASというものを考えると分かりやすい。RASは、人間の意識の覚醒維持に関与している。我々の脳には毎秒4億bitの情報が入力してくる。これは原子力発電所が発電できるくらいのエネルギーになるらしい。

ただ、そんなに情報を受け取るとエネルギーが枯渇し寝てしまう。だからRASは4億bitの情報を2000bitまで減らしてくれるフィルターの役割をしているのだ。
じゃあどんなフィルターか?それは自分の信念や興味関心に沿った情報を厳選するフィルターだ。

例えば、妻が妊娠したら街中に妊婦が増える。という現象。それは、旦那が「妊婦」を意識するようになったからだ。

ゾロ目を見るとさらにゾロ目を見るようになる現象。これは、ゾロ目を見ると良いことが起こるという思い込みがあり、ゾロ目を意識するようになったからだ。RASがゾロ目以外の情報をカットする。+良いことが起こりたいから、ゾロ目を見ている期間はどんな悪い出来事に対しても「この出来事は自分にとって意味があったんだー!」と良い意味づけをする。そしてどんな出来事に対して良い意味づけをするから、更にゾロ目を見たくなるのでRASがゾロ目以外の情報をカットする。

という具合に、興味関心・自分の信念に基づいて、我々が受け取る情報にRASがフィルターをかけて厳選してくれているのだが、 当然悪いことも引き寄せる。

つまり、「こんな私は愛されない」のようにそういうセルフイメージ・信念があると、その信念にあった情報ばかりを探し出そうとする。悪循環の始まりだ。エゴサもそう。もう一度言う。お前は苦しみ=囚われた状態でいたいのか?それとも幸せを感じていたいのか?あ、自分にも言ってます。

常に自ら悪循環の原因になる情報を拾って爆死しないようにするためにも、このRASという概念は知っておいたほうが良い。不安になっている時、脳の仕組みRASを思い出して。苦しみを作り出しているのは自分であることに気づけ。本当はどうかなのかとか関係ない。妄想と観た現実をわけろ。まず自分の状態ありき。それで状況は変わるから。

ということで、彼の「ある」に注目すると、やはりまた信念も変わり、自分の言動で相手の言動も変わる。
彼は愛してくれているのに、こちらの言動で愛が見えなくなってしまっただけ。相手の気持ちを分かろうとしていなかったのはこちらもまた同じなのだ。

2.人間関係は崩壊と修正を繰り返す

これも知っておいた方が良い。崩壊したらもう崩壊だ、終わりだ。と考えないようにする。つまり長期的に考える。交感神経が活性化すると一点集中しちゃって短期的にしか物事考えられなくなるだろう?うつ病とかなんでも、精神科で診てきた病初期の患者さんに、長期的に考えられる人は断言するが見たことがない。みんな交感神経か、背側迷走神経が活性化している。

だけど、失敗してそんなにすぐ相手に嫌われたことがあるか?あったとしてもあなたがその時長期的な考え方で行動しなかったからではないか?

循環を作り出したのは自分だということを考えれば、人間関係で崩壊を経験したとしても、相手に攻撃、保身せず、自ら修正していくスタンスを取ることができる。心の扉のドアノブは内側にしかない。

3.内側から湧いてくる感謝は、ただの感謝とは全然違う

人間関係崩壊真っ只中のときに、この状況でどうやって相手に感謝しろと?と思うかもしれない。その場合は、さっきも言ったように「ある」に感謝する。また、「貴方のおかげで自分の人間関係の在り方に気づき、在り方を変える訓練になった。」と思う。そしたら勝手に感謝できる。

よく感謝しましょう。っていうけど、ただただ「ありがとう」と馬鹿みたいに言っても意味がない。そんなもの紛い物の感謝だ。
でも↑のように考えると、内側から勝手に感謝が湧いてくる。そして保身も攻撃もなしに、「じゃあ相手のために何がお返しできるか、何を私は相手に与えられるか」と考えることが出来るようになる。→良循環。ポイントは、相手のおかげで何を自分は学べたかに着目すること

4.安全である感覚を思い出す。身体の感覚を感じ切る。

いくら、覚悟をして信念を変えたからと言って、じゃあ常にその状態でいれるかといったらそうでもない。またなんらかのきっかけでふと不安になる。悪いセルフイメージに容易に変わる。
そのくらい、「自分はダメだ」という信念(思い込み)を形成するに至った出来事=トラウマは、潜在意識の中に記憶される根強いものだ。
だからコミュニケーション中、失敗、成功、失敗、成功を繰り返す。でも、7何度崩壊してもまた修復できる!」と、相手を長期的に付き合ってくれるものだと信頼する。宇宙を信頼する。

トラウマからの回復は、収縮、拡張を繰り返していきながら、だんだん良くなっていくのだ。それをペンデュレーションという。

 ペンデュレーションのイメージ
『身体に閉じ込められたトラウマ』 ピーター・A・ラヴィーン より


で、その潜在意識の中に記憶されたトラウマの記憶(=情動記憶)は、「手続き記憶」として記憶される。

記憶には
・顕在記憶:意識したら普通に思い出せる記憶
      意味記憶、エピソード記憶
・潜在意識:潜在意識の中にしまわれた記憶
      情動記憶、手続き記憶

がある。
情動記憶とは、強い情動を伴った記憶。トラウマになる。
手続き記憶とは、歯磨きの仕方や、自転車の乗り方、切符の買い方など意識しなくても無意識に身体が覚えている記憶。


トラウマになった情動記憶は、手続き記憶として身体が勝手に覚えて習慣・癖になっている。トラウマによって「どうせ自分は何をしてもだめだ」「どうせ自分は浮気される、見捨てられる」みたいな信念が形成され、人間関係において同じパターンを繰り返してしまうのも、もう習慣みたいなものだ。手続き記憶、言い換えると身体が覚えてしまっているのだ。やっかいなことに。慣れ親しんでるのでまた同じ状況を引き寄せる。DV男を何度も引き寄せるのも同じことだ。

だから、トラウマ(=未完了な思い)を完了させるためには、身体の防衛反応を完了させるのだ。
心と身体は繋がっているので身体の感覚を感じきれば、心の辛かった思いも完了する。

不安になったり安全になったり、人間関係でしんどい思いをしている人は、安全である状況の感覚を忘れないようにして欲しい。

またあの状況に自分で戻ることができると、自信を持つ。そして不安になった時は一度身体の感覚に意識を全集中させ、身体のどこに不安を感じているかbody scanする。そして感じ切る。ドキドキしてたらそこに意識を全集中させ、感じ切る。そうすると、安全の感覚が戻ってくる。自分にもちゃんと力があり、自分の力で安全に戻れたという感覚を持つ。これはいつも言っているマインドフルネス瞑想とやっていることは同じである。

だからマインドフルネス瞑想は本当に凄い‼️






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