ノンバイナリーとイギリスの性教育 宇多田ヒカルさんのカミングアウト

去年、1人の日本人女性のインスタライブが話題に上がりました。
歌手の宇多田ヒカルさんが、劇場版アニメ「エヴァンゲリオン」で知られる滝野英明監督との対談で「ノンバイナリー」と告白したのです。

これが契機となり、性的少数者を紹介するウェブメディア「パレットーク」ではノンバイナリーを紹介する記事がアップされました。

しかし日本では性教育が遅れているのもあり、彼女の告白を聞いてもピンとこなかった人も多かったのではないでしょうか。

今回はノンバイナリーという用語や彼女が住むイギリスの性教育について詳しくご紹介します。

指向ではなく価値観

①Xジェンダーとの違い

ノンバイナリーの類義語として「Xジェンダー」があります。
Xジェンダーは日本独自の造語で、海外では第三の性と言われます。
大まかに中性・無性・両性があり、認識は個人差があり一概に言えません。

前座として3種類の詳細を説明します。
・中性…自身を男女の中間地点にいると認識する人
・両性…自身を男女両方の側面を持つと認識する人
・無性…自身を男女の枠には属さないと考える人

これらが主なXジェンダーの定義ですが、彼らの特徴は「日によって自認する性が異なる」こと。

私の場合は、Xジェンダーの中でも無性です。
今日は男の気持ちと女の気持ちが半々だな、
今日は完全に男だけど女子らしい服を見ると嬉しいな、

などが該当します。

性自認はあくまで「自己認識」にしかすぎません。
「自分はこうだけどどう?」というアピールで、価値観はその延長線上にあると考えてもらったほうが自然です。

②ノンバイナリーって何?

さて、宇多田ヒカルさんがカミングアウトしたこの用語。
日本で出る機会はまずないので、初耳の人が多いはずです。

ノンバイナリーとは個人の性自認や性的指向に関係なく
物事を「男女という性別で判断しない人」、「性別という枠にとらわれず、全体としてどうか?と見る人」をあらわす語です。

「女だから足を閉じなさい」、「男だからスラックスを着なさい」などのジェンダーバイアスは、彼らの個性を殺してしまう1つの偏見なのです。

100人いれば100通りのセクシュアリティがあるので、カミングアウトされても本人の個性や特性を否定せずにゆっくりと受け入れてあげましょう。


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