改革の成否を分ける4要因
行政改革が話題になってる昨今なのでまとめてみます。
普段仕事をしている中でも、
プロジェクトのうまくいかない部分、組織の問題点、など、改革が必要と思うシーンは結構あります。
わたしも大小様々な改革を行ってきましたが、その成否を分けることになる、大きな要因が4つあると考えています。
【結論】
1.改革の規模に伴う推進側と抵抗側の戦力差を考慮しているか
2.改革を成し遂げたあとの運用を考慮しているか
3.改革の目的や手段を定期的に検証できているか
4.推進側に改革を妨げる人間が混ざっていないか
【1.改革の規模に伴う、推進側と抵抗側の戦力差を考慮しているか】
改革を考えつくとき、一番目立つのは一番大きな問題で、それを一発で解決するための案をだすパターンはよく見ます。
例えば、 意思決定プロセスが全て複数段階あるため、意思決定が遅いから改善しよう など、よくあると思います。
そこで、改革の1手目として、
プロセス省略して直接の担当者と最終責任者を直接つないで行うようにしよう!
という大幅な改革アクションを起こす場合、ほぼ失敗します。
なぜかというと、戦力差を見誤っているからです。
動作している仕組みがあるということは、
・この仕組みから利益を得る人がいる
(決定権を持つことによる地位や権力 など)
・他の仕組みよりコストが低いなど実利益がある
(担当と直接つなぐことによる管理コスト<プロセスを複数にすることのコスト など)
などがあるため、当然改革抵抗側が存在します。
推進側と抵抗側が対立することになり、地位や権力や実績、人間関係など様々な要素を考慮した戦力で戦うことになります。
改革の規模が大きければ大きいほど、抵抗側の戦力は大きくなることから、推進側の戦力を超えてしまうパターンが起きて、結果失敗します。
なので、改革を成功させたいなら、抵抗側が少ない小さなところから着手していくのが重要です。
着手するのは、仕組みの変更策だけでなく、抵抗側を推進側に取り込むための策なども含みます。
【2.改革を成し遂げたあとの運用を考慮しているか】
改革成功後は、新たな仕組みを使っていくことになります。
新たな学習コストがかかります。
改革を考える場合には、「最低1年間は運用すること」を前提として考えるのが良いです。
1,2ヶ月くらいなら無茶な設計でも個々人の努力で動作しますが、年単位になってくると個人の努力でカバーできなくなります。
あらかじめ年単位での運用を考えていれば、それが起こるリスクが抑えられます。
仕組みはそれ自体が自立して動作するのではなく、それを使う人間がいて初めて動作するものなので、この部分の考慮は大事です。
完璧に運用できれば理想のシステム、だが、誰も運用できないためそのまま破棄、みたいなパターンは結構あります。
改革に費やしたコストやその過程で起きたトラブルによる社内外の環境の悪化、などマイナス面だけ残って組織やプロジェクトが弱体化する、ということが起こるため、運用面はしっかり考える必要があります。
【3.改革の目的や手段を定期的に検証できているか】
改革は一朝一夕ではならず、数ヶ月から数年間の取り組みとなってきます。
社内の人材や組織構成の変化や、取り巻くビジネス環境の変化などが起きます。
当初立てていた改革の目的や達成のための手段が実は最適ではないパターンがでてきます。
そうなったときに、変化に伴って目的や手段を見直しに失敗すると、改革が頓挫したり実現しても目的が達成できず、結果として失敗となります。
そのため、改革を進める場合には、常に環境の変化に意識を向け、目的と手段が適切かの見直しをしましょう。
場合によってはもとの仕組みのままが適切な環境になることもあるので、その場合はそれを受け入れて改革をやめる、というのも大事です。
【4.推進側に改革を妨げる人間が混ざっていないか】
組織の規模や改革が大きくなればなるほど、抵抗側からのスパイ、とかそういう規模の話もあるでしょうが、 それよりも容易に混ざりやすいのが、 「改革=正義」と思い込み、自分を悪に立ち向かうヒーローのような気持ちで取り組むタイプです。
わたしの行為は正義なのだから全員が理解し、推進するのが当然、みたいな態度で動きだし、推進側を混乱に貶めて、抵抗側を勢いづけます。 結果、改革は失敗します。
改革は、「あくまでも業務上の必要性から進めているもの」という点を繰り返し周知し、こういう人間が興味を持ったり、こういう思想に変わる人間がでないようにコントロールしていく必要があります。
【最後に】
改革は意図的に対立を生み出す部分があるため、どうしても消耗します。
それでもやる必要があると感じたら、これらのことを考慮して、かならず成功させるようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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