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私に出会えてよかった


2022年1月から参加していたTABIPPOのコミュニティ、POOLO3期が9月で終了した。
職場と家の狭い社会の中で生きてきた私が、POOLOで個性が光る素敵な人達と出会う中で自分を見つめ、海外初一人旅をするに至った。


1 POOLO前の私


POOLOの広告を見つけた時は特別支援学校教員6年目の時。

子どもに毎日唾を吹きかけられ、全身引っ掻かれたり噛まれたりして怪我やアザが絶えない日常。

なかなかハードな学級で、教室で大人の注目を惹くために排便をして壁につけたり、全裸で叫び続けたり、机やいす、給食では皿や食材が宙を飛び交っていた。慣れてしまうと、きゅうりが目の前を横切っても「無」になれる。

また、衝動的に教室を飛び出す子や、頭を打ちつける子、ホコリでも何でも口に入れてしまう子、友達に攻撃する子達がいて、圧倒的に大人の手が足りない中で、子ども達の安全を確保するため気を張り続けた。

たまに子どもと心が通じた瞬間があると、向き合っている自分へのご褒美をもらえたようで嬉しいし、毎日が予想外の連続で「そうきたか~!」と笑ってしまう。全力で表現してくる彼らの姿は、嵐のようでもあり、花火のようにとても眩しくもあった。
ただ、1人1人にもっと向き合いたいと思っても、手が足りなすぎてキャパオーバー。

そんな生活で平日ものすごくエネルギーを消耗している分、旅したい気力がすっかりなくなってしまっていた。インドアな休日を過ごしていると、たまたまインスタの広告でPOOLOを知る。

海外は数ヵ国しか行ったことがないが、旅は私にとって凝り固まった思考をほぐしてくれて、生きていることに感謝できる大切な手段。

仕事や同期の死別でうつになり、自分の最後の景色がよぎるくらい疲弊していた時に、宮古島を一人旅して救われた経験がある。

うつ症状も改善してきたし、家と職場を往復して休日はダラダラ家ですごす日々を変えたい。
内心人が怖くて不安でいっぱいだけど、リハビリの意味も込めて参加を決意した。

2 自分が迷子

POOLOに参加して、自己ビジョンや自分にとっての豊かさを考える時間があった。ひたすら困った。自分のことが全くわからなかったから。

私は自分に自信がなく、子どもや同僚など常に相手の心情を察して相手に応じた行動をしてきた。そして自分の感情や思いをマンホールかの如く重い扉で押さえつけていた。

だからPOOLOの自己ビジョンの課題に加えて、ノートに書き出すセルフコーチングやコーチングを学び、自分を知ることに時間を費やした。

ノートには、自分の考えや感情を書いて自分の声を聞き続けた。
それは今までしてこなかった、自分に愛情を与えることだった。

3 私の価値

HSP気質や家庭・職場環境から、気疲れしやすく自分を責めがちだった私。本気で自分に価値なんてないと思っていた。

そのことをある方に伝えると、「担当している支援学校の子たちは価値があると思う?」と聞かれた。私は食い気味で「もちろん!」と返答。

なぜなら彼らは私に感情を与えてくれるし、とびきりの笑顔を向けてくれる。人と関わる面白さなど大切なことに気づかせてくれる。
私の周りに価値がない人など一人もいない。

そう伝えると「あなたも同じよね。」と言われてハッとした。
私が子どもたちを思うように、自分も周囲の大人の愛情を受けて成長したはず。自分に価値がないなんて、関わってくれた人たちに失礼だ。
そして子どもたちに感じたように、自分の行動や発言で、他者に何かしらの感情を与える存在であったはず。
だから私は存在しているだけでとても価値があるのだ。
他人に対して思っていないことは、自分に対しても思っていけないのだ。

それに気づいて以降、学級の子ども達に愛情を注ぐように、自分にも「さすが!」や「最高!」などの言葉を掛けられるようになった。

私の1番の味方は私になった。

3 全部が泣きそうな程嬉しい

POOLOで得た気づきや学び

POOLOでは色んなイベントがあった。実はイベントに参加することが、卒業式の最後の最後までずっと怖かった。過去の経験から、一歩踏み出すことにとても労力を使った。

だからこそ、話しかけてくれたり存在を認識してくれるだけで泣くほど嬉しかった。

数人で夜コンビニに行き、アイスを買って一緒に食べているだけで、心から今生きていて良かったと思えた。

Slackに投稿したらスタンプをもらえた、話せた、笑ってくれた…どんな些細なことでもとても幸せで、1人じんわり心が暖かくなっていた。

改めて3期のみなさん、出会ってくれて本当にありがとう。話したことがない人もいると思うが、同じコミュニティにいた全員から私は影響を受けている。

4 北欧に行ってみた

8月、2週間北欧へ行くことにした。
主な理由は3つ。

①POOLOメンバーの旅の話を聞くうちに海外へのハードルが下がり、一人旅に挑戦したくなった。

②自分を振り返るうちに、人格形成の時期に学校教育が大きな影響を与えていると気づく。幸せに生きるためにはどんな教育や大人の関わりが必要なのか知りたい。幸福度が高い北欧の教育や価値観を知りたい。

③自分の幸せと周りの障害のある人たちの幸せを考えたい。

以上から、デンマークとフィンランドの教育と自然のスタディプログラムに1週間参加し、残り1週間はオランダで海外初一人旅をすることに決めた。

したこと、訪れた場所

対話をとても重視しているデンマークの、惹かれた価値観を一部分だけ紹介する。

・他者ができることをあなたがする必要はないし、それで自分を卑下する必要もない。あなたができることをあなたができる方法で還元すればいい。

・私とあなたは違う。1人1人が単体のカテゴリーで分けられている。つまりみんな特別な存在。みんな違うという前提があるから、対話を大切にする。そして意見が違うことを同意する。

フィンランドの湖畔にあるコテージのベランダで、外が暗くなるのを感じながらみんなとぽつりぽつり話す、そんな毎晩がHyggeだったし、海外初一人旅は五感が冴えてすべてが刺激的だった。

星空が広がるまでひたすら自然に身を委ねた

自分の幸せのキーワードは「対話」だと感じたし、「障害者の幸せ」と括るのはそもそも違うことが分かった。なぜならみんなが特別だから。

これまで自分は特別支援教育専門の教員というより、「私は担任している〇〇さんや〇〇くんの専門家だ」と認識していたが、それでよかったのだとも思わせてくれた。

5 これからのビジョン


これからも色んな経験をして、色んな人に出会い、下のビジョンのようなありたい自分に向かっていきたい。そんな思いでPOOLO4期にも参加することに決めた。

今の私のビジョン

POOLO3期は本来の私に出会えて、私なりに光った9ヵ月だった。

前に進む一歩が軽くなったよ。

みなさん、これからもどうぞよろしくね。


あたしに会えて良かった
やっと自由になった
涙も輝き始めた

藤井風「grace」


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