身体があるから大丈夫。私がいるから大丈夫。
新卒で看護師として就職した病院をきっちり2年で辞めた私は、その後すぐにカナダはトロントへ一年間ワーキングホリデーに行っていたことがあります。
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九州のど田舎に生まれ、まだ県外にも住んだことがない、そんな当時の私にとって海外移住(一年間と短期でしたが)は、かなり勇気のいる行為でした。まず英語も話せない。誰一人知り合いがなく、友人や家族ともしばらく会えない。仕事も辞めた。もう本当にまっさらになって、未知の場所に身一つで飛び込む経験。
だからせめて、向こうで住む場所はギャップの少ない落ち着きのある場所がいい!ということで、当初はビクトリアというカナダ西部の温暖で庭園や公園が多い場所を渡加先に考えていました。
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一人娘の海外移住に大反対だった父は、私がそれについて話し出すと不機嫌な顔に無反応。それでも私はなんとか説得したくて渡加のことを小出し小出しに、不機嫌な顔をされながらも話していました。
そんな一方通行のある日、今日もどうせ不機嫌で無視かなw と思いながら「緑があって落ち着いていそうだからビクトリアというところに行こうと思う」と言うと、
「どうせ行くなら大都会に行きなさい。田舎から田舎に行ってどうするんだ!」
と。
びっくらぽん、、!!
鶴の一声で、ど田舎の小娘はカナダ最大都市、トロントへ行くことになりました。
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海外移住。
英語が話せない。
誰も知り合いがいない。
そして “大都会”というさらなる重圧を背負った私は、
渡加前日、成田空港近辺ホテルにて、しばらく食べられないだろう明太子おにぎりとどん兵衛を食べながら、
あることを心に決めました。
「鏡を見れば、私がいるから大丈夫。」
ということです。
すごく強い意思をもって自分に伝えました。決めて伝えました。
鏡を見たらちゃんと自分がいる。
動く身体がある。
意思を持つことのできる身体がある。
そう思ったらなんだか “大丈夫”な気がしてきました。
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そしていよいよカナダに渡ると、本当にさまざまな方のサポートを頂き、順調に海外生活を始められました。ただ、それでも初めの頃はやっぱり気持ち的に寂しかったり不安になることもあり、
“鏡を見て、きちんと自分がいることを思い出す。”
ということをやっていました。そうすると、やっぱり大丈夫だと思えて少し落ち着けました。
途中、日本人の友人が出来て以降は、正直本当に心強くて、不安な気持ちで鏡を見ることはめっきりなくなりました。
不安な気持ちで鏡を見ることは無くなったけれど 、“私がいるから大丈夫”と心に決めたことは、
向こうにいる間中ずっと、ジョブハンティングや部屋探し、カナダからの各地旅行、いろんな場面において本当に心の要(かなめ)になってくれていた気がします。
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私は今、ヨガインストラクターとして、 “身体感覚を感じるヨガ” を主軸にヨガをお伝えしています。
身体の感覚をじっくり感じる。
それを丁寧にやっていくと 、
“身体自身が、身体がここにあることを確かにわかっている”ような感覚が訪れます。
私が喜んでいるような気が確かにしてくるのです。
そしていつも、
ああ、身体があったなあ。
ちゃんと私がいるなあ。
まだまだ大丈夫かも。
いつか心に決めた
「私がいるから大丈夫」
そんなことを思い出します。
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自分がここにいることが確かにわかる。
それって本当に “喜び”だと思います。
いつでも自分がいることを忘れないように
私が私に出来ること。
これからもコツコツやっていきたいと思います。
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