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歌詞の書き方でつまづいたら読んでほしい話

どうも、りえです。

最近、身を置く環境に変化があったもので
生活サイクルに変更を余儀なくされてしまいました。

なかなかnoteに向かえない状況に歯がゆさを感じつつ
本日は「言葉って大事だよな…」と思うことがあったので
歌詞の書き方についてのお話。

歌詞を書くにはどうしたらいいの?

「おはよう」と言われたら「おはよう」と返し
「バイバイ」には「バイバイ」で手を振る、なんてことは
基本的なコミュニケーションとして日常で行われていますね。

「昨日なに食べた?」とか「今日は天気がいいね」なんてことは
深く考えずとも、なんとなく会話のとっかかりとして話すことがあります。

会話となると、自分の伝えたいこと・話したいことがスムーズに出てくるのに
こと【歌詞】となると身構えてしまってなかなか書けない!
なんて悩んでいる方、意外と多くいらっしゃるようですね。

・言いたいことがうまくまとまらずに、一貫性がなくなってしまう
・書いてみても、手紙やただの文章になってしまって歌詞っぽくならない
・短いポエムは書けるけれど、フルコーラス分の歌詞は長過ぎて書けない
・何を書けばいいかわからない

以上は、「歌詞が書けないんですけど!」と相談してくる方に
よくあるお悩みのパターンです。

本日はこれらを私なりに解決していきたいと思います。

歌詞を書くにはコツがいる

歌詞が書けない!苦手だ!という方の歌詞を見させてもらうと
出だしからエンディングまでに「結局何がいいたいのか」が分からなかったり、
逆にまとまり過ぎて「同じことを違う言葉で繰り返しているだけ
だったりすることが多いように感じます。

あとは、どこかで聞いたような言葉をつなぎ合わせているだけだったり
語感だけで中身が薄かったり、というものもあります。

これ、本当にもったいない!!

というのも、私も同じようなことをやっていた時期があって
作詞家の先生方に色々コツを教えて頂いたんですよ。
そこから、歌詞の書き方も変わったし、周囲の反応も目に見えて変わりました。

では、実践の価値は十分にあると思われるコツについて
早速お話してまいりましょう。

コツ① 設定を明確にしておく

歌詞を書くときは大まかに「恋愛もの」だったり「友情モノ」だったり
「励まし系」だったりと、テーマを持たせることが多いと思います。

しかし、大まかなテーマだけだと往々にして失敗作となってしまうのです。
そうならないためには、テーマの他に
予めストーリーや細かな設定をすることが大事なのです。

例えば、一人称・二人称について。

よくあるのが、一曲の中で二人称が「きみ」になったり「あなた」になったり
呼び方がコロコロと変わってしまうパターン。
一人称が「僕」だったり「私」に変わってしまうこともありますね。

細かいように思うかもしれませんが、
一曲としての一貫性、またイメージのしやすさなどから
登場人物の呼び方はきちんと統一することをお勧めします。

他にも、季節や時間帯、男性か女性か、
過去なのか未来なのか、それとも現在か…など
一曲の中で描かれる物語に違和感が生まれないように
脚本をしっかりと設定していきます。

そして、一番大切なのは
ゴールを設定することです。

この場合のゴールとは
『相手に何を伝えたいのか、この物語(歌詞)の終着点』をさします。

ゴールを設定してあげないと、
同じようなことを言葉だけ変えて繰り返しているだけになってしまったり
結局何が言いたいのかが伝わらない歌詞になってしまいます。

最終的に『これを伝えたいからこの歌詞を書いたんだ』と言えるような
明確なゴールを設定した上で、
登場人物や物語の舞台について、しっかりとシナリオを作ってあげる。

そうすることで、一本筋の通った歌詞が出来上がるはずです。

コツ② 語尾や語順に気を配る

ひとまず書いてはみたものの、どうも歌詞っぽくならない…
という悩みをお持ちの方に試していただきたいのがこの方法です。

「歌詞っぽくない」と感じる原因の多くは
話し言葉であったり、説明文のようになってしまっていることにあります。

例えばこんな歌詞があったとしましょう。

昨日は偶然 あなたに会えて
笑顔も見れて嬉しかった

これだと歌詞というよりも、だいぶ説明文的ですね。
では、同じ言葉を使って意味を変えずに、歌詞っぽく並び替えてみましょう。

偶然見れた あなたの笑顔
会えて嬉しかった昨日は

だいぶ歌詞っぽさが出たと思いますが、どうでしょうか。

また、語尾についても

晴れ渡った空に 真っ白な雲が
ふわふわと 浮かんでいるよ

これだと普段の話し言葉を書き起こしただけですね。
ここから語尾を取ってみます。

晴れ渡った空 真っ白な雲
ふわふわ 浮かんでいるよ

語尾を接続せずに、あえて単語を言い切る形にすることで
説明感が抜けてより歌詞らしくなったのではないでしょうか。

このように、同じ言葉を使っていても
方法を少し工夫するだけで、印象は随分と変わってくるのです。

コツ③ イメージで並べてみる

短いポエムや一言ネタはあるけれど、
一曲分の歌詞となると長くてどう書けばいいか分からない…

という方も、諦めるのはもったいないです。

一文でもポエムでも、自分で生み出した言葉ならば
きっとその時の感情はあるはずです。
まずは、それらの言葉が生まれたときの感情、背景を思い出して見ましょう。

すると、いくつかの文章は似たような感情、背景のもとで生まれていたりと
共通点を持つものが見つかるはずです。
見つかったらそれらを集めて、一つの作品を作っていくことができます。

例えば、悲しい気分の時にいくつかのポエムや一言ネタを書いていたなら、
テーマは「悲しみ」に設定します。
そこから、物語の主人公を決めていきます。
作者自身か、知人の彼か、話題のドラマのヒロインを主人公にしてもいいですね。

季節はいつ頃か、時間帯は、晴れているのか雨模様か。
何に悲しんでいるのか、恋愛か友情か仕事か夢か。
そして、悲しみを通じて『何を伝えたいのか』。

ここまでイメージできたら、あとは先ほど集めたポエムや言葉たちを、
ゴールに向けてなんとなく意味が通じるような形に並べていきます。

並べる際は言葉の語順や語尾を変えてみると、
意外とスムーズにハマったりしますよ。
作業をしているうちに思い浮かんだ言葉があれば新しく書きいれたり
気に入っている言葉を繰り返し使うのも、もちろんアリです。

どうしてもテーマやゴールが定まらない、という場合は
語感だけで並べてみても面白いものができるかもしれませんね。

まずは形にとらわれず、ひとつの作品を作り上げることが大事だと思います。
はじめは思うような作品にならないかもしれませんが、
はじめから最高の作品が作れる人など居ないに等しいですから
楽しんでトライしてみることが重要ですよ。

コツ④ 心を揺らしてみる

歌詞を書きたい!と思っているものの、何を書いたらいいか分からない。
という悩みをお持ちの方も、実は意外と多くいらっしゃいます。

この場合、はじめの一歩の踏み出し方が分かればすぐに解決に向かいます。
また、スランプに陥ったときにも、この方法は非常に有効です。

私も例に漏れずスランプに陥って
何も浮かばない、何も書けない!という状況になった時、恩師に言われたのが

『書けないっていうのは、書きたいことがないってことなんだよ。
 そういう時は無理して書かなくていい。
 だけど、書くときにはたっぷり時間を使って
 ゆっくり心を揺らしてごらん。』

へえ!
書きたいことがないのか!

なんて、妙に納得したのを覚えています。
確かに、スランプだったときには心が空っぽで
歌に乗せてまで伝えたいことなんてなかったように思うのです。

とはいえ、心を揺らすというのはどうすればいいのでしょうか。

実は、特にこれ!という方法はありません。
簡単にいうと、

自分の心の内と向き合って
伝えたいと思える“何か”を今一度探してみよう

ということなのです。

言われてみれば至極当然のことなのですが、
書きたいことがないのに、書けるはずないんですよね。

まずはどんな些細なことでもいいので
「こういうこと伝えたい」という気持ちのタネを見つけましょう。
そして、見つかったら一言でもいいので、自分の言葉で表してみましょう。

それを繰り返していくと、言葉のストックが出来上がります。
ストックができたら、その次のステップとしてコツ③で紹介したように
短文やポエムをつないでいくという方法で、作品を仕上げることができるのです。

歌詞は書こうと思えば誰でも書ける

なんでもそうですが、
始めるまではどうしてもハードルが高いと感じてしまうもの。

特に芸術関係においては、やたらと近寄りがたいイメージを持っておられる場合があるように感じます。

しかし、普段からコミュニケーションが取れていて
歌詞を書いてみたい!という気持ちがあるのならば
おそらく誰でも書けると思いますよ。

これからオリジナル曲を作るのに歌詞を書くんだ!という方、
スランプで何も書けなくなっちゃった…という方。
どちらも私は通ってきた道ですが、以上の方法で今までやってこれたので
ぜひ試してみていただければ。