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サステナビリティで価値観を刺激するShift Values

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私たちの価値観に刺激を与えてくれる、サステナビリティや社会課題に取り組む様々な企業やプロダクトをご紹介します。【Shift Values】https://shiftvalues.…
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2024年9月の記事一覧

着物の保管・メンテナンス・活用を提供価値とするサービス

着物って日本人・日本の家庭にとって特殊なものですよね。 祖母・母親から譲られたり、成人式に合わせてあつらえてもらったり。 着物は、特に他のものよりストーリーが詰まっている気がします。 そんな着物は、なかなか第三者に譲ったり、処分したり出来ない気もします。 着て愉しむという機能的なものより、所有する事による繋がりのようなものに価値を感じている気がします。 そんな着物も滅多に着る機会もなく、自宅で保管し続ける事になります。 とはいえ着物は一定のスペースをとるし、虫干しとかして

廃棄をしない事で"廃棄手数料"を"売上"に変える地球に優しいビジネス

現状、企業活動をしていると「廃棄する」モノが必ず出現します。 企業のごみは、家庭のごみと違って、集積所に持っていけば持って行ってくれるわけでなく基本的には「自治体に自分で持ち込む」か「処理業者」に依頼する必要があります。 日々の事業活動のごみをいちいち自分の社員を動員して自治体に運ぶくらいなら、処理業者に頼む方が良いという事で、処理業者に頼むという事は基本的にコストがかかります。 そもそも お金を払って手に入れて 捨てる時にまたお金がかかる しかもゴミになる 冷静に考

整備済み中古スマホのマーケットプレイス

次の2つを比較した場合、どちらが欲しいでしょうか。 (同じ機種で、同じだけ使ったスマホで、販売価格は同じとします。) ① 中古のスマホの動作確認だけしたもの ② 中古のスマホを整備して品質チェックしたもの 当然の事ながら、皆さんは②を選ぶでしょう。 同じ中古のスマホなのに、②は何が嬉しいのでしょうか。 それは専門家による品質の保証というものに価値があります。 ①の場合は、お店側は買い取る際に動作確認までしますが、それ以上はしません。 ②は、動作確認の結果、整備が必要な

金属を印刷するから製造時に無駄が無い回路基板

家庭用のプリンターってインクジェットプリンターが基本ですね。 一方で、オフィスのプリンターってレーザープリンターが主流ですね。 インクジェットプリンターは、インクを紙に吹き付けて文字を書いたり、絵を描いたりします。 それを電子回路基板に応用して地球に優しい製造方法を開発した企業があります。それが、エレファンテックという名古屋の会社です。 簡単に言うと、「金属の液体を吹きかけて電子回路基盤を作る」というものです。その方法は、家庭で使っているインクジェットプリンターと同じ方

地球に優しいアウトソーシングサービスを提供する

前回「洋服を袋に詰めて送るだけでメルカリみたいな事が出来る米国のサービス」を紹介しました。 そんなThredupですが、「洋服を袋に詰めて送るだけ」のリセールサービスで、さらに地球に優しいアウトソーシングサービスを提供しています。 それは前回紹介した下記を含む業務全般を請け負うサービスを提供しちゃおうというものです。 1.検品 2.写真撮影 3.値付け 4.大事に保管 5.受注 6.発送 7.入金確認 8.支払い 例えば、アパレルブランドのGAPが、自社の商品のEC中

洋服を袋に詰めて送るだけでメルカリみたいな事が出来る米国のサービス

メルカリみたいに要らなくなったものを、 捨てるのではなく誰かに使ってもらう事は地球に優しい選択です (メルカリみたいなサービスをリセール(再販)といいます。) そんなメルカリですが、 出品する時面倒だな・・・ と思う事ないですか? 映えるように写真を撮り その画像をアップし 値段をつけて公開する その後、購入希望者と値段交渉し売買が成立する 商品を箱に詰め、コンビニまで持っていき 受け渡したら完了・・・ そんな面倒なプロセスを全てやってくれるサービスがアメリカにありま

Netflixを"地球に優しい"文脈から考えてみる

Netflixは皆さん言わずと知れた動画配信サービスです。これを"地球に優しい"文脈から考えてみようと思います。 というか、 地球に優しい文脈からNetflixが生まれたというストーリーにしてみます。 昔はご存じの通り、 VHSのビデオテープであったり、 DVDであったり、 さらにブルーレイになったり、 操作性や画質・音声の品質が向上しつつも 必ずそこにはモノが必要でした。 多くの人にドラマや映画を届ける為には、 出来だけ多くのDVDやブルーレイが必要となります。つまり

「必要ないモノは買わないで。」と大々的に謳うお店★

これはパタゴニア渋谷店で2年前に実際に提示されてたメッセージです。 最初この言葉を見た時衝撃を受けました。 沢山売れた方が嬉しいのがお店。 なのに「必要ないモノものは買わないで」。 お店にとって「嬉しい」とは何ぞやって事かなと思います。 これまでの「嬉しい」は「お金を沢山手に入れる事が出来る」なんでしょうね。だから「必要ないモノものは買わないで」とか言ったら「悲しい」結果になる。 でもパタゴニアの「嬉しい」は違う。 "本当に必要なもの買って、長く愛用してくる人が沢山増

自分で修理できるスマホ

昔のアンドロイド端末って、充電池の交換はできましたよね。 充電池の機能が低下すれば、交換すればよかった。 でもいつの間にか、裏蓋を開ける事は出来なくなり、充電がダメになったら新品を買うか、キャリアに依頼して交換してもらうしかない状況です。 でも、いつも使っているスマホを数週間預けるってのも心理的なハードルが高いですよね。自分で交換出来たら、一瞬で終わるに・・・ 一応メーカーとしては、「顧客の為」にユーザエクスペリエンスを最大にするために行き着いたのが内蔵型の充電池という

多年草の穀物で作ったビール

"炭素の固定化"って聞いた事ありますか? 地球温暖化の原因の1つとなっているのが、過剰に二酸化炭素が大気中に放出される事です。 じゃぁ、その二酸化炭素はどこからやってきて大気中に放出されたかというと、単純に考えると「大気中以外」からやってきたという事になります。 「大気中以外」っていったいどこでしょうか。 それは土の中(地中)だったり、樹木の中だったり、海の中だったりします。 それらを掘り出したり、燃やしたりするから、大気中に二酸化炭素が放出されるというわけです。

廃棄救済の仕組みが新しい顧客とのタッチポイントになる

TABETEというサービスをご存じでしょうか。 パン屋さんとか、お弁当屋さんとか、 「注文を受けてから作って販売する」じゃなくて 「販売数を予測して事前に作っておき販売する」って、 予測を間違えると、余ってしまいますよね。 その余った食品は何もしないとゴミ箱行きです。 もったいないですよね。食べられるのに食べられる人がいないから・・・ 需要に対して供給が過剰だったんですね。 じゃぁ、供給に対して需要が増えればいいわけで、 それを「欲しい人」と「販売したいお店」をマッチン

「明かり」を売るサービス

「明かり」って買ったことありますか?私は未だ無いんです。 「いや、みんな普通に買うでしょ、蛍光灯とかLEDとか」って思いますよね。 でも、蛍光灯とかLEDは、「明かり」ではなく「明かりを生み出すもの」なんですね。じゃぁ、「明かり」ってどう買うのかというと、例えば「これくらいの光量を〇時間分を〇〇円で買う」みたいな感じです。 「そんなめんどくさい買い方しないわー」って思うかもしれませんが、これに近い買い方ができます。それは「光の量(明かり)を使った分だけ課金する」って方法で

大型クレーンの次の人生

「大型クレーンは、人じゃない!」っていうツッコミは置いておいて、アムステルダムにある大型クレーンの次の人生の話です。 この画像の大型クレーン、いったい何だと思いますか? もちろん、かつてはクレーンとして活躍していました。 この大型クレーンがある地域は元々造船所が一帯にありました。いわゆる工業地帯です。その工業地帯も時代が移り変わり、今は若者が集う地域になっています。 という場所にあるのですが、改めて何だと思いますか? ・ ・・ ・・・ 正解は「ホテル」です^^

「育てる体験」を提供する"戻り苗"という秀逸なサービス

「どんぐりって、どんぐりから芽が出て木になるって知ってました??」って聞くと、「そりゃそうだろう・・・」と思う人と、「え、どんぐりって芽が出るの?」と思う人の2つに分かれますが、ほとんどの人が後者です。 子どもの頃から、よく見るどんぐり。 私も数えきれないくらいの沢山のどんぐりに出会いましたが、一度も芽が出たところを見たことがありませんでした・・・戻り苗と出会うまでは。 戻り苗って何か。 それは、森にあるどんぐりを遠く離れた人達が育てて、それを森に戻す・・・というサービス