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ピースの『先生』じゃない方が書いた本を読んでみた。こんな人に読んでみてほしい(ネタバレなし)


書店のエッセイコーナーで、懐かしい顔を見つけた。
数年前に渡米した、お笑い芸人ピースの綾部だ。
お調子者っぽいキャラクターで、相方の又吉が芥川賞を受賞した際には「先生!先生!」と騒いでいたイメージがある。
特に好印象を抱いていたわけではないが、
「綾部って、ニューヨークで何してんのかな?」
という軽い気持ちと、帯の又吉のコメントが気になったので購入してみることに。

この本を読んでない人に対してオススメはしたいが、ネタバレはしたくない…ということで、どんな人に読んでほしいかだけを、ネタバレしない程度の解説とともに書いてみる。

ネクラで社交的ではない人

綾部という男は、芸能界で活躍していた頃の印象通り、社交的で人と関わることが好きな人間だ。ネアカと言ってもいいだろう。
人付き合いがどうしても苦手であったり嫌気がさしている方、異国の地でも他人の懐にズカズカ入り込むコメディアンの姿を見てほしい。
私は『ビジネス社交性』という苦し紛れの能力を常に発動して、夕方にはMP0になる不器用な人間なので、綾部の姿は非常に痛快であった。

手が届かなそうな目標に挑戦しようか迷っている人

この本を一言で表すと、『挑戦』の話である。
日本のお笑い芸人がニューヨークに渡り、一体何に挑んだのか。
一冊を通して書かれている一貫した思いが、きっと迷っている人の背中を押してくれると私は思う。
一見実現不可能のような目標に四苦八苦しながら立ち向かう人間の姿は、子供の頃のように無邪気に夢に向かわなくなった私たちを奮い立たせてくれる。

自分を第一に考えることが苦手な人

彼は、自分の気持ちと常に向き合っている。
自分がどうしたいのかを最優先に考え、そのために今、そして未来の動き方を決めている。
他人の気持ちを気にしすぎてしまう人、自分のことを後回しにしがちな人には、こんな逆の考え方もあることを知るチャンスだと思う。

ピース綾部のことが少しだけ気になっている人

私と同様、たまにメディアに登場する綾部の動向が少し気になっている方…彼の芸風は一旦置いておいて、アメリカかぶれな感じで鼻につくことも一旦置いておいて、読み始めてみてほしい。
普通の人生で満足できなかった男の、普通ではない考え方や人生の話の中には、平凡な私たちにとっても何か気づきがあるかもしれない。

#読書の秋2022

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