勝者は歴史をつくり、敗者は文学をつくる 〜アンドレ・モロワ著「デブの国ノッポの国」のこと
好きだった本の一番古い記憶は、どの本ですか?
僕は、絵本を読んでた記憶があまりないんです。でも、童話や神話なんかはすごく好きな子どもでした。
で、思い出せる限りで一番最初に好きだった本のひとつが、この「デブの国ノッポの国」です。
この本は、フランスの文学者アンドレ・モロワによる童話です。アンドレ・モロワといえば、英国史やフランス史、ツルゲーネフ伝といった伝記のほか、「人生をよりよく生きる技術」というエッセイでも有名ですね。高校生の頃、「幸福論」の著者アランに哲学を学んだ