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Vol.2 GUCCI

ブランドの元祖

創業者は”Guccio Gucci=グッチオ・グッチ”
1921年にイタリアのフィレンツェで創業
100年を超える歴史あるブランドです
世界で初めて品質保証のために
創業者のイニシャルを商品にデザインした事で
“ブランドの元祖”と呼ばれています
今でこそどのブランドも創業者のイニシャルから
ロゴを作りアイテムにデザインしていますが
それはGUCCIが世界で初めて行った事です

若き日のグッチ氏は元々高級ホテルの皿洗いをしていたことでも有名

https://gol-win.com/brand/gucci/column/column_010.html

Goldwin

当初は乗馬をモチーフにした革製品からスタートし
徐々にアパレルや小物類、香水などへ拡大しました
VERSACEと同じく元は家族経営のブランドとして知られ
近年映画化するほどにまでドロドロした内情があったようです
今では知らない人はいないレベルにまで認知され
アイキャッチ化されたロゴはどのアイテムも大人気
世界中のセレブやアーティストにも愛されており
イタリアを代表する名門ブランドとして君臨しています

創業者 グッチオ・グッチの名言

価格は忘れるが、品質は生涯残る
原価に意味は無く、品質の高い物を高い値段で売る事で
所有する事にも価値が生まれるという
高級ブランドの価値観を言語化した一言

子供にはミルクよりも革の匂いを嗅がせろ
グッチ家に生まれた者の将来を決定付けることになると
実際の革に触れさせ鼻先からラグジュアリーを味わせた

金も払わん乞食はもう来るな
エリザベス2世がアトリエに訪問した際に
女王の侍従が『何か陛下にプレゼントを』との事で
バッグを進呈した後にその場に残っていた報道陣の前で放った一言
自身の製品に誇りを持っているからこそ出た言葉
流石に直接本人には言えませんね、乞食だなんてね

職人が材料費を負担するなら家族や恋人にバッグを作っても良い
現在はそのような福利厚生(?)は無いみたいですが
グッチ氏は職人を大切にしておりこのような制度が設けられ
職人たちの給与では到底手に入れられないGUCCI製品を
家族や恋人の為であれば材料費のみで作って良いというのは
グッチ氏と職人たちの絆が窺えるエピソードです
因みに、デザインの提案も許可されていたそうで
かの有名なバンブーシリーズも職人のアイディアらしいです

OLD GUCCIの魅力

OLD GUCCIとは創設者であるグッチ一族が手掛けた
1980年代までに作られたアイテムのこと
を指します
皮革職人が集まるフィレンツェで上質な皮素材のみを使用し
一点ずつ手作業で造られた高品質なOLD GUCCIのアイテムは
世界中にコレクターが存在し今でも高値で流通してます
オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリー
ジャクリーン・ケネディなどのセレブにも愛された
世界中の憧れの的にもなった有名な逸品ばかりです
このような経緯があり、グッチ一族が手掛けた
"OLD GUCCIこそ本物のGUCCIである"と言われています

特に有名なのは1947年に第二次世界大戦開始と共に
統制品となった皮革の代わりに竹を代用したバンブーシリーズ
その後用いられたピグスキン(GUCCIの場合は猪の皮)など
時代背景が新たな素材に価値を見出した時期でもあります
この頃には既にアイコンの一つであるシェリーラインも誕生
特に紺と赤のシェリーラインはネイビーシェリーラインと呼ばれ
OLD GUCCIにしか無いデザインだったため超人気のアイテムでした

私物のネイビーシェリーラインのトートバッグ

実際にネイビーシェリーラインのアイテムを複数持っていますが
通常のシェリーラインとはキャンバス地の色味も異なり
他人と被ることなく上品な雰囲気を持っておりお気に入りです
ネイビーシェリーラインは近年復刻した事でも有名で
より一層OLD GUCCIのネイビーシェリーラインの価値が高騰
このOLD GUCCIの時代は数多くのアイテムが造られ
バッグやウォレットに付けられるロゴがアイテム毎に異なっていたりと
正しい知識を身に付けていないと真贋は困難です

OLD GUCCIのロゴの数々

https://rococo.jp/vintage-trivia/63202/

Rococo

GUCCIにまつわる嘘のような本当の話

ここからは完全に余談となりますが
GUCCIもまたブート品が多く出回っているブランドの一つ
ですが、"ダッパー・ダン"というアメリカのハーレム街出身の
ヒップホップファッションの元祖と呼ばれた人物が
コピー品を作っていたにも関わらず本家GUCCIとコラボ
当時のアトリエの近くに新たなアトリエまで用意されるという
これまたとんでもないことが実現した事でも知られています

ダッパー・ダンのアーカイブをリソースとし再解釈されたアイテム

https://www.fashionsnap.com/article/2018-07-19/gucci-dapper-dan-2/

FASHIONSNAP

GUCCIに限らず様々なブランドのコピー品を作っており
一番最初に摘発したのはLOUIS VUITTONだったらしいです
FENDIの弁護士が摘発に来た際、あまりのクオリティに
ダッパー・ダンを誉めたという逸話もあります
当時からブランドの知的財産権に関してはグレーゾーンが多く
デザインリソースとしてリスペクトを込めてサンプリングする

なんていうことは普通に行われていた時代でもありました
いずれにせよ偽物を作り摘発され訴訟を起こされた人物が
本物を作る日が来るなんて誰も想像はしていなかったでしょう
ダッパー・ダンについても今後扱いたいと思います

まとめ

長文になりましたがこれでもかなり省いて書きました
気になる方はキーワードを拾って調べて見てください
GUCCIというブランドは突き詰めると奥が深く
時代背景やお家騒動などがありつつも
紆余曲折を経て今の地位を築いています
巷ではロゴが前面に押し出されたデザインが批判を買い
ダサいとか卑しいとか言われてしまいますが
表面的な部分だけでなく歴史を知った上で判断しましょう
GUCCIが誕生した事でブランドロゴが普及し
ブランドの価値そのものを高めてくれたのです
ロゴが大好きな方々はGUCCIに感謝しロゴを楽しみましょう


次回は"イタリアブランドの女王"をご紹介します

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