北方領土問題をどう解決するか

前回の記事で書いた北方領土問題では
ロシアに奪われるまでの経緯を説明した
その後で気になるのが日本の立場や考え方
北方領土問題についてどのように考え
どのような方法で解決しようとしているのか
ここからは日本国の領土の問題である以上
国民一人一人が考えて行かなければいけない

日本の基本的立場

日本の北方領土に対する基本的な立場
それは常に”日本固有の領土である”ということを
一貫して維持し、米国政府もこれを支持している
北方四島の帰属問題を解決し平和条約を締結する
これが北方領土に対する基本的な方針であり
ただ単に返還を要求し取り戻すだけではなく
ロシアとの友好的な関係を築くためでもある
何故ならこの北方領土問題が存在している事で
日本とロシアの間には未だに国境が無いからだ
多くの場合は国同士が友好的な平和条約を締結し
お互いの領土を確認した上で国境線を引く事になる
それが日本とロシアの間では未だに行われていない
戦後75年以上も経過した現時点で国境が無いのである
この問題を解決をする為に日本はこう考えている

・北方領土が日本へ帰属される場合、
 実際の返還時期及び態様については柔軟に対応する

・現在北方領土に居住しているロシア人住民について、
 その人権や利益、希望は北方領土返還後も十分尊重していくこととする

領土を奪われておいてここまで譲歩する日本
そして、日本政府が国民に要請している事がある
それは”北方領土に立ち入らない”こと

『広く日本国民に対して、1989年(平成元年)の閣議了解で、北方領土問題の解決までの間、ロシアの不法占拠の下で北方領土に入域することを行わないよう要請しています』

何故、日本の領土だと主張している北方領土に
日本国民が立ち入ってはいけないのかというと

・第三国の民間人が当該地域で経済活動を行うこと
・あたかもロシア側の”管轄権”に服したかのごとき行為を行うこと
・あたかも北方領土に対するロシアの”管轄権”を前提としたかのごとき
 行為を行うこと

日本政府としてはこれらの行為は
"日本国が取っている立場と相容れず容認できない"
という風な考えを示し控えるように要請している

簡単に言うと
ロシアの手続きに従って北方領土を訪問したり
北方領土内でロシアの法律に基づいた行動をすれば
“北方領土はロシアの領土である”と認めることになる
日本国の領土であると思えばこその立場もあるということ

また、第三国の国民がロシアの査証(ビザ)を取得し
北方領土へ入域することや第三国企業による経済活動
これらの情報を得た時点で事実関係を確認し
申し入れを行なって来ているとも外務省は言っている

北方領土へ行く手段

現在日本国民である我々が北方領土に入域するには
限られた手段でしか達成することは出来ない

・四島交流事業
・北方墓参事業
・自由訪問事業

これら3つの方法しか北方領土に渡る手段は無い

四島交流

所謂、”ビザなし交流”と呼ばれるもの
当然、ロシアのビザを取得し北方領土に渡航するのは
ロシアの領土であると認めることになるため出来ない

その代わりに北方領土問題が解決するまでの間で
相互理解の促進を図り、領土問題解決への寄与を目的

日本国民と北方四島に居住するロシア人が
パスポートやビザなしで訪問できるというものである

北方墓参

北方墓参とは北方領土問題とは別に
人道的観点から元島民達がパスポートやビザなしで
簡単な身分証明により先祖のお墓参りを目的
として
北方領土を訪問する事ができるというものである

自由訪問

自由訪問とは元島民とその家族が簡易な身分証明等で
故郷である北方領土へ訪問できる
というもの

日本の領土でありながらも条件は厳しく
北方領土にご先祖様が眠るお墓がある場合や
元島民二世でもない限りは四島交流しか手段は無い
一般人が北方領土に渡るのにはハードルが高過ぎる

あとがき

元ソ連領のベラルーシ出身の映画監督が
北方領土や北方領土と繋がりの深い根室を題材に
映画を作成したがロシアでの公開は叶わなかった
※北方領土は根室支庁の管轄下

北方領土に住む多くのロシア人が
領土返還と日本との友好関係を望んでいる
"誰も拒む者は居ない"という人も居るそうだが
日本のメディアが日本向けに報道しているので
実際のところはどうか分からない
この目で確かめに行くことも出来ない以上は
より多くの情報を得て取捨選択するしか方法が無い
透明性を持って報道してくれていることを願う

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