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子供を産んだら何者でもない自分を肯定できた話

まだ妊娠も出産もしてなかった頃。大学生とか、社会人になりたての頃。同じ年齢の人が社会で活躍し取り上げられているのを見かけると、焦る気持ちになった。

同じ年数を生きているのに。この人は社会に認められるなにかを生み出しているのに。自分はまだ何も成し得てないし、この先も成し得ることができるかわからない。

そんな漠然とした、不安のような、焦りのようなものを常に感じていた。
まさに、何者でもない自分に対する焦りと不安。
そんな気持ちを抱えつつ、自分は何者にもなれないのだろうと諦めのような気持ちを感じていた社会人2年目の冬。長女を妊娠していることがわかった。

結婚、出産。2度目の妊娠。毎日が慌ただしく過ぎていく。大げさではなく、本当に記憶がないくらい、毎日必死だった。

そして長女が3歳になり、やっと少しだけゆとりが出来た頃に、昔感じていた「何者でもない自分」に対する焦りと不安が消えていることに気づいた。

毎日子供と接していると、いろいろな気づきがある。長女は得意だけど、次女が苦手なことがある。逆に、次女が得意だけど長女が苦手なこともある。でもそんなこと比べたって仕方がない。何もかもが個性で、できることも出来ないことも、苦手なことも得意なことも、全てが愛おしい。

自分は自分。人は人。誰かと比べるような存在じゃない。

子供たちは無限の愛を与えてくれる。どんなに叱っても、何があっても、大好きだと伝え、全身全霊でぶつかって来る。何も出来なくても、何が出来ても、愛おしい存在を得て初めて「あ、自分は自分だし、何者でなくてもひとりしかいない大切な存在なんだな」と自分のことを肯定できるようになったのかもしれない。

子供を愛し、育てることは、自分を愛し、大切にすることと同じなのかもしれないと気づいた母親3年目の冬。

まだまだもっと、新しい発見があるのかなと思うと、この先が少し楽しみになった。

これからも子供と一緒に、少しづつ成長していきたい。

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