6.いろんな立場で考えよう〜こどもに伝えたい100のこと〜

子供が生まれる前、なんで公園にいるママ達はみんな同じような格好をしているのだろう?と思っていた。みんなジーンズに小さなショルダーバック、リュックサック。丈の短いアウター。スニーカー。

子供が生まれてもキャラクターものは買わないと思っていた。ミッキーのトレーナーなんて絶対に着せない!と意気込んでいた。

子供が生まれた今、子供はミッキーのトレーナーを着て、アンパンマンだらけの部屋で遊んでいる。私は出かける時にスカートを履くことなんて、ほとんどない。お出かけの時は丈の短いアウターにスニーカーを合わせる。

その立場になってみないとわからない事は、想像しているよりも遥かに多い。子供と出かけるとしゃがむ場面が多いから丈の長いアウターは汚れてしまう。子供が急に走り出すことがあるから貴重品は肌身離さず持ち歩けるショルダーが必須。イヤイヤ期の子供は、朝どんなに急いでいても機嫌が悪ければ洋服なんて着てくれない、でも大好きなキャラクターがついていると言うだけの理由で、拍子抜けするほどすんなり服を着てくれる。

その立場に、その状況になってみないとわからないことだらけである。

妊娠した時に思った。こんなに妊婦がしんどいなんて、誰も教えてくれなかった!!!!と何度叫びそうになっただろう。少し動けば息が切れる。トイレも近くなるし、ずっと立っているなんて無理。3ヶ月続いたつわりは、二日酔いの状態で船に乗せられて、いつ降りることができるか全くわからない状態に近い。起きている瞬間で気持ち悪い瞬間がなく、動くこともできず、とにかく毎日が絶望的だった。これも全部、妊娠してみるまでわからなかった。

他にも例を挙げればきりがない。27年生きてきて経験することができた「立場」はあまりにも少ない。

障がいがある。大切な人を亡くした。子供を授かることができない。学校に通えなかった。両親が不仲。いろんな立場がある。状況がある。全てを経験することは不可能だ。そして、立場が違う者同士はしばしばぶつかり合ってしまう。それはとても悲しいことだし、どうしようもないことのように感じてしまう。立場が違うことは仕方がないことだからだ。

しかし、想像力を働かせてその人の立場になって考えることはできる。

どうしてそう思ったの?なぜそんな発言をしたの?

そうか、この立場から考えると、こんな視点があるのか。こんなふうに感じてしまうのか。

このようにに少しでも立ち止まり、考えることで回避できる衝突は絶対にある。そして人の立場になって考えることは、人に優しくすることと同義だと思う。

私たちが人生のうちで経験できる立場、状況は想像以上に少ない。だからこそ、想像力を働かせ、人の立場になって考えることでいくつもの視点を得ることが大切になってくる。想像力を使ってたくさんの立場でものを考えると、自分の視点だけでものを見ていた時よりもずっと視野が広がる。視野を広げることは人生を広げること。今日から想像力を働かせて物事を見て欲しい。きっと少し、世界が違って見えるのではないだろうか。

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