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東海のサウナとグルメ旅

このあいだの土曜日、新幹線に乗って名古屋に行ってきました。名古屋、大好き。新卒で入社した会社では東海地方配属で、五年間、研修とか昇任試験とか何かと名古屋にはよく足を運んでいたので、大阪出身だけど、どちらかというと名古屋の方が馴染みと思い入れがあるのだ。

土曜日の午前中ののぞみ。自由席はみっちりと満席。連結部分でNetflixのドラマ「サ道」を見ながら過ごす。京都から名古屋までは40分ほどなので、ドラマを一本見る時間としてちょうどよい。

まずは、名古屋につきましたら、ずぞぞっときしめんを立ち食いですすります。こだわりと言うほどではないのだけれど、1番線ホームにある「住よし」で食べるのが好き。他のホームにもきしめん屋さんはあるのだけれど、特に新幹線ホームの店舗は混んでいるし、主観だけど1番線の店舗、つまり豊橋行きのホームの端にあるお気に入りのお店は、比較的に空いている気がするのだ。

写真などない。昼飯どきの立ち食いきしめん屋は、食うか飲むかの決闘さね。

腹を満たし、地下鉄に乗って栄駅へ。前に「サ道」で知ってから行ってみたかった「SaunaLab NAGOYA」さんの予約をしていたのだ。

栄駅から徒歩5分ほどのところにある、繁華街の雑居ビルの8階には、フィンランドをイメージした木の温もりを感じるおしゃれ空間が広がっており、3時間2,200円(工事中のため、通常時よりちょっと安いよう)で、複数種類のサウナが楽しめるお店です。予約制なので過度に混雑しない。ポンチョ、水着、サウナハット、各種タオルもセット料金の中に含まれている。お得。
男女一緒にサウナを楽しめるコーナーと、男性専用、女性専用とわけられているコーナーもあったし、休憩スペースではお茶やお水、コーヒーなどが無料でいただけました。アイスクリームや北欧っぽい有料の食事メニューもあって、おいしそうだったな。

↓詳しくは「サ道」を見てね。

休憩スペースはこんな雰囲気。ここに住みたい。

軽く身体をシャワーで流して、水着に着替え、麻製の巻き布を体に巻き、ポンチョとサウナハットを纏って夫と合流する。夫も私もお風呂屋さんに行くのが大好きだけど、同じサウナに入るのは初めて。ニヤニヤしちゃう。滅多にしないのだけど、インカメラで自撮りをする。いかにも!な「サ好きな男女」が撮れて、笑っちゃう。

まずは、男女一緒に入れるサウナに。MAXで8人ぐらい入れそう。薄暗くて、柑橘系のアロマの香りがいい感じ。名古屋ではこの日、少しだけ雪が舞っていた。冷えた体が暖かいサウナ内で喜んでいる。アロマ水をサウナストーンにかけ、湿度が上がった室内で、この後の作戦会議をする。入店から3時間しかいられない。3時間もありゃあ十分やろ?と思いつつも、「サウナ、休憩、シャワー、身支度、会計」と、やることはいっぱいあるので、時間は足りないのだ。あと、一個目のサウナに入った時点で早くも確信めいた気持ちがあった。「これはまったく時間が足りない。また行く。」と。

サウナを出て、すぐ隣にあるマイナス20度の冷却室に。ここのサウナ施設には水風呂はないのだけど、冷たい部屋が用意されていて、ここでクールダウンする。重い扉を開けて、人間二人ぐらいが入れる試着室ぐらいのスペースはマイナス20度なのでめちゃ寒。すぐに熱ったからだから汗がひく。床にトナカイ?の毛皮が敷いてあって、ふかふかしゃりしゃりしていて心地よい。

夫としばし別れ、女性専用のサウナに。他のお客さんを全然見ないな?と思ったら、女性ブースには結構いらっしゃった。女性ブースの中には三種類のサウナ(一畳分ほどの一人用の瞑想サウナ、横たわって楽しめる広めのサウナ、二人用の小さめサウナ)と冷却室が一つ。その中でも一人用の瞑想サウナが暗くて狭くて、ロウリュウ水がほうじ茶で、いい匂いがして、めちゃくちゃよかった。どのサウナもしっとりと、そしてしっかりと熱くて、他のお客さんも真剣にサウナと向き合って(?)いて、好きなものを好きなだけ愛でる人ばかりの、いい空間だったな……。また行きたいぜ。

最後の数十分は夫と合流し、再び男女一緒のサウナに。「素晴らしいな」「こんなんまた来るやん」「我が町にもできてほしい」としみじみ言う。サウナを出て、木の椅子にかけながら腑抜けていると、夫が耳元で囁いた。

「僕はこのあとひつまぶしを食べたいと思うんやけど……どう思う?」

それは乗らない手はない提案やな。

サウナラボ名古屋、また絶対行く

身支度と精算を済ませ、雑居ビルの外へ。サウナのあとって、視界のフィルターが一段階澄むというか、世界が美しく見えるから不思議だ。おすすめのひつまぶし屋さんは17時30分オープン。番号札を取って、栄の街を散策する。体が軽い。チークをつけているわけでもないのに、鏡を見ると顔がほんのり赤くて、「これがおてもやんか」などと思う。おてもやんって何?

栄の「ラシック」という商業施設に立ち寄る。大人っぽくておしゃれな施設。20代前半の頃はここに来る度に、ファッションのお店を何店舗か回遊してトレンドを知っていた。けれど、10年の時を経て、新しい発見があった。この施設は地階の充実度がやばい。北野エースと成城石井、アコメヤトウキョウにアフタヌーンティー、スープストック東京、バースデーバーに、スターバックス、そして俺の推しの東海の雑貨屋さん「リブレット」まで入ってる。こんなにもワンフロアで充実している商業施設を、私は他に知らない。

あっという間にひつまぶし屋さんの開店時間となり、後ろ髪を引きちぎられそうになりながらラシックを発つ。やってきた店舗は、栄ガスビルの地階にある「しら河」さん。一番人気とメニューに書いてあった「ひつまぶし」をいただきました。

キラキラ

このお店に来るのは二回目。前に来たのは23歳ぐらいだったか…遊びに来てくれた友達を連れて行ったのでした。十年前か。リニューアルして店内が明るく、そして綺麗になっていました。
ここのお店の接客の姿勢が好き。優しく朗らかで威勢が良くて、店内のたたずまいは上品だけど、店員さん同士の息があっていて、どことなく親しみやすく、カジュアルで。近くの席のお客さんが湯呑みか何かを床に落としちゃったんだけど、その音を聞くや否や二、三人の店員さんがすっ飛んできて、処理が手早くて感動した。落としちゃったお客さんへの声掛けも、周りのお客さんへの声掛け(落としちゃったお客さんへの気配りをしながら小声で)も優しくて、お客さんに接する対応として見習いたいなあと思いました。

もちろん、うなぎもめちゃおいしい。お櫃にご飯がふわっとみっちり入っていて、うなぎとごはん→薬味を添えて→お出汁をかけてのループを三回転ぐらい楽しみました。赤だしもうまい。東海地方の赤だし大好き。

🥚🐣🐥🐓🍗

さて、夕暮れの栄を歩き、名鉄に。名鉄の大曽根駅(OZONE駅…オゾン。カッコイイ。)からゆとりーとラインに乗り換え、竜泉寺に。今宵はこの竜泉寺にあるスーパー銭湯で一泊します。

「天空SPA HILLS 竜泉寺の湯」

関東や東北にもチェーン展開している大型のスーパー銭湯。愛知県の店舗に来るのは三度目。広い露天風呂、岩盤浴エリアとおしゃれなリラックススペース、大量の漫画。午前2時半まで営業していて、3,600円課金すると、宿泊も出来ます。

先ほどの施設ではサウナはよく楽しんだものの湯船はなかったので、まずは身体を洗って、露天風呂を楽しむ。あったけぇ。土曜日の夜なので、人が多い。特に家族連れが多い。この施設は名古屋の北側、守山市の小高いところにあるので、露天風呂からは「天空SPA」の名の通り、名古屋方面のキラッキラの夜景がよく見える。人は多いけれど、山が近いからか空気が澄んでいて、見晴らしも良くて、好きな施設の一つ。

お風呂から上がり、岩盤浴エリアに入館。漫画を読む。まずは、「白山さんと三田さん」。前から気になっていた。岐阜県…もとい、「木阜県」が舞台の物語。

序盤は白山さんと三田さん、二人を取り巻くシュールなやりとりにカタカタと肩を震わせて笑ってたんだけど、巻が進むにつれて白山さんに恋しそうな自分がいました。いいなあ。漫画を読んでいると、

あっという間にとっぷりと夜に。食堂で手羽先と生ビールをいただく。生ビールは、すぐ近くにあるアサヒの守山工場から直送されているそう。合わないはずがないのよ、手羽先とビールなんて。
……今日、野菜を全然食べてないな。帰ったら、鬼のようにキャベツとかをモリモリ食べような!と夫と誓う。

体が冷えたので再びお風呂に入り、体の熱が冷めないうちに岩盤浴に。腹ばいで10分。あお向きでさらに10分。心地よい汗と耐え難い眠気。体内の水分や淀みがぎゅるぎゅると流れているのを感じる。熱い。外にあるテラスに逃げ込む。恐らく、気温は3度とか4度とか。めっちゃ寒い。岩盤浴着で外に出ると、汗がすーーーっと霧散してゆく。自宅にも岩盤浴があればいいのに。

「瓜を割る」に手をつけてしばらくしたところで、消灯の時間となった。明日は早起きして、チェックアウトギリギリまで漫画を読み進めて、朝風呂もするぞ!と誓い、眠る。

ほのぼのとした絵柄だけど、なんというか、アラサーの私にグサグサとくるものが……あります。

♨️♨️♨️

朝風呂は5時から。寝たのは2時。起きれるわけもなく、7時に目覚める。それでも、7時に起きるあたりが私の偉いところよ。
夫は朝ごはんを食べに食堂に行ったけれど、昨日のきしめんとひつまぶしと手羽先がまだ胃袋に残っており、食事はパス。漫画を読み、お風呂に浸かる。朝の陽射しがキラッキラとお風呂の水面に反射して、直視できないほどの眩しさでした。ここは朝風呂もいいなあ。朝も朝で人が多く、特にサウナハットやマイサウナマットを持っている、サウナが好きな人が多い印象を受けました。

後ろ髪を引きちぎられて、もはや後頭部は無くなった状態で、名古屋駅に戻る。台湾ラーメンを食べようぜ!と、新幹線口近くの店舗に向かうも、お昼の時間より少し早いのに大行列。エスカ(地下街)で味噌カツ定食を食べる。カツ、でかい。味噌もたっぷりかかっている。キャベツも荒めの千切りのものがざっくざく。このジャンクな味噌カツを食べていると、遅らばせながら「名古屋にきてるな」と感じる。

名鉄の赤い電車に乗り、犬山駅方面に。犬山駅で乗り換えて、鵜沼方面に。明治村、リトルワールドなど、名鉄関連のポスターを見ると、懐かしくて嬉しくなっちゃう。
名電各務原駅で下車し、10分ほど歩いて、この旅最後の温浴施設に。

「恵みの湯」

ここに来るのも三回目。町の銭湯の古き良き風情を残しつつも、天然のハーブや自然をテーマにおしゃれにリノベーションされた、居心地のよいお風呂屋さん。(こういう、リノベーションされた空間のことを、ついつい「おしゃれな」と形容してしまい、自分の持っている語彙力の少なさに唖然とする)

浴室に入ってまず驚くのは、広々とした空間。タイル張りの浴室。大きい水風呂、ジェットバス、白湯、電気風呂、ジャグジー、マッサージ風呂…そしてそれらを取り囲むように、洗い場がある。洗い場には石造りの椅子が固定されていて、ちょっとお尻が痛いけど、プラスチックの椅子よりも安定感があって良い。
サウナも湿度たっぷり。サウナストーブの蒸気があたるような位置にハーブがおいてあり、10分に一度ぐらいの高頻度でロウリュの水がサウナストーブに注がれる。あつい。玉のような汗がだらだらと生まれては死ぬ。
露天風呂には寝ながら楽しむぬるめの薬湯と、これまたぬるめの炭酸泉。くつろぐための椅子がたくさん。盆地の各務原市は風が良いところだと思う。

懐かしい風だと思う。この土地には一年と少ししか住んでいないのだけど、この土地に住んでいたときが一番楽しかった。

住んでいたから知っているのだけど、岐阜の人たちも結構好きだ。銭湯や温浴施設でよく、女性のグループが恋愛や職場、学校などの愚痴を言い合っている場面に遭遇することがあり、そういう会話が面白いなと思う時もあることはあるのだけど、聞きたくない日もある。主語?目的語?がデカくてソーリーなのだが、岐阜の人はあまりそういう会話をしてない?聞かない?気がする。なんだろう、のびのびしてるの。今住んでいるところとは言語が違うから、そして住んでいたからこそ美化しているのかな。私が勝手にそう感じているだけかな。「どこどこの何がうまかった」とか「誰々が言ってたあそこのあれが良かった」とか、当たり障りのない会話ばかりと出会っている気がする。
もし老後、どこでも住んで良いとしたら、もう一度岐阜に、各務原市に住むのもいいかもなと密かに思ってるんやて。

流石に昨日からずっとお風呂とサウナに入っているので、汗も出なくなってきた。若干、肌もヒリヒリする。恵みの湯特製のよもぎのラテを飲んで、座り心地の良い椅子でのんびりする。

ホイップが嬉しい、よもぎラテ。

☔️☔️☔️

30分に一度の電車に間に合うように施設を出る。小雨が降って、あたたまった身体を冷たく濡らす。岐阜駅に向かう。19時まで開いている昔ながらのパン屋さん「サカエパン」さんで明日の朝用のパンを買う。

半年ほど前にも行ったのだけど、惣菜系のパンの名前には「くん」、甘い系のパンには「ちゃん」がついていて、かわいい。ハム卵くんとか、あんぱんちゃんとか。おいしくて安い。最強のパン屋さん。近所に岐阜があれば良いのに。在来線でおおよそ二時間で行けるのだけど。

世界で一番美味しい(私の中で)ピザ屋さんに行く。

岐阜駅から徒歩8分ぐらい。ダ・アチュ。何年ぶりだろうか。来るのは何度目だろうか。常に店主の元気な声(指示、確認、たまに怒号?)が聞こえていて、まるで店に棲まう細胞の一つになったみたいな、高揚感が湧き上がる店。ピザがめっちゃ美味い。私はここより美味しいピザに、これ以降会えていない。ピザ一枚、パスタ一皿で痩せ我慢をして帰ろうとしたけれど、夫が「もう一枚食べない?」と言ってくれて本当に助かった。私もそう思っていた。クアトロフォルマッジは蜂蜜をかけるから、実質食後のデザートだ。

ちょっぴり歪な六等分がまた愛し。美味しすぎるので互いが譲ることなく、真剣に協議の上、ピースを分け合いました。

満腹をさすりながら、在来線で住んでいる街に帰る。新幹線は楽だけど、早すぎるので在来線が好きだ。えっちらおっちらと町を繋ぐ健気さが好きだ。旅が徐々に日常の一部に姿を変え、想い出のファイルに格納される感じ。

蕩けた二日間だった。好きがいっぱい詰まった、愛おしい二日間だったよー。

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