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アウトライナーを楽しむマガジン

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このページはアウトライナーの活用法・Dynalistアップデート情報などのアウトライナーに関する役立つnoteをまとめたマガジンです。私が講師を務めるUdemyアウトライナー講座…
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2020年6月の記事一覧

DoMA式と和式の部屋の概念

(前回) DoMA式は、非GTD的ではあるのだが、なぜ「土間」なのだろうか。 まず指摘しておきたいのは、私たちが使うソフトウェアに潜む西洋的発想である。 『謎床』の中で、松岡は「デスクトップ」のようなメタファーが世界を席巻したが、それ以外のメタファーもありうるし、その中には日本式のものがあってもいいはずだと問題提起している。確かにその通りだ。私たちは当たり前に「デスクトップ」を使うことによって、それに疑いの目を向けることができていない。 そして、デスクトップにある「フ

第十四回 思い通りに行かないから、「思い」のリストが必要

ここまでの話を振り返ってみましょう。 まず、「一日分のリスト」を作ることの価値を確認しました。 私たちの「やること」の全体像はとても巨大なのでまともに戦っては(認知的)勝ち目はありません。そこで対象を小さくし、操作可能なレベルにまで有限化します。 また、一日分で「区切る」ことで、終わりが見えてくるようになります。「やること」のすべてが500ほどあるならば、そのうち8つだけ進めてもまったく進んでいる感じがしないでしょう。しかし、「一日のやること」として30個を集めると、8

アウトライナー講座で具体例を用いないのはなぜか

こんにちは、セムです。 最近倉下さんがブログで提唱しているDoMA式について、あれこれと考えています。 DOMA式 Depend On My Attention. 使う人の注意の構造に合わせた形 注意オブジェクトモデル わたしの理解が正しければ、【注意や認知に合わせた基準や粒度で】ということらしいです。はじめての言葉ではありますが、これまで言語化されてなかっただけで、わたしもわたしなりに自分の認知基準でアウトライナーをゴニョゴニョやっていたようです。 アウトライナー

勝手にDynalist通信#016~ 5月のアップデート情報 共有アウトラインのテーマが変更できるようになりました他

1.Dynalistの5月のアップデート情報が更新  もう6月も終わりというところで、遅きに失した感がありますが、5月のアップデート情報についてお伝えいたします。  5月のアップデートの詳細は May Update からご確認ください。  今月も劇的なアップデートはありませんでした。 2.主な更新 は「共有リストの見せ方の変更」 Dynalistでは、特定のアウトラインを他の人と共有することが出来ます。  それも、閲覧だけもしくは編集もできるようにと制限をしたうえで共

なぜDoMA-Styleなのか

なぜ、DoMA(Depend on My Attention)なのか。 一つには、それが使いやすいからだが、それ以上に現代が「注意欠乏時代」だからという点が大きい。言い換えれば、さまざまな誘惑が私たちの「注意」を争奪しようとしているからこそ、注意に重心におくことに価値が出てくる。 ■ ■ ■ とにかく現代は、「やりたいこと」「やるべきこと」が溢れ返る時代である。それはフランス革命以降人権意識が高まり、個人のもとに自由が帰属することが起因する。現代は(神ではなく)主体性の

フローとストックの置き場所を変える

この記事はわたくしセムが主宰するUdemyアウトライナー講座の受講生に向けて書かれたものですが、アウトライナーに興味のある方であればどなたでもお楽しみいただける内容となっています。 こんにちは、セムです。 最近、フロー情報とストック情報の置き場所を物理的に変えてみる試みをはじめました。フロー情報はアウトライナーDynalistで、ストック情報はScrapboxで管理しています。 もともとはこの記事の悩みから生まれました。 使い終わったアウトライン(ストック情報・備忘録)

第十三回 タイムラインにならぶ過現未

時間と行動を扱うツールには、面白い特徴があります。 たとえば、手帳を思い浮かべてください。今日が6月23日だとしたら、それ以前のページに書かれたことは「過去」であり、6月23日のページは「今日」であり、それ以降のページは「未来」になっています。 これらはすべて「記録」ではあるのですが、過去の記録は「結果・実績」であり、未来の記録は「予定・計画」であり、手帳を使うということは、「今」という点を過去から未来に向けて動かすことで、「予定」を「結果」に書き換えていくことを意味しま

タスクリストに未来の「意志」も記録していこうと思った

こちらの倉下さんとTak.さんのnoteの連載をご存じでしょうか。とてもおもしろいです。 Tak.さん連載の最新記事では、タスクリストに意志を組み込むという話が出てきます。 DOが単なるタスクと違うところは「意思」が組み込まれているところだ。ちょっとだけアウトラインを直して、たたみ込まれていた内容を「つもり」(意思)と行動(DO)に区別してみる。 タスクリストの中に意志と行動が含まれています(Tak.さんはこのリストのことを「デイリータスク(DO)リスト」と書いています

第十二回:タスクとアイデアの微妙な関係

デイリータスクリストの「理想」は、「今日やること」しか書かないことです。しかし、そうも言ってられないのが「現実」ではあります。 たとえば、上司に「これ明日の午後までにやっといて」と言われたとしましょう。仕事量的にはそこそこで、5分では終わらないが、2時間はかからないと見積もったとします。今日中にできるかもしれませんし、明日になるかもしれません。もし、今日中に余裕があるならば、完了させるか、せいぜい着手くらいはしておきたいところです。 こういったものは、はたして「今日やるこ

piece 8:デイリーアウトラインの運用④ 選択のツールとしての「できれば」

やろうと思ったことが何もできない日 「piece 7:デイリーアウトラインの運用③ 書き換えながらコントロールを保つ」からの続き。午前中を終えた段階で予定していたDOは何ひとつ終わっていないどころか、割り込んできたDOさえ終わっていない。 一日は以下のアウトラインからスタートした。 お昼前には以下のようになっていた。 もともとは「原稿Тの構成再検討」を午前中に済ませるつもりだったのだが、途中でN社からの突発的な依頼に中断され(そのためもともと6個目にあった「N社依頼案件

勝手にDynalist通信#015〜 句読点がタグの一部として認識されなくなりました。😭

 今のところ、PC、スマフォのWebブラウザー版のみ(PCのデスクトップ版、iOS・Androidの公式アプリではまだ使えます。)ですが、  今までタグの一部として使用できた、 ;(セミコロン) /(スラッシュ) ((カッコ) ,(カンマ) などの、句読点がタグの一部として最近使えなくなりました。 (※ 6/11追記 : (コロン)、.(ピリオド)は、Webプラウザーでも、引き続きタグの一部として使用出来る様に変更になりました。 Trailing punctuation

第十一回:Open your mind, close your list. その2

もしまったくリストを閉じないで一日を進めていけばどうなるでしょうか。 リストをまったく閉じないということは、入り口と出口の境目がなくなることを意味します。境界線が消えるのです。つまり、一見デイリータスクリストのような形をしていても、それは実質的にすべての「やること」を含んだTodoリストと変わらなくなってしまいます。 図を用いて説明してみましょう。 デイリータスクリストを作るということは、上記のように「その日」のノートなり項目を作って、その日にやろうと思うことを書き留め

第十回:Open your mind, close your list. その1

朝一に作ったリストも、実行に合わせて(あるいは周りからの要求に合わせて)どんどん変わっていきます。そのようにリストを「動かす」ことがリストを使うことの意義であり、楽しさでもあります。 なにせ人間の記憶力や認知操作力はそう大きなものではありません。状況に応じてどんどん変化するリストを、脳内だけでキャッチアップするのは困難でしょう。だからこそ、リストに書き出すという「外部化」を行うのです。 これは、プロ棋士が将棋盤を使って将棋をするのと同じことです。彼らは空で将棋を打つことも

デイリータスクリストと日々のタスク管理

この記事はわたくしセムが主宰するUdemyアウトライナー講座の受講生に向けて書かれたものですが、アウトライナーに興味のある方であればどなたでもお楽しみいただける内容となっています。 こんにちは、セムです。おかげさまでアウトライナー関連のnoteをまとめているマガジン「アウトライナーを楽しむマガジン」が好評です。自分の記事だけでなく、他の作者の記事と一緒にまとめるというのはおもしろい表現方法だなと思います。(はてブはハマらなかったけど、これはハマる) 今日はそのマガジンにも