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映画鑑賞「ドライブ・マイ・カー」を見て思ったこと

こんにちは、しきです。
久しぶりに映画館に行きました。
いつぶりだろうと振り返ったのですが、多分、最後に映画館で見たのは「TENET(テネット)」(2020年9月公開)なので、1年半以上振りでした。
今回見にいったのは、親しくさせていただいている経営者、向山かおりさんが激推しされていて気になった「ドライブ・マイ・カー」です。

鑑賞前の印象

原作が村上春樹さんということで、小難しそうな話だなあということ。
また、岡田将生くんが出ていて、個人的にかなり好きな役者さんで舞台出演作品であればほとんど鑑賞済みなのですが、映画に関しては微妙な作品に出ることも多い(※個人の感想です!)ので、う〜〜〜〜〜〜〜ん!?というところでした。
かおりさんも「若い人はあまりピンとこないかも」とおっしゃっており、内容が全然掴めなかったらどうしよう、と少し不安でした。

鑑賞後の感想(ネタバレあり)

ずっと、家福さんは相手と会話していないなと思いました。
相槌はしているけれども、表面的で相手(主に音)の話に対して、応答するばっかりで会話を盛り上げる気も続ける気もないように感じました。
送迎ドライバーをつけることになった時も、自分の主張はするけれども、運営側からの提案を受け入れようとせず、すごく突き放した感じ。
よくこれで長いこと役者やってきたな・・・と。
できる役者だったんだろうけど、周りの人に甘えすぎなのでは?
渡利さんも、表情を1ミリも変えずビジネスライクな対応で不機嫌なのかなんなのかという感じでした。
常ににこやかなユンスさんとは対照的だなと思いました。

舞台の稽古をしていくにつれ家福さんが段々と周りの人に興味を持ち始めていきます。
ユンスさんや渡利さんにプライベートな質問をするようになります。
車に乗っているシーンでは常に車の中の映像しかなかったのに、窓から見える景色が映されたり、いい天気だというセリフとか、なんとなく世界を認識しているように思いました。

高槻が家福さんに向かって「相手を理解したいなら、自分と向き合うしかない」みたいなことを伝えます。
ここで思ったのは、いつも話そうというのは高槻からで、自らアクションを起こしているけど、家福さんはどうだろう?
話しかけられるのを待っているというよりも、そもそもなにかをしようという意思があまり感じられません。

家福さんはなんのために生きているんだろう。
子どもや妻に先立たれる不幸を経験するたびに自分の殻に閉じこもっていって、仕事はしているけど、熱心な感じもありません。

高槻の傷害事件により、舞台の存続が危ぶまれます。
代役ができるのは家福さんだけだと言われてもなお、自分にはできないと、自分優先な受け答えをします。
みんなの努力を自分の一存で白紙に戻すの?
高槻が原因とはいえ、あまりにも自分勝手な印象です。
高槻に自分のコントロールが下手とか言ってたけど、人のこと言える立場か?
多少罪悪感があったのか、決断はせずに2日間考えるために渡利さんとともに渡利さんの故郷へ向かいます。

渡利さんの話をきっかけに、ポツポツ自分のことも話していきます。
そしてもっと音と話がしたかった、後悔してももう遅い、少しでも早く家に帰ればよかった、とできなかったことを吐露していきます。
今ここで言うなよ!遅いよ!と思いつつ、知らず知らずのうちに自分の感情を押し殺していって、傷つかないために何も感じてないふうを装うのは、わたし自身にも経験があります。

自分のことが大事なのは当たり前で、そこからどう行動しているか

相手との関係を良好に保つために、波風立てないよう当たり障りなく接する、深く関わるのを避ける。
それって元を辿れば、自分が傷つきたくない、変だと思われたくない、嫌われたくない、という気持ちがあるからではないでしょうか?
相手のことを考えているようで実は自分のことを1番に優先させている。

もちろん、感情の赴くまま相手に言葉を投げかけるのがいいわけではありません。
伝えたいことが自分の考え通りに相手に伝えることができているのか。
そして自分自身、相手の伝えたいことを100%理解できているのか。
最初から最後まで、すごく突きつけられる内容でした。

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