#10 オーブの行方②
「わたしたち、名前〝も〟似てるね」
ティナが胸の騒めきの正体を探っている時、ティノは小さく頷いた。ティナは我に返り、探るようにティノを窺う。
「もしかして、ティノもわたしと同じ気持ちなのかな」
「……〝同じ気持ち〟?」
ティノが不思議そうに首を傾げると、ティナは「あっ」と眉尻を下げた。「同じ気持ち」といったって、自分が今どういう気持ちなのか、ティノに伝えていなかった。
「ええと、何だろう。その、ティノに親近感があるの」
「親近感」
ティノはオウム返しに呟くと、目を落とした。うろうろと地面の上を彷徨っている目線は、自分の感情の正体を探しているようだった。
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