【N高政治部】平井卓也デジタル改革担当大臣による講義を受けて
こんにちは!SSです!
講義について
今回(2021年1月20日)は平井卓也デジタル改革担当大臣をゲストに招き、講義が行われました。平井大臣及び関係者の方々、本当にありがとうございました!
緊急事態宣言が発令中ということで、講義はオンライン形式で行われました。以下は講義中の三浦瑠麗先生の写真と集合写真です。
講義のアーカイブはこちらから(以下クリックでも閲覧可能です)
大まかな流れは以下のようになっています。
1.平井卓也大臣 × 三浦瑠麗氏 対談
2.生徒からのグループ質問
3.生徒からの個別質問 ←今回は時間の都合上できませんでした。
まず初めに、平井卓也大臣と三浦瑠麗氏に「デジタル化について」と「マイナンバーについて」をテーマに対談していただきました。
文章についてですが、質問については原文ママで、平井大臣の回答については本意を損なわない程度で、一部省略・要約してあります。
デジタル化について
1つ目の質問はこちらです。
デジタル化によって社会から温かみが消えるのではないかと思うことがあるのですが、平井大臣は「ここからここまでは人がやるのが良いよね、ここはデジタル化しちゃおう」というような基準や考えをお持ちでしょうか。
この質問に対して、
デジタル化というのは手段で目的ではないのと、我々生きている存在としてはアナログで、デジタルでお腹いっぱいにならない。
つまり、デジタルをどこまでというのははっきり言って境目は、アナログ動物である人間がいかに幸せを感じられるか、ストレスを感じないかというところがボーダーだと思います。それ以上やり過ぎてはだめだということじゃないかなと思うのですが、温かみが消えるとか消えないとかはデジタルとは関係がなくて、人間と人間との関係とか社会全体の雰囲気、空気みたいなものだと思うんですけど・・・。
と述べられました。
僕はほとんどの考えは一致しましたが、少しだけ違うところがありました。それはストレスを感じないかというところです。完全にストレスを感じない、これはこれで問題だと思っています。許容範囲内でストレスを感じられる生活があってこそ幸せを感じられるのだろうと思います。
続いて2つ目の質問。
西日本放送代表取締役社長を務めたご経験を踏まえて今後のテレビはどうなっていくべきだと思いますか?インターネットで同時生配信等は著作権など規制が厳しいですが、これらの解決に向けてどうしていきますか?
この質問に対して、
これからテレビ局はインターネットというか今までのビジネスモデルがこのままずっといくとは思わない。同時配信とかそっちの方にいくので、いかにコンテンツを上手くつくっていくか、そして1対多ではなくて顕明経済、匿名経済ではなくてあなたにという世界にブロードキャスティングもいく時代が来るのではないかなと私は想像しています。
・・・
テレビとネットはこれから全て連動すると考えておかないと。ありとあらゆる全てのものが。そう考えていろんなことを考えていけば良いと思います。
と述べられました。
僕も全く同じ考えを持っています。僕はテレビではあまりバラエティ番組とかは見ず、報道・討論番組、ドキュメンタリー番組ばかりで、それがテレビで放送されていなければ動画サイトで好きな動画を見ています。
いまでは多くの方が個人的に面白いコンテンツがテレビで放送されていない場合には、動画サイトで好きなコンテンツを見ているのだろうと思います。
そういう意味でも、テレビ業界はネット放送をするほかなくなるのだろうと思います。
テレビを所有していなくとも、その他の媒体でテレビ番組を閲覧可能な場合には受信料をとるという行為については社会全体でよく考えていく必要があると思います。
マイナンバーについて
1つ目の質問はこちら。
小中学校の学習履歴や試験の成績をマイナンバーカードに紐付けし、オンラインで管理をする必要が本当にあるのでしょうか。個人的にはマイナス面しか思いつきません。
この質問に対して、
生徒が望まないのならこの話は亡き者にして全然良いですけど、今それぞれ3つGoogleとAppleとMicrosoft、それぞれいろんな学校でバラバラで使っている。それぞれ自分のIDをそこでつくるわけです。AppleならAppleで。それで勉強して自分の勉強したデータがそこにある。例えば、それを引っ越ししたり違った学校に転校したりしたときに、いまそれを自分で持っていくことができないんですよね。
・・・
そこで考えたのが、自分が必要なら自分のいままでの学習履歴を持って移動できるというポータビリティの話なんですよ。ですから誰かの情報を誰かがずっと管理するということではなくて、毎回ご破産になって1からやるんだったら自分が持っていきたい人はマイナンバーカードに紐付けて次のところでもそれが使えるようにしたらどうですかということ。だから望まないのならやらないです。
と述べられました。
僕も同じように考えていました。僕は自分の学習データをマイナンバーに紐付けできるならします。ただ、個人情報の管理、セキュリティ面についてはやや心配ですが、いろいろなことに活用してこそだと思います。
続いて2つ目の質問。
マイナンバーの活用の仕方として、脱税や申告漏れや社会保障費の未払いを把握することにより本当の意味での税と社会保障の一体改革が出来ると思います。縦割り行政で難しいとはいえ、マイナンバーをデジタル行政でフル活用することについて推し進めなければデジタル庁の存在意義はないと思いますが、大臣はどうお考えですか?
この質問に対して、
所得を把握するという話なのですが、いま銀行口座にマイナンバーが全部振られているわけではありません。証券口座は振られています。マイナンバーは自分で振るんだったら口座に振ることができると。振っておいて、子どもたちに相続できるし、国からの給付金も事前に決めておけばこの口座にということも指定できるというふうに法改正をする。
つまり、いま日本の国というのは国民の銀行口座の中身を覗くということはできないんですね。税務調査か犯罪調査のときに許可をとって口座の中身をみるんだけれども、それははっきり言ってマイナンバーも関係なくみれるわけです。なので日本という国は珍しい国で、番号を振りたくないという気持ちもよく分かるのは、人に自分の口座の内容を知られたくない。その挙句、毎年毎年誰のものかも分からない休眠口座というのが約500億円、毎年出てきているんですよ。
本来なら誰か相続する人がいるお金です。ところが隠してたか言い忘れか分からないですけど、タンス預金と同じで本人がボケたり死んだりしたらトレースできない。だから番号を振ろうということなんですよね。本来は銀行口座に全部振っていくという社会で、ある程度所得というものをちゃんと把握できるようにしないと。できれば本当は資産もしないといけない。
・・・
結局、誰が本当に困っているのかっていうことに関係なく、一律にヘリコプターマネーのように出さざるを得ないっていうのが日本の現状。ところが国民の一方で知られたくない、国に知らせたくないっていうのもあって、そこに配慮しているがためになかなか進まないというのが今の状況だと思います。
と述べられました。
金融庁によると、毎年約1,200億円が休眠預金となり、その後金融機関からの連絡により、約500億円が預貯金者に戻されていて、それでも残ったお金については民間公益活動を促進するために活用することになっているということです。(以下クリックで、金融庁のページに移動します)
こうしたお金は公益活動に使われているので、何か物申すつもりはありません。
マイナンバーの活用によって休眠預金等のほとんどが預貯金者らに正常に戻されるべきで、所得や資産の把握によって、相続など、お金の移行手続きを少しでも簡略化することが重要だと思います。
ただ、それによって、これまで民間公益活動に活用されていたお金が減ることも考えなければなりません。そうなれば、違った方法で民間公益活動を支援することが必要になってくるだろうと思います。
3つ目の質問です。
将来的にスウェーデンで行われているような体内にマイクロチップを埋め込むような選択肢は考えていますか?
この質問に対して、
これは望むならやれば良いけど、私はもうペットまでで良いような気がするね。はっきり言ってなんか痛い感じがするし。これって無理矢理誰かがチップを、手首っていうとナイフで取られて持っていったりするっていう犯罪起きたりするような気がするね。なんとなく迷子のペットとかには良いと思うし。はっきり言って私自身は絶対望まないね。チップ入れるって。やりたくない。
と述べられました。
僕も体内にチップを埋め込みたいとは思いません。ただ理由は異なります。痛いとかそういう問題ではありません。
一元的に管理されて、必ず指示に従ってと、もはや人間らしい生き方とは言えない、ほど遠い生き方になってしまう気がするからです。
ですが、こうした技術は今後ますます発展しそうです。
アメリカの起業家であるイーロン・マスク氏は昨年、脳にチップを埋め込み、コンピューターと連動させる技術を発表しました。同氏は、この技術がゆくゆくは認知症やパーキンソン病、脊髄損傷といった症状の治療に役立つと話しています。この実験の被験体はブタでしたが、ヒトが被験体となる日もそう遠くないように感じます。
こうした技術において、仮にセキュリティ面でアクシデントが発生した場合などを考えると…誰かに操られてしまうのでしょうか?
ヒトとは何なのか、またサイボーグ化などについて、改めて考える必要があると思いました。
生徒からのグループ質問
グループA〜Eの質問をざっと並べてみます。
【グループA】
地方などの高齢者が多いところでのITを導入する際にどのように導入しようとしているのか。
地方との格差が大きいことについてどのように思っているのか。
【グループB】
・マイナンバーカードのデータベースへのサイバー攻撃を許したとしても、最小限に抑える必要があると思います。そのような対策等はどのくらい進んでいるのでしょうか?年金機構のサイバー攻撃と、同様の攻撃をしっかりと防ぐ事が出来るのでしょうか?
・ITが日常に溶け込み、切っても切り離せない浸透具合になった現代でITを用いた国民生活の向上や、社会保障の拡充などIT担当として考えている新しい国民生活への施策や構想があれば教えてください。
【グループC】
・デジタル庁としてどのような人材を登用したいですか?これからは、私は変化に柔軟に対応できる人材が必要だと思います。政策立案過程に多様性が求められる時代にもなっていると思いますが、民間人登用についてのお考えをお聞きしたいです。また、若くてITにも強いN高生はいかがでしょうか?
・オンライン投票について、今の時代自宅にいる方がたくさんいると思います。ウイルスが収まってもオンラインの方が投票しやすかったりするのかなと思います。オンライン投票ができたら格段にもっと投票率が上がると思っていますがいかがでしょうか。
【グループD】
デジタル化を進めるにあたって「誰一人取り残さない」ことを最も重要視していると仰っていましたが、情報弱者(デジタル弱者)のことを考えると、デジタル化は進めるが、誰一人取り残さないということが矛盾しているように感じるのですが、そんなことはないのでしょうか。
【グループE】
昨年は、情報通信技術における暮らしの豊かさをさらに進歩させるものが多く登場した年だったと思います。
一部の企業が大きく生産性を向上させる中で、他の企業はあまり効果が出ておらず総体として生産性が伸び悩んでいるようです。ICTのように技術革新によってGDPが向上する効果があると思います。企業の生産活動においてはまだその効果が出ていないだけだと考える方が良いのでしょうか?
これ全てを書くと長くなってしまうので、今回は僕が所属しているグループDのみ取り上げさせていただきます。他の回答を聞きたい場合は動画をご視聴ください。
グループDの質問の質問はこんな感じでした。
【グループD】
デジタル化を進めるにあたって「誰一人取り残さない」ことを最も重要視していると仰っていましたが、情報弱者(デジタル弱者)のことを考えると、デジタル化は進めるが、誰一人取り残さないということが矛盾しているように感じるのですが、そんなことはないのでしょうか。
この質問は僕が考えました。ご高齢の方の中にもデジタルに強い!という方はおられるので、エイジズムととられないよう、あえてこういう表現にしました。
この質問に対して、
デジタル化っていうそのものをズバリで取り残さないんじゃなくて、デジタル化のメリットから全然関係ないところに人を置かないっていうことだと思っています。
まず、年齢、地理的条件や経済的な状況での格差とか、視覚障がい、聴覚障がいとかいろんなもののアクセシビリティ、まずはそういうようなものに関してできるだけイコールフッティングにしていこうということと、苦手な人、情報格差っていうのは苦手な人をアシストすることを社会全体で仕組みをつくってます。
1つはデジタル活用支援員っていうのを全国に配置をするんですね。これはデジタルの民生委員みたいなもので、それぞれの地域の小学校区単位に、はっきり言ってそこに住んでる人で、この人に聞いたら何でも教えてくれるみたいな人をとりあえず置こうと。彼らに、はっきり言ってスマートフォンとかパソコンも、要するにデジタル化のメリットの、例えば手続きとか給付金もらうとかっていうのは自分のパソコンやスマートフォンでなくてもできるんですよね。誰かがとなりにいてやってくれたと。エストニアもそうだったんだけど、やっぱりできる人ができない人を助けること当たり前の社会にまずはするっていうところが必要だろうというふうに思います。
・・・
これからいろんな行政手続きで印紙とかそんなもの、紙が一気に無くなるわけではないけども、デジタルでやると安いっていうことを享受できない人がたくさんできるのはマズイなと思ってます。ですから、明らかにトランザクションコストが下がっていくので、その分国民に返すことができるっていうのがデジタル化っていうことで、そういうサービスを受けられるように社会全体がサポートするということだと思います。
と述べられました。
これを聞いた後、デジタル活用支援員か・・・と思いました。
僕の祖母がスマートフォンを使っていて、使い方が分からないときに僕がいつも教えていますが、使い慣れていないのでなかなか難しそうにしています。また、母にも教えています。
何が言いたいのかというと、デジタル活用支援員と同じようなことをしているので、教えるのが難しいだろうなということです。
デジタルでやると安いということは確かですが、ハンコなどを作っている方々が厳しい状況になることも確かです。僕自身、ハンコそのものが好きで、押す機会が減っても持っておきたいと思っています。そういう意味でもハンコなどが完全に無くなるということはないだろうと思います。
今回の講義に対するコメントにひとつ面白いものがあったので紹介だけしておきます。(YouTubeより抜粋)
誰ひとり取り残さないという考えがマインドセットを変える障害になっているのではないかと思ってしまう。
あなたはデジタル化についてどう思いますか?
〜講義全体を通して〜
デジタル分野に興味がある人間として、今回の話はたいへん特別なものになりました。デジタル庁の果たすべき役割や情報格差など内容の濃い話が聞けてとても嬉しく思います。
デジタルが苦手だという人をどうアシストしていくべきか改めて考えさせられました。
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございました!
これまでの講義について、政治部員が書いたものがあるので、もしよければ以下より見てみてください。
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