ちゃんと食べられるお口かな?①
今回はお子さんの口の成長と離乳食の選び方についてです。
お子さんの食べ物や離乳食の準備は本当に大変ですよね。
自分たち大人の食べるご飯の準備ですら大変なのに
お子さんの食べられる物を選んで、調理をして、煮る時間を調整したり、ミキサーにかけたり、裏ごししたり。アレルギーも注意して。
やっと出来上がった!と思いきや、なぜか食べてくれなかったり…
苦労されている親御さんのお話をよくお聞きします。
「子どもの食」に関して言えば、
栄養バランス、アレルギー、離乳食調理、口の成長、嚥下の成長、食具等
トピックは様々ありますが、
その中でも今回は口の成長具合「咀嚼」についてお話させていただきたいと思います。
皆さんの身近には
・ごはんなど丸呑みしてしまう
・固いものを噛めずに出してしまう
・手を口に入れて、手で食べ物を移動させながら噛んでいる
そんなお子さんはいらっしゃいますか?
もしかしたらそれは口の成長の未発達からくる問題かもしれません。
では、どうやって発達を促していけばいいのか。
ポイントは、ずばり「舌」の成長です。
この舌の動き方に合わせて、哺乳の期間、ごっくん期、もぐもぐ期、かみかみ期、ぱくぱく期で分けてお話していきましょう。
①哺乳の期間(1‐4か月)
いわゆるミルクや母乳の期間です。
口の成長に大切な1番最初の時期です。
この時期の赤ちゃんはほっぺがぷくぷくとしてまんまるですよね。
これはほっぺがふくれて固い段階です。
実はこのふくれた固さによって、口の中の隙間がなくなり、ミルクが誤嚥しづらい構造になっているのですが、
おっぱいをたくさん飲んだり、手やおもちゃを舐めたりして、口や舌をたくさん動かしてほぐしていかないと、成長してから口の中に物が残りやすお口になりやすくなってしまいます。
もしミルクの時期が終わったのにぷくぷくとしたほっぺかもと思った際には少しほっぺのマッサージをしてあげてください。
優しく指先で押して上下左右に数回まわしてあげればOKです。
口周りは過敏なお子さんも多いので、リラックスした環境で嫌がらない範囲でやってあげましょう。
咀嚼の準備はまずほっぺから。この時期から、しっかりと食べるお口の準備を整えてあげましょう。
②ごっくん期(5‐6か月)
まだお口の準備が整っていない赤ちゃんは、口に異物や危険なものが入ってこないように咬反射(噛んで物が入らないようにする)や舌の搬出反射(舌で物を押し返そうとする)が実は生まれつき備わっています。
この反射が無くなってきて、スプーンでミルクなどを与えても飲むようになってきたら、離乳食を始めても大丈夫なタイミングです。
この頃、舌の動きはまだ「前後の動き」しかありません。
口の閉じも弱く、物を噛んだりつぶす動きはまだできません。
ただ、少し大人と同じような仕組みで「ごっくん」と嚥下が可能になってきている段階です。
なので離乳食はペースト状。
ご飯は10倍粥のすりつぶし。野菜はくたくたに茹でて裏ごししたもの。卵も卵黄をヨーグルトですり伸ばしてケチャップ状にしたものが望ましいです。まだまだ食べ物が口から出てきやすい時期です。
この時期には、口を閉じて舌で上手に送り込むことを練習していきます。
1‐2歳以降になっても口を閉じて食べれなかったり、食べながら口から物がこぼれてしまうお子さんはこの段階での練習が必要かもしれません。
お母さんの指で下唇を手伝ってあげて、少し口を閉じる事を手伝って意識づけができるといいですね。
また①の哺乳の時期と同様、手や玩具を口に入れたりして口と舌を動かす機会をたくさん積ませてあげましょう。
③もぐもぐ期(7‐8か月)
この時期、舌が前後に合わせて「上下」に動かせるようになります。
つまり上顎に舌を押し付けて柔らかいものを「押しつぶして食べる」ことができるようになります。
さらにこの頃、顎の力もついてくることでしっかりと口が閉じられるようになってきます。
みなさん試しに口を閉じずに、舌を上あごにつけずに、ごっくんと唾を飲み込んでみてください。どうでしょう?
きっととても飲み込みづらかったのではないでしょうか。
実はこの頃できるようになる
「舌を上顎に押し付ける事」
「しっかりと口を閉じる事」
の2つが非常に大切になってきます。
これによって、少し形のあるものも咀嚼でき、しっかりと飲み込むことができるようになってくるんですね。
そのためこの頃の離乳食としては
ご飯も5倍粥。軟らかめに炊いた普通のお粥が食べれます。
うどんも2㎜大に刻みくたくたに煮ることで食べられるようになってきます。
野菜は人参やカボチャは柔らかく似て、2㎜台の舌で押しつぶせる程の物は入れて大丈夫です。
卵も卵黄をヨーグルトで伸ばしますが、舌でつぶせるジャム状の物。
白身魚も茹でて細かくほぐし、とろみ付け、つまんでつぶせる大きさにできれば食べられるようになります。
この頃からささみ等のお肉も食べ始めてもいいでしょう。初めてのお肉は良くすりつぶしてとろみ付けをしたらポタージュ状のものから試し、徐々にざらつき程度の物がある状態で食べさせてみてください。
これらのような食べ物をお口に入れて、口を閉じて、押しつぶす様子が見られれば、それがそのままお口の練習になりますので、ぜひたくさん練習させてあげてください。
また、実はこの頃に、顎の力もついてくるため、コップ飲みもできるようになってきます。
下顎を安定させて、上唇でそっと水面に口をつけることを覚える期間です。
もしも、コップを口につけるとガジガジ噛んでしまったり
上手くすすれずこぼしたり、一気に水が口に入ってしまったり
そのようなお子さんはこの段階でのお口の練習が必要です。
レンゲなどを使って、下顎と上唇を少しずつ物合わせていく練習をしてあげましょう。
さて、今回は長くなってしまったのでこのくらいに、
残りのかみかみ期とぱくぱく期は次回にまとめていきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回はお子さんの口の成長と離乳食についてまとめてみました。
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ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
ぜひ次回も楽しみにしていてください
少しでも発達障害児やその支援に関わる人たちの利益に繋がりますように。
ご愛読ありがとうございました。
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